私のマジカルノベル

@kitunetuki12

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第十六魔法;TKGと間違えそうなTKZ作戦

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 今、リズミールさ…リズミールと、姉さんの三人で大聖堂にいる。​

「今から、チャミス何勝手なことしてんだよ、ユルサネー計画を練る。」​

よし、頑張ろう!チャミスの都合なんか、考えねぇでいこう!​

「あのー…。」​

リズミールさ、リズミールが挙手する。気のせいか、微笑む顔が引きつっている。​

「ツッコむべきかは分かりませんが…作戦名、おかしくないですか?」​

何を言っているんだろう?チャミス何勝手なことしてんだよ、ユルサネー計画のどこが引っかかるんだ?すると、姉さんが理解したかのような顔でうなずいた。​

「ふむ、確かに作戦名が長いな。よし、略してTNKSY作戦と言おう!」​

おぉ!俺が感心している中、リズミールさ、リズミールの顔はもっと引きつった。​

「…あの、もっと根本的に…。」​

「なるほど!じゃぁ、チャミスてめぇ覚悟しとけよ?作戦はどうだ?」​

リズミール(やった!呼び捨て成功!)の微笑みはもう、跡形もなく消えていた。

「そうじゃなくて、チャミス救出作戦とかで良いと思います!」​

…リズミールは何を言っているんだ?異議を覚えた俺は、ここで挙手する。​

「チャミス誘拐作戦は?」​

リズミールが俺に、ネズミを見る目を向けてくる。そんなにダメな案だったかな?​

「はぁ…。まぁ、チャミスが助かれば何でもいいや。」​

そう言って、微笑んだ。いや、苦笑したと言えばいいかな?​

「では、今からチャミスかっさらうze作戦を練る。最高長官は私が引き受けよう。」​

このセリフを、長官気取りのチャミスが言っていたら、異議を唱えるところだ。しかし、姉さんには「異議を唱えたらどうなるか…分かるよな?」というオーラがある。どうやら、リズミールもその漆黒のオーラを感じ取ったらしい。異議は誰も申し立てなかった。​

「了解。で、俺はどんな役割だ?」​

「お前は…我々TKZ(TyamisuKssarauZe)の大物の役だ。」​

おぉ…何なんだ?期待が膨らむ。​

「TKZ作戦には欠かせない役、それは…。」​

姉さんが間を取る。そんなにためなくてもいいから早く!​

「雑用処理長官だ。」​

…雑用?​

「我々のサポートをする役だ。…大切だろう?」​

良く言ってるつもりだろうけど、要は雑用係ってことか…。期待した自分を責める。​

「続いて、そこの…リミーズル!」​

「リズミールです!」​

姉さんは、三秒ほど考える。そして、素直に「すまんな」と言った。(本音かは知らないけど)​

「リズーミル、君の役は…。」​

「リズミールです…。」​

消えそうな声でリズミールは付け足すが、姉さんの耳には届いていない。​

「最高長官補佐雑務処理監視長だ。」​

すごく長い名前の役だな…。​

「リミールズ、最高長官補佐雑務処理監視長とは、私の補佐をしつつ、カルトを監視しながら手伝いをする役だ。」​

姉さんは、一語一句間違えずに、長い役名を言う。(リズミールの名前は憶えていないのに…)​

「カルトの監視…ですか?」​

リズミールは、姉さんが未だに自分の名前を憶えていないことを気にせず質問した。…いや、もう名前の件に関しては諦めている様子だった。​

「あぁ。こいつが、いつサボるか分からないからな。」​

人聞きの悪い!俺がいつサボった!​

「テスト前の勉強、夏休みの勉強計画、自由研究、あと…。」​

「分かった!分かったから!」​

また頭の中を読み取られ、さらには恥ずかしい思い出まで暴露されるなんて…。​

「ではこれから、第一回TKZ計画会議を行う!」​

姉さんは生き生きとしていた。しかし、司会進行役を奪われたのは不覚!​

「なぁ、まずはTKZ作戦の具体的な内容を…。」​

「そこっ!今は最高長官が話している。雑役は静かにしておけ!」​

苦っ!ムカつくけど、姉さんにあらがう気にはなれない。おとなしくしておくか…。​

「では、邪魔も無くなったところで会議を始める。」​

邪魔…。俺って邪魔…?はぁ~。​

「では、まずTKZ作戦を練る前に覚悟を決めておけ。」​

…もしかして、TKZ作戦は命に関わることなのか?!すると、また姉さんに感情を読み取られる。​

「チャミスは人間界に自らの意思で行った。もし、チャミスが魔法界へ帰りたくないと言ったときは、チャミスを置いていく。」​

は?何言ってるんだ?チャミスが、人間界に居たいと思う…のか?​

「チャミスの学校や親は、魔法界に居るんですよ?」​

リズミールが、冗談と信じている口調で言った。…いや、半信半疑な声だ。​

「もしかしたら、記憶が消えているかもしれん。」​

親に、「お前は橋の下から拾ってきたんだよ」と言われたときみたいな気分だ。絶対嘘だと思いながらも、少し不安になるような…そんな感じだった。​

「私の推測も混ざっているが、多分チャミスは魔法界での記憶を無くしている。」​

ホントに姉さんは何を言ってるんだ?おかしくなったのかな…。​

「四大魔法大戦の文章を、昨日一気に解読した。そ、その文章には魔力消去装置について詳しく書いてあった。」​

気のせいか、姉さんが小刻みに震えている。でも、気のせいだと信じたい。​

「魔界人の”ある細胞”の機能を消去する仕組みだそうだ。その”ある細胞”が魔力をためる働きをしていると考えてくれ。」​

ふむ。まだ理解できる内容だ。でも、どこが記憶と関係あるんだ?​

「あ、”ある細胞”の機能が消えると同時に……。」​

姉さんの言葉が止まる。不安度メーターがMaxに近づく。​

「同時に…記憶が消えるかもしれん。」​

「なんでだよ!どうして…。」​

無意識に叫んでいた。​

「我々の記憶は、魔力と直結している。だから…多分、記憶はもう…無い。」​

チャミスが、自分たちのことを覚えてないかもしれない?そんなの、あり得ない…。

「チャミスが自分たちを忘れていても…この作戦は必ず実行します。」​

さっきまで黙っていたリズミールが、いきなり口を開く。​

「リルミーズ…。」​

良い場面の空気がぶち壊れたが、気にしないでおいとく。(姉さん、早くリズミールの名前覚えなよ…)​

「あくまで、可能性に過ぎないんですよね?なら、私は諦めるつもりは無いです。」​

真っ直ぐと姉さんを見て言い放った。しかも、良く通る声で。​

「リズルーミ、ホントに良いんだな?」​

俺は、この感動のシーンを頭の中でリプレイする。「リズミール、ホントに良いんだな?」っと頭の中の、心が綺麗な姉さんが言う。​​

「はい!」​

リズミールが力強く返事をする。しかし、姉さんの顔は、まだ満足していなかった。​

「お前は?」​

不意に指と視線が指される。少し戸惑ったが、ここはカッコよく決めたい気持ちが、戸惑いを打ち負かした。​

「もちろん!俺は、チャミスの都合なんか無視するつもりだ!」​

精一杯クールに言ったつもりだった。なのに…なのに!​

「それは良くないと…思うよ。」​

リズミールにそう言われた。しかも、言い終わってすぐに。​

「まぁ、覚悟は決まったようだし、会議を早速始めるぞ!」​

いつの間にか、いつものマイペースな姉さんに戻っていた。​でも、どこか昔の姉さんに似ていた。
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