幻影たるノスタルジア ━ ━最底辺のはずの俺に、この世界は怯えていた

斎藤海月

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第0章 始まりか、終わりか、

プロローグ 夢の始まり

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『アルカナの地で待ってる』

 それは、いつもと変わらない通学路。燃えるような夏の日差しに照らされて陽炎が揺らめく中、汗を流しながら自転車で坂道を立ち漕ぎで勢いよく駆け上がっていた時のことだった。
 あまりにも突然に聞こえてきたその声は、耳元で、というより、まるで頭の中に直接語りかけてきたようだ。
 嗄れたようで、男とも女とも取れない不思議な声。

「え、は?」

 驚きながら振り返るがそこには誰もいない。
 バランスを崩し、少年は勢いよく自転車ごと転げ落ちる。
 熱いアスファルトに前進を打ちつけ、鋭い痛みが走った。

「クソ!ついてねぇな」

 頭を掻きながら黒髪黒目のどこにでもいるような顔の少年はふらつきながら立ち上がり、汗で湿った制服についた汚れを腕で払う。
 自転車を起こし、跨ったところで、

「やぁ、偶然だね。東雲君」

 後方から声が聞こえた。
 今度は先程とは違って女の声だ。
 振り返るのも億劫だったが、東雲、という自分の名前を呼ばれたせいで少年は振り返らざるを得なくなった。

「急いでるんだ。何か用か?」

 悪態を吐きつつ振り返ると、そこにいたのは黒髪の三つ編みお下げに黒縁の眼鏡の地味な少女。
 その制服から見るに、少年と同じ高校の人物なのだろうと思われた。

「アルカナの地って知ってる?」

「はぁ?」

 少女の口から少年にとって先程聞いた気がする単語が飛び出て、手で頬に滴る汗を拭い思わず目を細める。

「教えてあげよっか?」

 そんな少年の態度をまるで気にすることなく少女は不気味な笑みを浮かべた。

「え、いや、別に。てかごめん、あんた誰だっけ?」

 少年は素っ気なく少女の説明に答えた後、そういえば自分の名を知っているらしいこの少女が何者なのかを知らないことに気づいた。

「ふふっ。忘れちゃったの?酷いね」

「ごめん」

 彼女の様子から少なくとも自分と知人の関係ではあるらしいことを悟る。

「ほら、同じクラスの」

「あぁ、黒月さんだったっけ」

 クラスの窓際の1番後ろの自分の隣の席でいつも本を読んでいる少女が頭に浮かんだ。
 あまり少年が絡んだことの無いような、普段は話さないようなタイプの少女。

「そうよ。まさか隣の席なのに忘れられてるなんて驚いちゃったな」

「いやごめんってば。てか急にしたん?」

 同じクラスメートであることが発覚し、少年は警戒心をとき、人あたりのいいような柔らかい口調で改めて要件を尋ねる。

「だから、アルカナの地について教えてあげよっか?って聞いてるの」

「あるかな?何だよそれ」

 また同じ言葉が帰ってきて、聞き覚えのないその単語が何なのかを必死に頭を回して考えるが、特に思い浮かぶことは無かった。

「えっと、そこから?うーん。説明するのちょっとめんどくさいかな。まぁ、着いたらわかるよ。さ、行こう」

「いや、行かねぇよ?」

 まるでそれが当然であるかのように踵を返し歩き出そうとする少女に少年が不思議そうな顔で返すと、少女はキョトンとした顔で振り返る。

「え、なんで?」

「なんでって、学校あるし。てゆーか、そもそも普通に意味わからん話にホイホイ食らいつくような男じゃないし、俺」

 そう少年が言いきった時、少女は目を細めてにやりと笑い、まっすぐ少年を見つめ、言葉を紡ぐ。
 まるで全てを見通し、何かの確信を得ているかのように。

「これが貴方のその乾きを埋めてくれるものだとしても?」

「は?」

「貴方の居場所はここにはない」

 彼女はぽつりと呟いた。

「……貴方の生きるべき世界はここじゃない。そんなこととうの昔にわかってるんでしょ?貴方は何をしていても満たされない。心から笑えない。愛せない。
 だから、おいでよ」

 そう言いきったどこか涼し気な少女はご満悦な様子で少年に手を伸ばす。少女の笑顔は、どこか作り物めいて見えた。
 言葉のひとつひとつが、まるで心の奥を見透かしてくるようで、吐き気すら覚えた。当の少年は灼熱の太陽に当てられて頬を流れ落ちる汗を拭い、そして静かに、

「……俺、お前のこと嫌いだわ」

 確かな嫌悪感を持ってその手を振り払った。

「ふふっ。嫌われちゃったかな?それで、着いてくる気は?」

「なる訳ねぇだろ。んじゃ」

「あらあら。距離感失敗しちゃったかな?」

 どこかまだ余裕のある感じの少女を置いて少年は自転車をようやく漕ぎ出した。
 行先は、もちろん学校。

 ❖❖❖

 授業が終わった休み時間、隣の席に座る黒髪おさげの少女が何やら難しそうな本を読んでいるのを横目で見ながら朝のことを思い出していた時。

「おーっす。東雲ちゃん、元気なくね?」

 ――スパァン!

 心地よいほどの音が鳴るのと同時に頭に衝撃が走る。少年は頭を抱えて振り返る。

「いって!何しやがんだよ……って。なんだお前かよ。びっくりさせんな」

 今頭を叩いたのが、茶髪に茶目の男、神崎であることを確認し、少年は興味なさげに視線を逸らす。

「え、そんな対応塩なことある?ひっどーい。僕ちん泣いちゃーう」

 そのいかにも幼稚な仕草に少年は呆れてため息を1つ。

「お前ってほんとにブレないよな」

 子供の頃からの友人である彼は昔からテンションが高い。
 少年にも手に負えないほどには。

「で、ほんとに元気なくない?授業中もずっとぼーっとしてるしさ」

「あ?……ただの夏バテだから気にすんな」

「おーけー、おーけー。誰にでも知られたくない秘密の1つや2つあるよなぁ?わかるよ。痛いほどわかるさ。全部夏の暑さのせいにしちゃおうぜ。お前のその、燃えるように熱いハートも、ね?」

「え、いや、マジで何言ってんの?」

 彼はこの暑さでとうとう頭の方がイカれてしまったのではなかろうか、と少年は目の前の友人を憐れむ様な目つきで見つめるのだが、友人はそれに気づかないようで、つらつらと続ける。

「いや、俺に隠し事なんてお前にはまだ早すぎる。そうだな、三千年後にでも出直しな」

「はぁ?」

「あぁ、その様子じゃあもしかしてお前、自分でも気づいてなかったのか?お前ずっと黒月さんのこと見てるの」

「え、いや、なんで。……ってか!別にそういう意味じゃねぇからな。ほんとに!そもそも、俺が見てたのは黒月さんじゃあない!その先の広く澄み渡る夏の青空を見てたんだ!」

 声を荒らげる少年。その声の大きさでクラスの半分程が一斉にこちらを見た。、もちろん隣の少女も聞こえているのだが、少年はそれにまだ気づかない。

「いやぁ、さすがに嘘つくの下手すぎるだろうがよぉ東雲ちゃん。むしろ天才だろ」

「うぐっ……でもほんとにそういうんじゃないからな。勘違いすんなよ。あと誰にも言うなよ?」

「そんなことくらい朝飯前だ。お前の親友だからな。だがしかしもう黒月さんも気づいてるじゃないか」

 その声で少年が恐る恐る隣を見ると、そこにはこちらを見て笑っている少女がいた。
 それからまた周りを見回すとこちらを見てヒューヒューと野次を飛ばす輩もそれなりにいるではないか。

「あぁ!もう!クソ!」

 少年は周りの人間に変な誤解を抱かせてしまったことに対し、少しめんどくさくなるかもしれないなと遠い目で天井を見上げたのだった。
 だから、友人の、少女を見つめるその瞳が値踏みをするようなものであったことも、少女が友人に怪しい笑みを向けていたことにも気づくことは無かった。

 朝の一件の後、少年は午後の授業に入っても未だに少女の話が頭から抜けてはいなかった。
 教科書を読んでいる振りをしながら隣の少女に目を向けると彼女は笑って少年に目を合わせる。
 それに小さく嘆息を零してまた少年は教科書に目を向けた。
 先程からこれを繰り返しているのも、何もかも朝の少女の話していた言葉が頭から離れないせいであった。
 彼女の話に思い当たる節がないと言えば嘘になる。それは少年が未だ誰にも言っていない秘密。秘密といってもそこまで大層なものじゃない。ただ夢を見るのだ。それも同じ夢を。どんな内容なのかはさっぱり覚えていない。朝目覚めるとその夢の記憶は忘れている。ただ、またあの夢かという実感だけが残るのだ。それをどう表現したらいいのか分からない。ただの夢かもしれない。だが、確かにそれは懐かしくて、目覚めた瞬間のあの切なさが胸を締め付けるのだ。
 その夢が何なのか、知りたくてたまらない。
 もしも彼女が何か知っているのなら――そんな願いをかけながらまた少年は隣を見てしまい、少女はそんな彼に微笑みかける。

 ❖❖❖

「起立。さようなら」

 帰りのSHが終わり、学級長の号令を聞き終えたところで、友人が少年の方に駆け寄った。

「東雲ちゃーん、今日一緒に帰ろーよ」

「珍しいな、部活があるんじゃないのか?」

 友人はサッカー部に所属しており、帰宅部の少年とは時間が合わず、最近では一緒に帰ることはほとんどなかった。だから少年は驚愕の表情を見せる。

「もう試合も終わったし、今日は珍しくサボりの気分~」

「はっ。まじかよ。谷センにチクるぞ?」

 谷センとはサッカー部顧問であり、彼らの高校において怒らせてはならない教師の1人と呼ばれていた。

「あ、いや、それはまじ勘弁」

「ってことで、また明日な!」

「おいっ!」

 友人が咄嗟に少年の手を掴もうと手を伸ばすが、すばしっこい少年がそれに捕まることは無かった。

 ――友人の瞳がいつもとは違い必死で、まるで何かに縋る様なものであったことにも、少年は気付くことが出来なかった。

 少年は学級長の号令とともに席を立ってしまった隣席の少女を追いかけていると、生徒玄関の少し手前で黒いおさげの少女をみつけ、その腕を掴む。

「あら?どうしたの?東雲くん」

 いきなり腕をひかれて少女は少し驚いた様な表情をしてみせた。

「……アルカナってのは何処だよ」

 小さな声でそうボソッと少年が告げたのを少女は聞き逃さなかった。そして満足気に顔を歪める。

「やっと着いてくる気になったんだ。やっぱり身体は正直ってコトかな?」

「使い所あってねぇだろ、それ」

「ふふっ。まぁまぁ、細かいことは気にせずに。じゃ、着いてきて」

 そう言って少女は少年をおいて靴を履き替えて行こうとするその背中を少年は引き止める。

「あ、待って俺チャリ取りに行くから」

「わかった。……待ってる」

 少女は少年の背中を見ながら物憂げな、否、恍惚的な笑みをしていた。

 ❖❖❖

 自転車を手で押しながら少女の隣を歩く。
 いつも隣の席にいるはずなのに何処か新鮮な感覚があった。二人の間には、わずかながら気まずさが漂っている。
 まぁ、それは少年がそう感じているだけかもしれないのだが。
 そしてその静けさを先に飛ばしたのは少年の方。

「おーい。てかそろそろアルカナ?ってやつについて教えてくれてもよくないか?」

「うーん、説明?まぁ来たらわかるよ。はい、これでおしまい。次はこっち」

「いやいや、雑だな。雑すぎるぞさすがに。てかほんとに道あってんのか?」

 少年は少し不安そうに周囲を見渡す。
 というのも、もう彼らは人通りのある道を通っておらず、森の道路脇を歩いている状態だったのだ。
 車通りも少ない、狭く荒くれた道を。

「あってるよ。次はこっち」

 そう言って少女が歩く道はもう整備もされていないようなもはや道とも言えない道で、少年は眉をひそめる。

「自転車持ってけないじゃん」

「うん。そこら辺に停めといたらいいんじゃないかな」

「おい、待てよ。……ってかここ立ち入り禁止じゃんか」

 2人の前に立ちはだかるのは立ち入り禁止と書かれている黄色と黒のテープ。

「……」

 それが何か?とでも言いたげな少女の様子に少年は降参のポーズをとってみせる。

「はいはい。着いてけばいいんでしょ。りょーかいですよ」

「ふふっ、よろしい。……あ」

「なんだよ」

「そうだった。そういえば、最後に1つ、忘れてた。貴方、明日お誕生日でしょ?17歳のお誕生日、おめでとう。……もうここでは誰かに祝われることもないだろうからね」

「あぁ?何言ってんだよ、お前」

 明日が少年の17歳の誕生日だということは、確かな事実である。
 しかし少年は今まであまり親しくなかった少女に伝えた覚えはなかった。
 その違和感と、少女の言葉に込められた意味がわからず、少年は首を傾げる。
 少女はそんな少年の様子を憐れむような瞳で少し見つめた後、何も言わずに歩き始めた。その瞳が一瞬、ほんの一瞬だけ金色に光った気がしたが、少年はそれ以上何か声をかけることが出来ずに黙ってその後ろを歩く。

「着いたよ」

 あれから数十分、いや、正しい時間は分からないが、少年の体感的にそのくらいの時間で狭い山道から明るい、開けた空間に出た時、少女がそう告げた。
 足元の木の根や蔦に引っかからないように下げていた顔を上げる。
 するとそこには、どこまでも、どこまでも明るい夜空が広がっていた。

「お、い。ここって……!?」

 少年は驚いて少女の姿を追おうと、周りを見回すも、そこにはもう誰もいない。
 代わりにあるのは幻想的な夜空と、まるで中世のヨーロッパにでもありそうな美しい、されど古びた屋敷だった。
 辺り一面が多種多様な花で埋め尽くされており、色とりどりの花々が、夜空の星々に照らされて爛々と輝いている。
 ――その景色は少年にどこか懐かしさを感じさせた。

 少年の問い掛けに代わりに帰ってきたのは、どこからともなく聞こえてくる子供の声。
 1人、2人とその声は増えていく。
 それは歓喜、喝采、感嘆、祝福。
 それに惹かれるように少年は一歩、また一歩と足を出す。
 呼吸するように揺らめく花々を踏まないように、殺さないように、ゆっくりと。
 その『歌声』を探し求めて少年は屋敷の裏側にまでやってきた。
 そこには湖がひろがっており、空の星々がまるで花弁のように浮かんでは、沈んでいる。
 そして、気づくと最初は何を言っているのかも分からなかったその『歌』はようやくはっきりと姿を水面から出していた。

『ぽとぽと  夜の実零れたら
 一つの星が  影となる

 ゆらゆら  水面に泡沫の
 名前を忘れた  夢一つ

 英雄は帰りぬ  時を超え
 忘れ去られし  名を抱き

 七つの罪が待っている
 彼の目覚めを待っている

 怒りは刃  慈愛は炎
 灰となるのは世界か否か

 指切りしたのは誰だった?
 約束は何処で落としたの?

 湖の底で  眠る者
 今も覚めずに  歌を待つ

 誰かの涙でできた湖
 君の罰はまさにここ

 果物一つ  知恵の色
 甘くて 苦い 罪の味

 さぁ誓いなさい  契りなさい  
 君の歩みが  夜明けを孕む』

 ……その『歌』は、確かに他の誰でもないその少年に向けられたものだった。
 それが何を示しているのか、何を伝えんとするのかが分からずに困惑する少年に『声』は告げる。

『おかえりなさい、アルカナの地へ』

 ――愛の告白とも呼べるほどうっとりとするような、まるで酔いしれているような甘美な言葉とともに、少年は長い永い眠りについた。
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