【BL】オネェ騎士は見習いが可愛くて仕方ない。

梅花

文字の大きさ
33 / 83
3章 騎士

3話

しおりを挟む
「さて、そろそろ人が増えて来たかしらね?ほら行きなさい」
もう一度ニコルの外套等を直してやり、レイモンドは背中を押した。
「随分と早い支度でしたね」
「あら、ムサファ。えぇ、早めに支度をさせたからね。文句もなく着替えてくれたわよ?可愛い従者の門出だもの……ただ、ちょっとアタシの我儘ばっかり押し付けちゃったかしらねぇ?これから巣立って騎士になるって言うのに……あらいけない。ピアスを渡すのを忘れちゃったわ」
ムサファと並ぶように座ってから、ふとレイモンドは思い出した。
「……! マジか……」
一瞬ムサファは絶句し天井を仰ぎ見た。
「あ、違うのよ。アタシのじゃなくてニコルが誰かに渡すためのやつよ。あの子そうでも無ければ用意なんてしないかもしれないし……その前に説明をしておかなきゃいけなかったかしら……そのうち仲間内でそんな話をするだろうと思っていたアタシがいけなかったのかしら……」
レイモンドはゆっくりと足を組んで顎に手を当てた。
「ほら、いつかはお嫁に行くでしょう?ニコルはあんなに可愛いもの」
「待て、まさかまだお前あいつがΩだと思っているのか?」
ムサファがジト目でこちらを見ているのがわかって、レイモンドは苦笑した。
レイモンドの目から見たらどう見てもΩには見えない。
「もう一度属性を確認しましょって言ったのに、頑として首を縦に振らないのよ……その辺は頑固よね?」
レイモンドとしても、もう一度確認をしようと言ってニコルを連れていこうとしたが、断固として拒否をされた。
「でも、あの子……もし本当にΩなら、Ωしか居ない部隊に入るのよねぇ……まだ、ヒートは来てないみたいだし……薬も飲んでいるのかしら……」
ずっと一緒に居たのに、その辺を把握していなかったなと思いながらレイモンドは溜息を吐いた。
「確かにヒートが来てもいい年齢よね?元々軽いひともいると言うし……あぁ!ニコルにチョーカーを買ってあげるの忘れちゃったわ!ダメねぇアタシったら」
色々と与えて送り出してやらなければならなかったのにとレイモンドが項垂れていると、入場のラッパが鳴り、レイモンド達は一斉に立ち上がった。
騎士団長の入室である。
入団生の中央を滑るように歩く団長が、そのまま登壇する。
その威風堂々たる姿を見て、素敵ねと思いながら、レイモンドは騎士の礼をとった。
それは、この場にいる騎士たちは全て同じ事をしていた。
静かに団長の話が始まり、それが終わると入団の証として見習い代表であるニコルが前に出て団長から一振の剣を預けられる。
本来ならば国王陛下より賜り、騎士になるための口上を述べるのだが、いつしかそれを騎士団長が担うようになったらしい。
ニコルは剣を受けそして口上を述べる。
聞きなれた耳触りの良い声が室内に響き渡りそして閉会へと向かう。
何事もなく閉会を迎えてから、新騎士たちに配属の通知が配られる。
その騎士たちを小隊長は迎えに行くのだ。
「さて、今度のアタシの可愛い部下はどの子かしら」
レイモンドは小さく言葉にするとムサファと椅子から立ち上がり騎士たちを見回したのだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。

桜月夜
BL
 前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。  思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

禁書庫の管理人は次期宰相様のお気に入り

結衣可
BL
オルフェリス王国の王立図書館で、禁書庫を預かる司書カミル・ローレンは、過去の傷を抱え、静かな孤独の中で生きていた。 そこへ次期宰相と目される若き貴族、セドリック・ヴァレンティスが訪れ、知識を求める名目で彼のもとに通い始める。 冷静で無表情なカミルに興味を惹かれたセドリックは、やがて彼の心の奥にある痛みに気づいていく。 愛されることへの恐れに縛られていたカミルは、彼の真っ直ぐな想いに少しずつ心を開き、初めて“痛みではない愛”を知る。 禁書庫という静寂の中で、カミルの孤独を、過去を癒し、共に歩む未来を誓う。

処理中です...