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ギルドでの謝礼金と新たな一歩
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今日は、謝礼金を受け取るためにカルロさんと一緒にギルドに来ている。
マーカスさんが説明をしてくれた。
「ミシェランに来る際の謝礼金と情報料は、全部で52万リラだ。盗賊団がかなりの大金を持っていたのと、闇商人も何人か捕まえられたから、こんなに高額になったんだ。それに、貴族の子も何人か捕まっていたから、礼金が加算されてこの額になった。あとは、盗賊団の所有物を分配したから、これもお前たちの物になる」
そう言って出されたのは、小型の四角い機械のような物だった。
「これは俺もよく分からないんだが、手紙を転移させる魔道具らしい。魔道具師によると、この魔道具は壊れていて修理が必要なんだが、非常に複雑に作られているから、作成者本人しか直せないそうだ。作成者は最も優れた魔道具師として何度も賞を取った方で、2年前に亡くなっているらしい」
それは、つまりガラクタなのでは……。
「マーカス、つまりそれはあまり物なのか?」
カルロさんが尋ねると、マーカスさんは笑ってごまかした。
「へぇ……!」
マッドは出された魔道具を手に取ると、目を輝かせた。他の人にはガラクタに見えるかもしれないが、彼にとっては違うようだった。複雑な機構を興味深そうに覗き込み、指先でその表面をなぞった。まるで宝物を見つけた子どものように、その表情は生き生きとしていた。
謝礼金は全額共通カードに入れてもらい、サインをして手続きは完了した。
「マーカス、先日の一件の役人についてなんだが、ここで説明させてもらってもいいか?」
「ああ、構わないぞ」
「まず、人攫いの3人は常習犯で貴族や商人が多額の懸賞金を出して指名手配されていた者たちだった。偶然、公園で見目のいい三人を見かけて大金になると企み、犯行に及んだそうだ。「まさかあんなに強いとは思わなかった」と言っていたよ。その三人を捕まえたので、懸賞金と謝礼金が出る。全部で200万リラだ。あとは役人の件だが、少し調べただけでもたくさんの犯罪が出てきたよ。詰所では結構頻繁に犯罪まがいのことが行われていたそうだ。主犯の三人と協力者三人は王都に送られて、さらなる尋問を受けることになった。ミシェラン領主からは、今回の件で詫び金と礼金が300万リラ出ている」
先ほどと同様にサインをして手続きは完了した。
すごい、一気にまとまった大金を手に入れてしまい、私たち三人は顔を見合わせていた。
「大事に使うんだぞ」
カルロさんがそう言うと、マッドが学校の話を切り出した。
「カルロさん、俺たちはこのお金で、平民でも入れる学校へ行きたいと思います。そのための保証人になってもらってもいいですか?」
私たちは図書館に行くようになってからずっと考えていたのだ。もっとこの世界のことが知りたいし、もっと身を守れるようになりたいと話し合っていた。色々調べてみると、平民でもお金さえあれば入れる学校がいくつかあることを知ったのだ。
「ああ、もちろんだ」
カルロさんが快諾すると、マーカスさんも同じように言ってくれた。
「なんなら、俺の親父でも喜んで保証人になると思うぞ」
「ありがとうございます!」私たち三人は声を揃えてお礼を言った。
「それと、一つ確認をしたいんだが、少し良いか?」
マーカスさんが何だか言いにくそうに話を切り出してきた。
「実はな、マクミラン伯爵家でお前たち三人を保護したいって話が出ているんだ。ちなみに保護っていうのは、養子縁組とかではなく、マクミラン伯爵家の縁の者だから手は出すなよって知らしめることで、変な虫が寄り付かないようにするための盾のようなものだ。お前たちにとっては悪い話ではないと思うぞ。ただ、保護された者はマクミラン伯爵家で将来役立つ人材になってほしい、という意向がある。親父もお袋も、お前たちの意見は尊重するし、決して悪いようにはしないから、考えてみてくれないか」
私たちは、お爺様もお婆様も大好きだけど、なぜかピンとこなかった。
「マーカスさん、ありがとうございます。でも俺たちは、もう少し自分たちで頑張ろうと思います。将来はスキルを活かして自分たちの店とかも欲しいので、その時はお世話になってもいいでしょうか?」
「ああ、もちろんだよ。そういえば、お前たちが作った物が売れそうな品だったら、店に陳列したいって親父もマルクも言ってたぞ。もし手元にあるなら持って行ってやるぞ」
「キャロルもリオも、昨日何か作ってたよな?」
マッドに聞かれて、私もリオも頷いた。
「今から親父に謝礼金を渡しに行くついでに持って行くから、取ってきてくれるか?」
取りに行かなくてもすぐに出せるけれど、ここで出すわけにはいかない。だから私たちは、泊まっている部屋まで行って持ってきたかのようにしてマーカスさんに手渡した。
私が昨日作ったのは、魔獣契約した聖鳥ピッピの形をしたセカンドバッグで、毛並みも精巧に再現した可愛らしい子供用の小さな鞄だ。華やかでキュートなので、パーティーバッグとしても使えると思う。もう一つは、上質な皮で作成した巾着型のリュックサックだった。
リオは、小さな木の宝箱に、とても繊細で細かい彫刻がされている物を二点持っていた。リオは自然をモチーフにした細かな彫刻が大好きで、この模様はリオらしくてとても美しい。
マーカスさんは、私たちから受け取った品々をまじまじと見つめた。最初に手に取ったのは私の作ったピッピのセカンドバッグで、その精巧さと可愛らしさに思わず「おおっ!」と声を上げた。次にリオの宝箱を検分すると、その彫刻の細かさに息をのんだようだ。カルロさんも隣で目を丸くして、感嘆の声を漏らしている。「まさか、こんなに質の良い物を作れるとは……!」マーカスさんの顔には、驚きと同時に確かな評価の光が宿っていた。
「すごいな、芸術をよく知らない俺でもすごいのがわかるぞ!この品について、マルクから直接返事をするように言っておくよ」
マーカスさんがそう言って褒めてくれたのは、素直に嬉しかった。
マーカスさんは渡した品の預かり証を私たちに渡し、マルクさんの店へ向かった。
「私は明後日にはルルソン村に帰るが、よかったら一緒に馬車で帰るか?」
カルロさんが誘ってくれたので、私たちはそうさせてもらうことにした。
後日、手紙を運ぶ魔道具はマッドが修理スキルと修復スキルを駆使して修理したら、問題なく使用できるようになったのでとても重宝している。この魔道具は、普通に購入すれば500万リラもするらしい。
マーカスさんが説明をしてくれた。
「ミシェランに来る際の謝礼金と情報料は、全部で52万リラだ。盗賊団がかなりの大金を持っていたのと、闇商人も何人か捕まえられたから、こんなに高額になったんだ。それに、貴族の子も何人か捕まっていたから、礼金が加算されてこの額になった。あとは、盗賊団の所有物を分配したから、これもお前たちの物になる」
そう言って出されたのは、小型の四角い機械のような物だった。
「これは俺もよく分からないんだが、手紙を転移させる魔道具らしい。魔道具師によると、この魔道具は壊れていて修理が必要なんだが、非常に複雑に作られているから、作成者本人しか直せないそうだ。作成者は最も優れた魔道具師として何度も賞を取った方で、2年前に亡くなっているらしい」
それは、つまりガラクタなのでは……。
「マーカス、つまりそれはあまり物なのか?」
カルロさんが尋ねると、マーカスさんは笑ってごまかした。
「へぇ……!」
マッドは出された魔道具を手に取ると、目を輝かせた。他の人にはガラクタに見えるかもしれないが、彼にとっては違うようだった。複雑な機構を興味深そうに覗き込み、指先でその表面をなぞった。まるで宝物を見つけた子どものように、その表情は生き生きとしていた。
謝礼金は全額共通カードに入れてもらい、サインをして手続きは完了した。
「マーカス、先日の一件の役人についてなんだが、ここで説明させてもらってもいいか?」
「ああ、構わないぞ」
「まず、人攫いの3人は常習犯で貴族や商人が多額の懸賞金を出して指名手配されていた者たちだった。偶然、公園で見目のいい三人を見かけて大金になると企み、犯行に及んだそうだ。「まさかあんなに強いとは思わなかった」と言っていたよ。その三人を捕まえたので、懸賞金と謝礼金が出る。全部で200万リラだ。あとは役人の件だが、少し調べただけでもたくさんの犯罪が出てきたよ。詰所では結構頻繁に犯罪まがいのことが行われていたそうだ。主犯の三人と協力者三人は王都に送られて、さらなる尋問を受けることになった。ミシェラン領主からは、今回の件で詫び金と礼金が300万リラ出ている」
先ほどと同様にサインをして手続きは完了した。
すごい、一気にまとまった大金を手に入れてしまい、私たち三人は顔を見合わせていた。
「大事に使うんだぞ」
カルロさんがそう言うと、マッドが学校の話を切り出した。
「カルロさん、俺たちはこのお金で、平民でも入れる学校へ行きたいと思います。そのための保証人になってもらってもいいですか?」
私たちは図書館に行くようになってからずっと考えていたのだ。もっとこの世界のことが知りたいし、もっと身を守れるようになりたいと話し合っていた。色々調べてみると、平民でもお金さえあれば入れる学校がいくつかあることを知ったのだ。
「ああ、もちろんだ」
カルロさんが快諾すると、マーカスさんも同じように言ってくれた。
「なんなら、俺の親父でも喜んで保証人になると思うぞ」
「ありがとうございます!」私たち三人は声を揃えてお礼を言った。
「それと、一つ確認をしたいんだが、少し良いか?」
マーカスさんが何だか言いにくそうに話を切り出してきた。
「実はな、マクミラン伯爵家でお前たち三人を保護したいって話が出ているんだ。ちなみに保護っていうのは、養子縁組とかではなく、マクミラン伯爵家の縁の者だから手は出すなよって知らしめることで、変な虫が寄り付かないようにするための盾のようなものだ。お前たちにとっては悪い話ではないと思うぞ。ただ、保護された者はマクミラン伯爵家で将来役立つ人材になってほしい、という意向がある。親父もお袋も、お前たちの意見は尊重するし、決して悪いようにはしないから、考えてみてくれないか」
私たちは、お爺様もお婆様も大好きだけど、なぜかピンとこなかった。
「マーカスさん、ありがとうございます。でも俺たちは、もう少し自分たちで頑張ろうと思います。将来はスキルを活かして自分たちの店とかも欲しいので、その時はお世話になってもいいでしょうか?」
「ああ、もちろんだよ。そういえば、お前たちが作った物が売れそうな品だったら、店に陳列したいって親父もマルクも言ってたぞ。もし手元にあるなら持って行ってやるぞ」
「キャロルもリオも、昨日何か作ってたよな?」
マッドに聞かれて、私もリオも頷いた。
「今から親父に謝礼金を渡しに行くついでに持って行くから、取ってきてくれるか?」
取りに行かなくてもすぐに出せるけれど、ここで出すわけにはいかない。だから私たちは、泊まっている部屋まで行って持ってきたかのようにしてマーカスさんに手渡した。
私が昨日作ったのは、魔獣契約した聖鳥ピッピの形をしたセカンドバッグで、毛並みも精巧に再現した可愛らしい子供用の小さな鞄だ。華やかでキュートなので、パーティーバッグとしても使えると思う。もう一つは、上質な皮で作成した巾着型のリュックサックだった。
リオは、小さな木の宝箱に、とても繊細で細かい彫刻がされている物を二点持っていた。リオは自然をモチーフにした細かな彫刻が大好きで、この模様はリオらしくてとても美しい。
マーカスさんは、私たちから受け取った品々をまじまじと見つめた。最初に手に取ったのは私の作ったピッピのセカンドバッグで、その精巧さと可愛らしさに思わず「おおっ!」と声を上げた。次にリオの宝箱を検分すると、その彫刻の細かさに息をのんだようだ。カルロさんも隣で目を丸くして、感嘆の声を漏らしている。「まさか、こんなに質の良い物を作れるとは……!」マーカスさんの顔には、驚きと同時に確かな評価の光が宿っていた。
「すごいな、芸術をよく知らない俺でもすごいのがわかるぞ!この品について、マルクから直接返事をするように言っておくよ」
マーカスさんがそう言って褒めてくれたのは、素直に嬉しかった。
マーカスさんは渡した品の預かり証を私たちに渡し、マルクさんの店へ向かった。
「私は明後日にはルルソン村に帰るが、よかったら一緒に馬車で帰るか?」
カルロさんが誘ってくれたので、私たちはそうさせてもらうことにした。
後日、手紙を運ぶ魔道具はマッドが修理スキルと修復スキルを駆使して修理したら、問題なく使用できるようになったのでとても重宝している。この魔道具は、普通に購入すれば500万リラもするらしい。
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