天使は異世界で大金を稼ぐ

白雪の雫

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序章

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 ほぉ~

 「金貨と銀貨と銅貨・・・。硬貨って見飽きないわね~」

 ネット通販では一個百円で売っている石鹸がリテラでは七千円・・・銀貨七枚、果物や花の香りがする石鹸は銀貨十枚で売れるのだから咲夜の笑いは止まらない。

 デュフフフフフ

 お金様こそこの世の強者にして至高の存在と呟きながら、プラチナブロンド色の髪をした美少女が締まりのない笑みを浮かべて今日の稼ぎが入っている箱の金貨を見つめる。

 美少女は日用生活品や消耗品のみならず、今では冒険者に欠かせない商品の一つとなっている保存食等を売っているアイテムショップの・・・日本風に言えば薬と化粧品のみならず食料品を扱っているドラッグストアを経営している店長でサクヤという。

 本名は望月 咲夜といい、名前の響きからして一応日本人女性である。

 一応と付いているのは、咲夜の出自と正体が一般常識から大きくかけ離れているからだ。

 実は咲夜、熾天使なのだ。正確に言えば天使と人間の血を持つ熾天使である。

 「しかし・・・まさか地球産の天使である私が異世界でアイテムショップを営むなんて夢にも思っていなかったわ」

 まぁ、日本というか地球と違って本来の姿を偽らずに済むというのは楽だけどね





 咲夜は自分が異世界に転生する切っ掛けになった出来事を思い出す。







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