13 / 38
第13話
しおりを挟む
「魔物っていなくならないんですか? 昔からいっぱい退治してるんですよね? 」
「協会でも研究しているが、魔人と魔物にはまだわからないことが多い。退治しても減らないことから、今でも闇から出てきていると思われるが、あそこは魔人の住処になっているから確認することが出来ないから、なかなか研究が進めないんだ」
「じゃあ闇を封印すれば平和になるんですか? 」
「……ああ、そうだな。そうなるといいんだがな」
ルナの質問に歯切れが悪い回答をするガロッゾ先生。
今の世界は魔石に大きく依存している。変換器の開発により、農業や工事、運搬作業などには欠かせない物になっている。昔より少人数で済、時間も大幅に短縮することが出来るようになった。なってしまった。
事実アレクスやルナの家族を始め、村の大人のほぼ全員が変換器を使っている。もし変換器が使えなくなった場合、ここにいる子供たちは家の手伝いで一日が終わるだろう。
魔石は魔物と魔人からしか取れない。闇を完全に封印してしまったら魔石が取れなくなってしまう。そうなれば、今ある魔石を巡って人間同士の争いが起こるかもしれない。
最善は今いる魔人と魔物を全て倒し、闇に新しい門を作り人間が魔物発生を管理する事だろう。しかしそうなれば、闇が存在する都市が魔石を独占して争いが生まれる可能性がある。
魔物があふれている不安定な今が、一番安定していると言う矛盾しているのが今の現状だ。
「……せい! ……先生! ガロッゾ先生! 」
「……ああ。すまんすまん。昨日の酒が残ってるのかな? この村の酒はうますぎて飲み過ぎちまう。ガハハ! 」
「もう先生! 飲み過ぎはダメだよ」
教室に笑い声が響いた。思っていたより考え込んでしまったようで、子供たちに心配をかけてしまったようだ。魔石の問題は大人たちが考えればよいことだ。
ガロッゾは雰囲気を変えるべくある実験の話をした。
「そうだおまえら、もし動物……そうだな馬に変換器を付けたらどうなると思う? 」
動物に変換器を付ける。そんなことを考えたことが無かった子供たちは、あちこちで白熱した議論が巻き起こった。
「人と同じく力が強くなる」「そもそも動物には効果が無い」「魔物に変身する」人と変わらないと言うものから、発想がぶっ飛んでるものまで様々な考えが挙がった。
子供らしい発想の数々にガロッゾは苦笑いをしながら答えを教えた。
「正解は……うまく使えなかった! だ」
うまく使えなかった。子供たちは互いの顔を見て、よくわからないと困った顔をした。使えなかったわけじゃないから変換器は動いたのだろう。動かなかったならわかる。”うまく”使えなかった。やはりよくわからない。
子供たちは頭が混乱しているのか口を開けたまま固まる子や、怪訝な面持ちをしてる子がいる。
「ガハハ! なんだおまえらの顔は、納得出来ないって顔だな」
「だってなんかよくわからないだもん! なんだようまく使えなかったって! 」
「ガハハ! まぁ落ち着け。今からちゃんと説明するから」
変換器の力は人にだけ有効かどうか。もし動物に有効だったら力仕事に荷物運びの効率が段違いになるだろう。その考えをもとに様々な動物に付ける実験が行われた。
馬に付けてより多くの荷物を運ぶ実験。牛に付けてより広大な畑を耕す実験。しかし、いずれもうまくいかなかった。変換器は正常に作動し、動物たちの力が上がったのは確認する事は出来た。
しかし自分意外の力を使う事に対応出来なかった。馬はうまく走れなくなり暴走し、牛は力加減が出来なくなり畑を凸凹にしてしまった。
「って事あったんだ。その後も色々試したけど、けが人がいっぱい出ちまってな。結局動物に付ける事は禁止されたんだ」
思わぬ変換器の歴史を知り、過去の学者たちの頑張りを知った子供たちは感心しつつガロッゾ先生の授業は続いた。
「協会でも研究しているが、魔人と魔物にはまだわからないことが多い。退治しても減らないことから、今でも闇から出てきていると思われるが、あそこは魔人の住処になっているから確認することが出来ないから、なかなか研究が進めないんだ」
「じゃあ闇を封印すれば平和になるんですか? 」
「……ああ、そうだな。そうなるといいんだがな」
ルナの質問に歯切れが悪い回答をするガロッゾ先生。
今の世界は魔石に大きく依存している。変換器の開発により、農業や工事、運搬作業などには欠かせない物になっている。昔より少人数で済、時間も大幅に短縮することが出来るようになった。なってしまった。
事実アレクスやルナの家族を始め、村の大人のほぼ全員が変換器を使っている。もし変換器が使えなくなった場合、ここにいる子供たちは家の手伝いで一日が終わるだろう。
魔石は魔物と魔人からしか取れない。闇を完全に封印してしまったら魔石が取れなくなってしまう。そうなれば、今ある魔石を巡って人間同士の争いが起こるかもしれない。
最善は今いる魔人と魔物を全て倒し、闇に新しい門を作り人間が魔物発生を管理する事だろう。しかしそうなれば、闇が存在する都市が魔石を独占して争いが生まれる可能性がある。
魔物があふれている不安定な今が、一番安定していると言う矛盾しているのが今の現状だ。
「……せい! ……先生! ガロッゾ先生! 」
「……ああ。すまんすまん。昨日の酒が残ってるのかな? この村の酒はうますぎて飲み過ぎちまう。ガハハ! 」
「もう先生! 飲み過ぎはダメだよ」
教室に笑い声が響いた。思っていたより考え込んでしまったようで、子供たちに心配をかけてしまったようだ。魔石の問題は大人たちが考えればよいことだ。
ガロッゾは雰囲気を変えるべくある実験の話をした。
「そうだおまえら、もし動物……そうだな馬に変換器を付けたらどうなると思う? 」
動物に変換器を付ける。そんなことを考えたことが無かった子供たちは、あちこちで白熱した議論が巻き起こった。
「人と同じく力が強くなる」「そもそも動物には効果が無い」「魔物に変身する」人と変わらないと言うものから、発想がぶっ飛んでるものまで様々な考えが挙がった。
子供らしい発想の数々にガロッゾは苦笑いをしながら答えを教えた。
「正解は……うまく使えなかった! だ」
うまく使えなかった。子供たちは互いの顔を見て、よくわからないと困った顔をした。使えなかったわけじゃないから変換器は動いたのだろう。動かなかったならわかる。”うまく”使えなかった。やはりよくわからない。
子供たちは頭が混乱しているのか口を開けたまま固まる子や、怪訝な面持ちをしてる子がいる。
「ガハハ! なんだおまえらの顔は、納得出来ないって顔だな」
「だってなんかよくわからないだもん! なんだようまく使えなかったって! 」
「ガハハ! まぁ落ち着け。今からちゃんと説明するから」
変換器の力は人にだけ有効かどうか。もし動物に有効だったら力仕事に荷物運びの効率が段違いになるだろう。その考えをもとに様々な動物に付ける実験が行われた。
馬に付けてより多くの荷物を運ぶ実験。牛に付けてより広大な畑を耕す実験。しかし、いずれもうまくいかなかった。変換器は正常に作動し、動物たちの力が上がったのは確認する事は出来た。
しかし自分意外の力を使う事に対応出来なかった。馬はうまく走れなくなり暴走し、牛は力加減が出来なくなり畑を凸凹にしてしまった。
「って事あったんだ。その後も色々試したけど、けが人がいっぱい出ちまってな。結局動物に付ける事は禁止されたんだ」
思わぬ変換器の歴史を知り、過去の学者たちの頑張りを知った子供たちは感心しつつガロッゾ先生の授業は続いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる