【BL】オネェ騎士は見習いが可愛くて仕方ない。

梅花

文字の大きさ
74 / 82
8章

2話

しおりを挟む
「認知してくれとは、言わないわ……それは、貴方が他国民だとか、元の出自がどうとかと言うわけじゃないのよ……ただ、産まれたリッツを一目見て欲しかっただけなの。ごめんなさいね……」
レイモンドがニコルの側に立つと、ニコルは慌てて立ち上がる。
「属性も神殿で確認したわ。貴方と同じαですって……せめて、アタシみたくβだったら良かったんだけど……可愛いでしょう?貴方そっくりなのよ」
ゆっくり言葉を選びながらレイモンドは腕の中のリッツを撫でた。
「ニコル、神殿からの通知は届いているわよね?」
「はい」
「貴方は特殊なαですって……だから、アタシも子供をもてたのだけれど……この子を権力で取られてしまう前にニコルに伝えたかったのよ……」
レイモンドの言っている意味がわからないと言うニコル。
「ニコル……貴方、騎士団長さまから話を貰ったでしょう?」
「どうして……」
恐らく内々で話しがあったのだろう、王族との婚姻話。
「私が子供を持たなければ貴方にその話が行くこともなかったのよ……本当ごめんなさい」
「レイモンドさま!どうして先程からそんなに謝るのですか!」
無意識に繰り返していた謝罪の言葉。指摘されてレイモンドはハッとした。
「あ……そうね、まだ憶測だけれど少し長い話をしましょ……座りましょうか」
立ったままだったと、レイモンドはそのままソファーに腰掛ける。
座りなさいと、自分の隣をポンポンと叩いてみせるとニコルはおずおずと腰を下ろした。
「アタシに子供が出来た事を知ったアタシの親……が、調べたのでしょうね……だって、アタシはβだもの子供ができる筈なんてないのだから」
レイモンドはゆっくりと言葉を選びながらニコルに話す。
「どうしてももう隠せない所まで来て騎士団を辞めたの。辞める前には何処で産もうか考えて、でも頼れる知り合いは居ないしそれでも何処か屋根のある所が必要だったから、生まれ育ったこの家に来たのよ……持ち主はアタシだけど、管理していたのは別の人だから、療養すると伝えてね……そうしたら、持ち主がアタシの事を調べたみたい……いい迷惑よね」
レイモンドは矢継ぎ早に喋る。
そして、一息いれるようにティーカップの紅茶を口にした。
「ニコルには悪い事をしたと思っているの。貴方に何も言わずに産むことを決めてしまったから……でもね、後悔はしていないのよ。
アタシ……家族が欲しかったのかもしれないわ」
腕の中で大人しくしているリッツ。
「俺では駄目だった?俺ではレイモンド様の家族にはなれないですか?」
ニコルの低く押し出すような声にレイモンドはリッツから顔を上げる。
そこには今にも泣き出しそうなニコルがいた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

僕、天使に転生したようです!

神代天音
BL
 トラックに轢かれそうだった猫……ではなく鳥を助けたら、転生をしていたアンジュ。新しい家族は最低で、世話は最低限。そんなある日、自分が売られることを知って……。  天使のような羽を持って生まれてしまったアンジュが、周りのみんなに愛されるお話です。

【第一部・完結】毒を飲んだマリス~冷徹なふりして溺愛したい皇帝陛下と毒親育ちの転生人質王子が恋をした~

蛮野晩
BL
マリスは前世で毒親育ちなうえに不遇の最期を迎えた。 転生したらヘデルマリア王国の第一王子だったが、祖国は帝国に侵略されてしまう。 戦火のなかで帝国の皇帝陛下ヴェルハルトに出会う。 マリスは人質として帝国に赴いたが、そこで皇帝の弟(エヴァン・八歳)の世話役をすることになった。 皇帝ヴェルハルトは噂どおりの冷徹な男でマリスは人質として不遇な扱いを受けたが、――――じつは皇帝ヴェルハルトは戦火で出会ったマリスにすでにひと目惚れしていた! しかもマリスが帝国に来てくれて内心大喜びだった! ほんとうは溺愛したいが、溺愛しすぎはかっこよくない……。苦悩する皇帝ヴェルハルト。 皇帝陛下のラブコメと人質王子のシリアスがぶつかりあう。ラブコメvsシリアスのハッピーエンドです。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

従者は知らない間に外堀を埋められていた

SEKISUI
BL
新作ゲーム胸にルンルン気分で家に帰る途中事故にあってそのゲームの中転生してしまったOL 転生先は悪役令息の従者でした でも内容は宣伝で流れたプロモーション程度しか知りません だから知らんけど精神で人生歩みます

学園の俺様と、辺境地の僕

そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ? 【全12話になります。よろしくお願いします。】

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

処理中です...