【BL】オネェ騎士は見習いが可愛くて仕方ない。

梅花

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7章新しい生命

1話

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あれから、数ヶ月。
レイモンドの腕の中には小さな命があった。
「やだわ、やっぱりニコルにそっくりねぇ」
くるくると巻いた髪。瞳はレイモンドに似たのか薄いラベンダー。
「名前は決められないのよね……ピンと来ないのよ」
リュークに、どうしようかしらと聴きながら幼子を抱いて揺り椅子に揺られていた。
死にそうになる痛みに耐えて産み落とした子は日に日に大きくなっていく。
それと同時に騎士団には退職の届けを出した。
ムファサには悪いとは思ったが、彼なら大丈夫だと言う確信もあった。
「生まれちゃうと復帰しようと思っていた気持ちが無くなっちゃったわ……Ωの子たちがやめていったのはわかる気がするわ」
ゆっくりゆっくり揺り椅子が動く。
「ニコル様が階級が上がったと報告がありましたよ、本当にお知らせしなくてよろしいのですか?」
「あら、流石ね……いいのよ、知らなくてもいいことは伝えないわ」
「それと、あの方からの手紙が」
「捨てて頂戴。いや、そうするとリュークが悪くなるからいけないわね。とりあえず受け取るわ……受け取ってからこれをどうするかはアタシの責任だものね」
リュークが手にしていた白地に緑の封蝋がされた手紙を受け取り、レイモンドは赤子を抱いたまま立ち上がって暖炉に手紙を読まずにくべた。
「レイモンド様」
「アタシ、この子がどんな属性でも育てるって決めているもの。属性でこの子を区別なんてしないわよ……でもαとβから産まれた子の属性はどうなるのかしらね?」
今度は揺り椅子ではなく、暖炉に近いソファーに移動する。
手の中の赤子は目を覚ますこと無く眠っていた。
「……リッツ、なんてどうかしらね……この子の名前」
ふと思い付いた単語。
「良いかと……リッツ様ですね」
リュークが笑みを浮かべていた。
「たくさん呼んであげて頂戴?アタシも貴方たちにたくさん呼んでもらったもの……名前は大切だからね、リッツあいしているわ」
レイモンドは軟らかなリッツの頬にそっと触れた。
何をしても守らなければならないと、心に誓ったのだった。
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