乙女ゲームに転生した男の人生

白雪の雫

文字の大きさ
26 / 58

⑨もう一人の転生者-1-

しおりを挟む








 「カルロス様ぁ~♡あたしぃ、カルロス様の為にぃ~、綺麗になりたいからぁ~、新しいドレスとピンクダイヤの首飾りとイヤリングと指輪が欲しいですぅ~♡」
 「俺の為に美しくあろうとするとは・・・。カサンドラ、そなたこそ俺の傍らにあるに相応しい姫だ」
 カサンドラの態度に気を良くしたカルロスは、腕利きの職人に彼女が希望したドレス等を作らせる。





 「ギュスターヴ様の剣術ってぇ、見ているだけでも興奮するからぁ~、火照っちゃって脱いでしまいそうですぅ~♡」
 「カサンドラ妃。僕を見て興奮してくれるのは嬉しいですが・・・滑らかな象牙色の肌を僕以外の男に晒そうとするのは許せませんね」
 訓練場の席で眺めているカサンドラの元にやって来たギュスターヴは自分が羽織っているマントを外すと、彼女の身体を覆い隠す。





 「エンディミオン様にぃ~、見られているだけでぇ~、ゾクゾクっとしちゃいますぅ~♡」
 「カサンドラ妃・・・」
 相手は皇帝の寵姫だと分かっていながら心が惹かれている女性の一言に、エンディミオンはカサンドラを雄としての欲情が籠った視線で見つめる。





 「ゼフュロス様ってぇ~、忠誠心が高いですよぉ♡そんなぁ、ゼフュロス様が分からないキャロライン様はぁ~、馬鹿ですよぉ~」
 「カサンドラ様・・・」
 婚約者であるキャロラインから『陛下と私、どちらが大事なのですか!?』と、日頃から詰め寄られているゼフュロスはカサンドラの一言に癒される。










◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆










 「カサンドラ妃!貴女は陛下の寵愛を一身に受ける御方です!」
 「その貴女が私の未来の夫となるギュスターヴ様と・・・・・・」
ふんっ!
 「あたしと攻略・・・カルロス様達は、あんた達が考えているようなものじゃないわ!優秀な婚約者とやらと比べられて悩んでいるあいつ等を慰めてやっているんだから寧ろ感謝して欲しいくらいよ!!」
 婚約者に愛されたかったら、【気位が高くて何を考えているのか分からない無表情な女】ではなく【純粋無垢で天真爛漫な馬鹿女】になればいいんじゃないかしら?
 まぁ、生まれた時から高貴な身分であらせられるあんた達が、男に縋る頭が弱くて可愛い女なんかになれないでしょうけど!!!
 皇帝の寵姫という立場にありながら自分の婚約者に粉をかけている事を問い詰めるエレクトラ達に対して、カサンドラは悪びれもせず飄々と、それどころか男を立てずに見下しているような態度を取っているのが悪いと言い返す。





 (自称ヒロインさんは今日もお盛んよね~。ヒロインというのは精神だけではなく肉体的にもタフネスじゃないと務まらないポジションだったのね・・・)
 逆ハーエンドを目指しているのか、隠しキャラのアイドネウス狙いなのか分からないが、攻略対象者共の前では男が理想とする女の子を演じて媚を売りつつ彼等に悟られぬように悪役令嬢として位置づけられている婚約者達を陥れようとしているカサンドラの様子を遠巻きに眺めながら己の仕事をこなしていく少女の姿があった。
 少女の名前はマイア。
 ヒロインを自称する者は心身共にタフネスでないと出来ないと言っている事から、マイアはカサンドラと同様に転生者である。
 そんな彼女の前世の名前は菅谷 凛子という灯夜のクラスメイト。大学卒業後はエステティシャンになった女性だった。
 (ヒロインのように他人を陥れたり、男の前では態度を変えて理想の女を演じたり、あんな気持ち悪い喋り方をして媚びるなんて私には出来ないわね)




 マイアは前世の記憶を取り戻した時を思い出す。





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

転生メイドは貞操の危機!

早桃 氷魚(さもも ひお)
恋愛
クララは乙女ゲームの世界に転生した、モブのメイド。 最推しキャラの公爵令息、ロルフのメイドとして、不幸フラグを折りながら、天使のように愛らしい推しを守ってきた。 ロルフはクララに懐き、魔法学園に入学するときも、離ればなれになるのを嫌がるほど。 「帰ってきたら、ずっと一緒だからね?」 ロルフとそう約束してから三年後。 魔法学園を卒業したロルフが、ついに屋敷へ戻ってきた! だが、クララの前に現れたのは、 かつての天使ではなく、超イケメンの男だった! 「クララ、愛している」 え!? あの天使はどこへ行ったの!? そして推し!! いま何て言った!? 混乱するクララを、ロルフはベッドに押し倒してきて……!? ----- Kindle配信のTL小説 『転生メイドは推しを甘やかしまくった結果、貞操の危機です!』 こちらは番外編です! 本編よりずっと前の、推しがまだ天使だった頃のお話です。 本編を知らなくても読めます。

【完】麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

こころ ゆい
恋愛
※完結しました!皆様のおかげです!ありがとうございました! ※既に完結しておりますが、番外編②加筆しました!(2025/10/17)  狼獣人、リードネストの番(つがい)として隣国から攫われてきたモモネリア。  突然知らない場所に連れてこられた彼女は、ある事情で生きる気力も失っていた。  だが、リードネストの献身的な愛が、傷付いたモモネリアを包み込み、徐々に二人は心を通わせていく。  そんなとき、二人で訪れた旅先で小さなドワーフ、ローネルに出会う。  共に行くことになったローネルだが、何か秘密があるようで?  自分に向けられる、獣人の深い愛情に翻弄される番を描いた、とろ甘溺愛ラブストーリー。

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

黒騎士団の娼婦

星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。

ラム猫
恋愛
 異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。  『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。  しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。  彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。 ※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

処理中です...