神々の箱庭

白雪の雫

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②創造神から語られる衝撃の事実-4-

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「今までのシミュレート結果はパールティアちゃんに美奈月 潤としての記憶がなかった事と、【聖女】と【聖人】というスキルが原因ではないか?と思ったの」

「だから俺は潤としての記憶を持っている。そしてスキルは誰も聞いた事もなければ持ってもいない【石】という謎のものにしたという訳ですか・・・」

「そう。全ては世界の平和とアレクサンデルを闇落ちさせない為なの!!!」

 建前は立派だけどさ、それって要するに俺に尚を・・・アレクサンデルを押し付けようという事なんだよな?

 尚の事はLikeというよりLoveだから別にいいけどさ。

 尚の手綱は俺が握るとして・・・だ。

「ところで聞いてもいいですか?」

 俺はアレクサンドラ様に謎のスキル【石】について尋ねたんだ。

「スキル【石】というのはね、パールティアちゃんというか潤くんというか貴女の為だけに私が作ったの──・・・」

 本来であれば成人の儀式の折にスキルを授けるのは神に仕える精霊達の役目だけど、貴女だけは私が直々にスキルを授けたわ

 アレクサンドラ様曰く

 そこら辺に落ちている石に海辺や川辺の石、聳える岩を鉄や亜鉛といった卑金属、金や銀といった貴金属、ダイヤや水晶だけではなくファンタジー世界でしか存在しないミスリルといった類の鉱石、魔力を帯びた鉱石に金属、硝子、またそれ等を使った小物やアクセサリーに変える事が出来るという事だ。

「特殊部隊に所属していた潤くんとしての記憶があるパールティアちゃんは王女なのに鍛えていたし、実戦経験もあって強いし前世の経験からなのか最善を尽くす為に冷徹な判断を下す事も出来る。しかも全属性の魔法が使えるもの。そんなパールティアちゃんに【剣聖】や【賢者】という類のスキルなんて不要でしかないわ」

 それにね、世の中は金ですもの♡

 お金is正義♡

 パールティアちゃんには金を稼げるスキルを授けた方がいいと思って作ったのがスキル【石】という訳

 つまり、【石】というスキルはアレクサンドラ様が俺の為だけに作った唯一のスキルという解釈でいいのか・・・?

「潤くん・・・パールティアちゃん。アレクサンデルは、尚はオタクで厄介な性格をしている息子だけど貴女に対する真摯な愛情と想いは本物よ」

 パールティアちゃん、潤くん。どうか、アレクサンデルを、尚をよろしくね


 意識を失っていく中、俺の瞳には頭を下げたアレクサンドラ様の姿が映ったような気がした──・・・。







◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







「尚、俺の人生の全てをお前にくれてやる。だからお前のこれからの人生?神生?は俺が貰うぞ」

「うん・・・。俺は潤だけを愛しています。だから潤の人生のこれからを俺に下さい」


「尚、聞いてもいいか?仮にアレクサンドライトがオメガバースというものが通常な世界で、俺がΩで尚と番契約したとして・・・Ωの俺はどうやって子供を産むんだ?やはり帝王切開なのか?」

「潤?そこはファンタジーでご都合主義という名のお約束だから深く考えない方がいいよ」

(・・・・・・・・・・・・)

「ご都合主義か・・・。そうだよな!真面目に考えた俺が馬鹿だった!!!」


 異世界で再会した尚に俺からプロポーズしたり、尚が泣きながらもプロポーズを受けてくれたり、王女ではなく王子として転生したかったと思いながらもスキル【石】を使って俺が大金を稼ぐのは別の話だ。








※アレクサンドラは潤ことパールティアに「シミュレーションした」と言っているけど実は本当にあった事で、世界が某神ゲームのバッドエンドのように荒廃した世紀末になる度にアレクサンデル達が力を使って巻き戻ししており、その時に生きていた者達の記憶は綺麗さっぱり消えています。
潤の転生体の歩む人生が悲惨だったからアレクサンドラは息子の恋人の心を護る意味で「本当にあった事だ」と言わなかったのです。
潤もマッチョでしたが、尚は190cm超えのマッチョです。
※【聖騎士】【大賢者】【聖女】【聖人】【剣聖】という風に『大〇〇』とか『聖〇・〇聖』というスキルはレアですが数千~数万人に一人の割合。でも実際にスキルを与えるのは精霊達。能力と効果は創造神直々に授けられた潤ことパールティアと比べたら小さいです。






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