世界を救った救世主、別世界に行く 〜2度目の旅はハードモード?〜

文字の大きさ
2 / 3

2話 世界が変わっても勇者は勇者

しおりを挟む
時は村に入る直前に戻る。
「やっぱりエルナはすごいです。」
「セリアこそよく神聖魔法が使えたわね。この世界でも神に愛されているのね。」
魔物の殲滅を終え、エルナが二人のところに戻った。
ルークも少し遅れて合流する。
「遅かったね。」
「魔物がもういないか見てたんだ。」
「そう、それでどうするの?あの村に寄る?」
「え、もちろん。まだ何か困っているかもしれない。」
寄らないなんて考えてもなかったというルークの反応。
それを見た3人はやはり、と言った顔になる。
世界が変わっても勇者は勇者なのだ。
「じゃあ行きますか。」
そして村人たちに出迎えられた。

村人はルークたちの世界の人間とは少し違った。
(体表が毛で覆われているし、耳や鼻が大きい。犬に近いわね。でも顔の区別は付くし、獣人と言ったところかしら。)
エルナは観察しているとあることに気がつく。
「ねぇ、ガルド。」
「わかってる。こりゃ疫病だな。村全体が弱ったところを魔物に襲われたんだな。」
セリアの祈りで怪我の類は治ったはずだが、いまだに具合が悪そうな者が多数。
エルナは魔法で彼らの体を解析し始めた。
「私はこの村の村長です。この度は村を救っていただきありがとうございます。」
村に入ってすぐ、村長がルークたちを出迎えた。
「いえいえそんな。…というか言語は通じないと思ってたけど、意外といけるのか?」
ルークは村長に挨拶しながらエルナに話しかける。
「そんなわけないじゃない。私の魔法よ。」
それを聞いて3人は一瞬、目が点になる。
「みんな、なんで固まってるの。」
「え、それって翻訳魔法ってこと?そんなことできるの?」
「ええ。解析魔法を応用したらできたわ。あとこの世界に適応できるようにいろんな魔法をかけてあるわ。私から1km以上離れないでね。死ぬわよ。」
そんな大事なことは先に言ってくれよ、と3人は思ったが一緒に旅をしてきて無理だとわかっているため口にはしなかった。確認しなかった自分たちが悪い、そう言い聞かせる。
「どうされましたか。」
「いえなんでもありません。」
「そうですか。失礼ですがお名前を伺っても?」
「僕はルーク。えっと勇者です。」
「私は僧侶のセリアです。」
「戦士のガルドだ。」
「魔法使いのエルナよ。」
「そうですか。この度は村を救ってくださりありがとうございます。」
「いやいや、頭を上げてください。」
村長は深々と頭を下げる。
それをルークは止める。ルークは人のお礼を受け取るのが苦手なのだ。
「それより、何か困っていることはありませんか。お力になりますよ。」
ルークの問いかけに村長は首を振る。
「これ以上何かをしていただくわけにはいきません。私たちはお礼が何もできませんので。」
ガルドはそれを見て警戒されていると思った。
(仕方がないか。前の世界じゃ俺たちゃ有名だったからそれでよかったがここじゃ無名もいいところ。怪しいよな。)
ルークはそれをわかっていないわけではなさそうだ。
しかし彼は困りごとには人一倍敏感で、まだ何かあると感じていた。
なので根気強く聞き出そうとしていた。すると後ろで
「疫病の解析終わったわ。セリア、合わせて。」
「え、あ、はい?」
「な、今なんとおっしゃいましたか。」
解病リカバリー
天の恵みリバイタライゼーション
村長に返事もせず、魔法を発動。
その光は村を包み、そして消える。
「あ、あれ?なんか元気になってきた!」
「本当だ。お腹が痛くない。」
そして村に活気が戻った。
「な、なんと。疫病が治った?」
片や数分で疫病だけを滅する魔法を作り、片や突然言われたにも関わらず、必要な祈りを無駄のない範囲で発動。
やはりどちらも規格外だ、と遠い目をするガルドだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

最弱弓術士、全距離支配で最強へ

Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」 剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。 若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。 リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。 風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。 弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。 そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。 「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」 孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。 しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。 最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!

処理中です...