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③雑貨ショップ・ミストレイン
しおりを挟む『カサンドラ、皇帝である私に相応しい女性はそなただけだ。これからは皇后として私を支えて欲しい──・・・』
『喜んで。カルロス皇帝陛下』
乙女ゲームのクライマックスよろしく、アストライアーと息子のプロメテスを断罪した皇帝のカルロスは慣例を破ってまで皇后に据えたヒロインのカサンドラと結ばれました。
Fin
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あ~っ・・・
「ビッチヒロインがカルロスと結ばれるという悪夢を見るなんて最悪だ」
凛子が【煌々たる愛】でカルロスルートをクリアしたところを隣で眺めていた前世を夢で見てしまったせいで、すっかり目が覚めてしまったミストレインは大きな溜め息を漏らす。
(さっき見た夢のように、ヒロインがカルロスを選んでしまったら、そのルートを辿らせる為だけに何らかの理由を付けて俺が処刑される・・・のか?)
未来人が関わった事で狂ってしまった歴史を本来の流れへと修正するかのように、ゲーム補正とヒロイン補正とやらが働くのではないか?という疑念がミストレインの胸に過る。
「でもさ・・・よく考えたら、いや、よく考えなくてもアストライアーが死んだ事で俺はミストレインとしてゲームとは異なる人生を歩んでいるから、俺様な性格の分際でメンタルがあの店で売っているプリン並みに柔い攻略対象者共と、あいつ等とは正反対に『カッターキャー』をして濡れ衣を被せる頑丈なメンタルを持っているビッチヒロインと顔を会わせる可能性は0であるはず──・・・」
新たな一日を告げる光が空を照らす時が訪れるまでもう一眠りしようと思うのだが、色々と考え事をしてしまったものだからミストレインは眠れなくなってしまう。
数時間後
「少しは眠れると思っていたのだが・・・・・・」
寝不足って美容と健康に良くないんだけど、これって不安が払拭されない限り解決しないんだよな~
眠れなかったという理由だけで休業する訳にはいかないという自覚を抱いているミストレインは、修道女服をベースにしたのであろう可愛らしいデザインをしている店の制服に着替えて身支度を整えると朝食を食べる為、一階にある食堂へと向かう。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ん~っ・・・
「いい天気」
トースト・スクランブルエッグ・サラダ・ジュースという、リーベルとディアナが作った喫茶店のモーニングを思い出させる朝食を食べ終えたミストレインは開店準備を始める。
(それにしても、リーベンデールという世界は不思議だよな)
【煌々たる愛】は、建物の外観や世を動かしているのが皇帝・王族・貴族である事を踏まえて考えれば中世から近代を彷彿とさせる世界観だ。
ここだけを見れば、汚物は窓から捨てていた、川にそのまま流していた中世ヨーロッパのように、街は糞尿の臭いが充満していたように思ってしまうかも知れない。
だが、リーベンデールには魔法と精霊が存在している。
科学の代わりに魔法が発展して魔道具というものが作り出された。結果、インフラが現代日本並みに整っているだけではなく、地球には存在していない【生活魔法】というものが生み出されたのだ。
それだけではなく料理も多国籍というか無国籍というか、寿司・天ぷら・すき焼き・焼き鳥・定食といった日本食だけではなく中華やイタリアン等が当たり前のように存在していたりする。
世界観が中世から近代ヨーロッパ辺りだというのに、寿司があるの?すき焼きがあるの?と当初は疑問を抱いたものだが、【煌々たる愛】は日本人が作った乙女ゲームだ。
その辺りはファンタジーだから二十一世紀並みに多種多様の料理があっても不思議ではないと、ミストレインは開き直る事にした。考える事を放棄したともいう。
傷を治すポーション、毒消しポーション、携帯バー、魔法と属性攻撃から身を護るアクセサリーといった冒険者向けのアイテムだけではなく、贈答品にもなるカービングソープや入浴剤等、錬金釜のレンちゃんで作った商品をリーベルとディアナと共に次々と棚に並べていく。
「準備出来ました、ミストレイン様」
「二人共、ご苦労様」
今日も一日、頑張るわよ!
「「はい!」」
九時を告げる鐘が鳴ると共に雑貨ショップ・ミストレインが開店する。
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