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第19話
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校舎を出ると、もう太陽は沈みかけていて赤と青が綺麗に混ざりあっていた。
学校から家までは徒歩10分以内で通える距離だ。
だけど、今日はとても長く感じた。
最悪な日だ。
『もう色々とありすぎて、、、』
そうだね、、、。
夜風が吹き始めて、怒りで熱くなった心を冷やしていく。
この服で、学校行かなきゃならないのかよ。
『パーカーはショッピングモールで買えるからいいけど、タートルネックは制服だからね、なんとも言えないよ。コー監督に言えば?』
あの人に言う前に「似合ってるじゃないか。そのままにしなさい。しなかったら私の次回作に出てもらうよ」って言われると思う。
『うわぁ、言いそう』
本当に最悪だ。
いろんな意味で。
『チーム、入るの?』
ユキは?
どうしたい?
『えっ?』
僕はユキじゃないだろ。
元々はユキの身体だ。
ユキの意思に僕は従う。
そう言うと、ユキは言葉を失ってしまった。そんな風にするつもりは微塵もなかったが、言ってしまったから今更取り消す事なんでできない。
『、、、、た』
ん?
『アイツらのバンド、聴いてて楽しかった』
そうだね。
気分良かった。
『また聴きたいと思った』
そうだね。
『だから』
だから?
『アイツらと合わせたイチ兄の歌聴いてみたい』
、、、えっと、それはどういう意味?
『イチ兄の歌は綺麗で上手い。いつものアカペラも凄いけど、バンドと合わせて歌ったらもっと凄くなる、、、と思ったから、なんだけど変かな?』
早口で興奮したように。
その声は僕の中で響いた。
笑ってしまいそうになる。
緩くなる口元を必死に押さえ込む。
側から見ればおかしな奴かもしれないが、それくらい僕は意表を突かれてしまったのだ。
返事を待つユキに僕は声をかける。
変じゃないよ。
わかった。
ユキが喜んでくれるなら、喜んで。
ユキは芸能界に戻るのを怖がってる。
でも、周りの人はユキが戻る事を求めている。
バンドなんか始めたら、周りはもっと戻る事を求めて来るだろう。
それでも構わない。
ユキが、双子として産まれて来る筈だった弟が喜んでくれるなら、僕は君と一緒にどんな壁も超えてみせるよ。
『えへへ、やった♪』
静かな夜に、ユキは久し振りに心から喜んでくれた。
〆◼️〆◼️〆◼️〆
帰って申込書に必要な事を記入して、風呂に入る。上がって髪を乾かして、ラフな黒ジャージに着替えてベッドに
寝転がる。
フワフワの掛け布団に包まればすぐに睡魔が襲って来た。
ウトウトと瞼が落ちてきたのに身を任せているとピロロロロンピロロロロンとAIパットから音が流れ始めた。
朦朧とする意識の中でパットを見ると【着信・内田ヒカル】と表示されていた。3回ほど無視を続けていたが一向に鳴り止む気配がないので、諦めるように電話に出た。
「はい、もし『あー!やっと出た!姫ちゃん、死んじゃったかと思ったじゃん!電話くらいちゃんと出てよ』今何時だと思っ『え?まだ9時半だよ?もしかして姫ちゃん、もう寝てるの?って事は寮生じゃないんだぁ、いいないいなぁ』人の話を聞『ねね!チームの話、考えてくれた?僕、姫ちゃんには絶対に入って欲しいんだ♪』」
言葉という言葉を掻き消されて、うんざりする。
あぁ、もう、眠い。
「言い、たいの、は、それだけ?」
『えっ?うん、そうだよ』
「そう、じゃ、お休み」
『ちょ、待って!待っててば!』
「、、、何?」
『姫ちゃん、本当に考えてる?シュウゴの幼馴染として言っとくけど、シュウゴは欲しいものは必ず手に入れるタイプだからね。しつこく、ねちっこく、グループに入れようとするからね。早めに諦める事をお勧めするよ。じゃないと姫ちゃんが持たなくな「決めてるから」へっ?』
間抜けな声が電話のから聞こえてくる。
「決めてる。入るって」
『まじ?』
「よ、ろこんで、くれるって、いうか、なん、というか、だから、はい、るつもり」
『はあああ♡うん!うん!待ってる♡待ってるよぉ♡あ、他のメンバー内緒にするから安心して♡驚かせる方がいいよねぇ♡、、、って姫ちゃん聞いてる?』
言うだけ言って、瞼は限界を迎えた。
ゆっくりと閉じられていく世界にヒカルのなんて言ってるかわからない声が響いていた。
明日、学校行ったらコー監督に申込書を提出しよう。
理由を聞かれそうだけど、はぐらかしながら答えよう。
多分、ハルキさんにもコー監督を通して、連絡がいくだろう。
今日だけで、僕は随分と変わったな。
見た目も、おそらく中身も。
ほんの少し。
学校から家までは徒歩10分以内で通える距離だ。
だけど、今日はとても長く感じた。
最悪な日だ。
『もう色々とありすぎて、、、』
そうだね、、、。
夜風が吹き始めて、怒りで熱くなった心を冷やしていく。
この服で、学校行かなきゃならないのかよ。
『パーカーはショッピングモールで買えるからいいけど、タートルネックは制服だからね、なんとも言えないよ。コー監督に言えば?』
あの人に言う前に「似合ってるじゃないか。そのままにしなさい。しなかったら私の次回作に出てもらうよ」って言われると思う。
『うわぁ、言いそう』
本当に最悪だ。
いろんな意味で。
『チーム、入るの?』
ユキは?
どうしたい?
『えっ?』
僕はユキじゃないだろ。
元々はユキの身体だ。
ユキの意思に僕は従う。
そう言うと、ユキは言葉を失ってしまった。そんな風にするつもりは微塵もなかったが、言ってしまったから今更取り消す事なんでできない。
『、、、、た』
ん?
『アイツらのバンド、聴いてて楽しかった』
そうだね。
気分良かった。
『また聴きたいと思った』
そうだね。
『だから』
だから?
『アイツらと合わせたイチ兄の歌聴いてみたい』
、、、えっと、それはどういう意味?
『イチ兄の歌は綺麗で上手い。いつものアカペラも凄いけど、バンドと合わせて歌ったらもっと凄くなる、、、と思ったから、なんだけど変かな?』
早口で興奮したように。
その声は僕の中で響いた。
笑ってしまいそうになる。
緩くなる口元を必死に押さえ込む。
側から見ればおかしな奴かもしれないが、それくらい僕は意表を突かれてしまったのだ。
返事を待つユキに僕は声をかける。
変じゃないよ。
わかった。
ユキが喜んでくれるなら、喜んで。
ユキは芸能界に戻るのを怖がってる。
でも、周りの人はユキが戻る事を求めている。
バンドなんか始めたら、周りはもっと戻る事を求めて来るだろう。
それでも構わない。
ユキが、双子として産まれて来る筈だった弟が喜んでくれるなら、僕は君と一緒にどんな壁も超えてみせるよ。
『えへへ、やった♪』
静かな夜に、ユキは久し振りに心から喜んでくれた。
〆◼️〆◼️〆◼️〆
帰って申込書に必要な事を記入して、風呂に入る。上がって髪を乾かして、ラフな黒ジャージに着替えてベッドに
寝転がる。
フワフワの掛け布団に包まればすぐに睡魔が襲って来た。
ウトウトと瞼が落ちてきたのに身を任せているとピロロロロンピロロロロンとAIパットから音が流れ始めた。
朦朧とする意識の中でパットを見ると【着信・内田ヒカル】と表示されていた。3回ほど無視を続けていたが一向に鳴り止む気配がないので、諦めるように電話に出た。
「はい、もし『あー!やっと出た!姫ちゃん、死んじゃったかと思ったじゃん!電話くらいちゃんと出てよ』今何時だと思っ『え?まだ9時半だよ?もしかして姫ちゃん、もう寝てるの?って事は寮生じゃないんだぁ、いいないいなぁ』人の話を聞『ねね!チームの話、考えてくれた?僕、姫ちゃんには絶対に入って欲しいんだ♪』」
言葉という言葉を掻き消されて、うんざりする。
あぁ、もう、眠い。
「言い、たいの、は、それだけ?」
『えっ?うん、そうだよ』
「そう、じゃ、お休み」
『ちょ、待って!待っててば!』
「、、、何?」
『姫ちゃん、本当に考えてる?シュウゴの幼馴染として言っとくけど、シュウゴは欲しいものは必ず手に入れるタイプだからね。しつこく、ねちっこく、グループに入れようとするからね。早めに諦める事をお勧めするよ。じゃないと姫ちゃんが持たなくな「決めてるから」へっ?』
間抜けな声が電話のから聞こえてくる。
「決めてる。入るって」
『まじ?』
「よ、ろこんで、くれるって、いうか、なん、というか、だから、はい、るつもり」
『はあああ♡うん!うん!待ってる♡待ってるよぉ♡あ、他のメンバー内緒にするから安心して♡驚かせる方がいいよねぇ♡、、、って姫ちゃん聞いてる?』
言うだけ言って、瞼は限界を迎えた。
ゆっくりと閉じられていく世界にヒカルのなんて言ってるかわからない声が響いていた。
明日、学校行ったらコー監督に申込書を提出しよう。
理由を聞かれそうだけど、はぐらかしながら答えよう。
多分、ハルキさんにもコー監督を通して、連絡がいくだろう。
今日だけで、僕は随分と変わったな。
見た目も、おそらく中身も。
ほんの少し。
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