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2話 世界が変わっても勇者は勇者
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時は村に入る直前に戻る。
「やっぱりエルナはすごいです。」
「セリアこそよく神聖魔法が使えたわね。この世界でも神に愛されているのね。」
魔物の殲滅を終え、エルナが二人のところに戻った。
ルークも少し遅れて合流する。
「遅かったね。」
「魔物がもういないか見てたんだ。」
「そう、それでどうするの?あの村に寄る?」
「え、もちろん。まだ何か困っているかもしれない。」
寄らないなんて考えてもなかったというルークの反応。
それを見た3人はやはり、と言った顔になる。
世界が変わっても勇者は勇者なのだ。
「じゃあ行きますか。」
そして村人たちに出迎えられた。
村人はルークたちの世界の人間とは少し違った。
(体表が毛で覆われているし、耳や鼻が大きい。犬に近いわね。でも顔の区別は付くし、獣人と言ったところかしら。)
エルナは観察しているとあることに気がつく。
「ねぇ、ガルド。」
「わかってる。こりゃ疫病だな。村全体が弱ったところを魔物に襲われたんだな。」
セリアの祈りで怪我の類は治ったはずだが、いまだに具合が悪そうな者が多数。
エルナは魔法で彼らの体を解析し始めた。
「私はこの村の村長です。この度は村を救っていただきありがとうございます。」
村に入ってすぐ、村長がルークたちを出迎えた。
「いえいえそんな。…というか言語は通じないと思ってたけど、意外といけるのか?」
ルークは村長に挨拶しながらエルナに話しかける。
「そんなわけないじゃない。私の魔法よ。」
それを聞いて3人は一瞬、目が点になる。
「みんな、なんで固まってるの。」
「え、それって翻訳魔法ってこと?そんなことできるの?」
「ええ。解析魔法を応用したらできたわ。あとこの世界に適応できるようにいろんな魔法をかけてあるわ。私から1km以上離れないでね。死ぬわよ。」
そんな大事なことは先に言ってくれよ、と3人は思ったが一緒に旅をしてきて無理だとわかっているため口にはしなかった。確認しなかった自分たちが悪い、そう言い聞かせる。
「どうされましたか。」
「いえなんでもありません。」
「そうですか。失礼ですがお名前を伺っても?」
「僕はルーク。えっと勇者です。」
「私は僧侶のセリアです。」
「戦士のガルドだ。」
「魔法使いのエルナよ。」
「そうですか。この度は村を救ってくださりありがとうございます。」
「いやいや、頭を上げてください。」
村長は深々と頭を下げる。
それをルークは止める。ルークは人のお礼を受け取るのが苦手なのだ。
「それより、何か困っていることはありませんか。お力になりますよ。」
ルークの問いかけに村長は首を振る。
「これ以上何かをしていただくわけにはいきません。私たちはお礼が何もできませんので。」
ガルドはそれを見て警戒されていると思った。
(仕方がないか。前の世界じゃ俺たちゃ有名だったからそれでよかったがここじゃ無名もいいところ。怪しいよな。)
ルークはそれをわかっていないわけではなさそうだ。
しかし彼は困りごとには人一倍敏感で、まだ何かあると感じていた。
なので根気強く聞き出そうとしていた。すると後ろで
「疫病の解析終わったわ。セリア、合わせて。」
「え、あ、はい?」
「な、今なんとおっしゃいましたか。」
「解病」
「天の恵み」
村長に返事もせず、魔法を発動。
その光は村を包み、そして消える。
「あ、あれ?なんか元気になってきた!」
「本当だ。お腹が痛くない。」
そして村に活気が戻った。
「な、なんと。疫病が治った?」
片や数分で疫病だけを滅する魔法を作り、片や突然言われたにも関わらず、必要な祈りを無駄のない範囲で発動。
やはりどちらも規格外だ、と遠い目をするガルドだった。
「やっぱりエルナはすごいです。」
「セリアこそよく神聖魔法が使えたわね。この世界でも神に愛されているのね。」
魔物の殲滅を終え、エルナが二人のところに戻った。
ルークも少し遅れて合流する。
「遅かったね。」
「魔物がもういないか見てたんだ。」
「そう、それでどうするの?あの村に寄る?」
「え、もちろん。まだ何か困っているかもしれない。」
寄らないなんて考えてもなかったというルークの反応。
それを見た3人はやはり、と言った顔になる。
世界が変わっても勇者は勇者なのだ。
「じゃあ行きますか。」
そして村人たちに出迎えられた。
村人はルークたちの世界の人間とは少し違った。
(体表が毛で覆われているし、耳や鼻が大きい。犬に近いわね。でも顔の区別は付くし、獣人と言ったところかしら。)
エルナは観察しているとあることに気がつく。
「ねぇ、ガルド。」
「わかってる。こりゃ疫病だな。村全体が弱ったところを魔物に襲われたんだな。」
セリアの祈りで怪我の類は治ったはずだが、いまだに具合が悪そうな者が多数。
エルナは魔法で彼らの体を解析し始めた。
「私はこの村の村長です。この度は村を救っていただきありがとうございます。」
村に入ってすぐ、村長がルークたちを出迎えた。
「いえいえそんな。…というか言語は通じないと思ってたけど、意外といけるのか?」
ルークは村長に挨拶しながらエルナに話しかける。
「そんなわけないじゃない。私の魔法よ。」
それを聞いて3人は一瞬、目が点になる。
「みんな、なんで固まってるの。」
「え、それって翻訳魔法ってこと?そんなことできるの?」
「ええ。解析魔法を応用したらできたわ。あとこの世界に適応できるようにいろんな魔法をかけてあるわ。私から1km以上離れないでね。死ぬわよ。」
そんな大事なことは先に言ってくれよ、と3人は思ったが一緒に旅をしてきて無理だとわかっているため口にはしなかった。確認しなかった自分たちが悪い、そう言い聞かせる。
「どうされましたか。」
「いえなんでもありません。」
「そうですか。失礼ですがお名前を伺っても?」
「僕はルーク。えっと勇者です。」
「私は僧侶のセリアです。」
「戦士のガルドだ。」
「魔法使いのエルナよ。」
「そうですか。この度は村を救ってくださりありがとうございます。」
「いやいや、頭を上げてください。」
村長は深々と頭を下げる。
それをルークは止める。ルークは人のお礼を受け取るのが苦手なのだ。
「それより、何か困っていることはありませんか。お力になりますよ。」
ルークの問いかけに村長は首を振る。
「これ以上何かをしていただくわけにはいきません。私たちはお礼が何もできませんので。」
ガルドはそれを見て警戒されていると思った。
(仕方がないか。前の世界じゃ俺たちゃ有名だったからそれでよかったがここじゃ無名もいいところ。怪しいよな。)
ルークはそれをわかっていないわけではなさそうだ。
しかし彼は困りごとには人一倍敏感で、まだ何かあると感じていた。
なので根気強く聞き出そうとしていた。すると後ろで
「疫病の解析終わったわ。セリア、合わせて。」
「え、あ、はい?」
「な、今なんとおっしゃいましたか。」
「解病」
「天の恵み」
村長に返事もせず、魔法を発動。
その光は村を包み、そして消える。
「あ、あれ?なんか元気になってきた!」
「本当だ。お腹が痛くない。」
そして村に活気が戻った。
「な、なんと。疫病が治った?」
片や数分で疫病だけを滅する魔法を作り、片や突然言われたにも関わらず、必要な祈りを無駄のない範囲で発動。
やはりどちらも規格外だ、と遠い目をするガルドだった。
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