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8章
3話
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「だって、ニコル……何度も言ったでしょう?貴方には未来があるのよ」
こんな年増の面倒を見る必要は無いのとレイモンドは口にした。
「俺は、レイモンド様とならどんな事も乗り越えられると思っています。レイモンド様、俺はどうしたらいいですか?どうしたら貴方と幸せになれますか?」
真っ直ぐ見つめてくるニコル。
いつこんなにも大人の表情をするようになったのか。
レイモンドはゆっくりと息を吸い込む。
「ニコル、アタシに何かあったらこの子をお願いしたいのよ」
「レイモンド様、何かあったらなんて言わないでください……それに、騎士団の皆がレイモンド様に戻ってきて欲しいと願っています」
触れれば熱が伝わるような近い距離。
「レイモンド様とリッツの未来を俺にくださいませんか?絶対に幸せにしますから」
向き合うように上体を動かし、ニコルがレイモンドの手に触れる。
そして、それを抱くリッツへと。
「バカね、貴方は。婚姻を結べば王族に名を連ねられるのよ?」
「レイモンド様……貴方が言っている意味が自分でわからないわけじゃないでしょう?
俺……子供を産ませるためだけの種付け馬にされるのは嫌です……するなら、やはり愛した方とがいいですし、家族となるならそこに幸せを求めたい。
レイモンド様、俺の家族になってくださいませんか?その、俺を嫌いでなければ」
最後の一言は、何故か尻すぼみになったニコル。
「もう、ニコル……本当にバカね。どうしてアタシがリッツを産んだと思うのよ!」
「え……」
「……こういう時はどうしたらいいのかしらね……アタシはβだもの、項を噛んでも番に……ならないんじゃないのかしら?それより、貴方が付けたチョーカーがまだ外せないのよ……」
ニコルにつけられたチョーカーは、まだレイモンドの首にある。
「は、外します……失礼します」
レイモンドの項の後ろにニコルが触れると、パチリと音がしてチョーカーが落ちた。
「ありがと……ニコル……今夜は泊まっていけるかしら?色々と話したい事もあるのよ」
「は、はい。その前に……リッツを抱いてもいいですか?」
先程まで、おっかなびっくり触れていたリッツを抱きたいと申し出たニコルに、レイモンドは抱いていたリッツを差し出す。
「抱き方はわかるかしら?こうよ」
抱いている姿を見せてから、同じように抱かせてやる。
知らない人に抱かれていると言うのに、リッツは父親だとわかるのか大きな紫の瞳を開きしっかりとニコルを見ている。
「可愛いですね、瞳はレイモンド様の色ですね」
「そうよ、その瞳がアタシの子供だって言う証拠よ……」
珍しい色のため、かなりの証拠なのだとレイモンドはリッツを撫でる。
「お茶が冷めちゃったわね……いれてもらいましょ」
レイモンドはチリンと卓上の鈴を鳴らした。
こんな年増の面倒を見る必要は無いのとレイモンドは口にした。
「俺は、レイモンド様とならどんな事も乗り越えられると思っています。レイモンド様、俺はどうしたらいいですか?どうしたら貴方と幸せになれますか?」
真っ直ぐ見つめてくるニコル。
いつこんなにも大人の表情をするようになったのか。
レイモンドはゆっくりと息を吸い込む。
「ニコル、アタシに何かあったらこの子をお願いしたいのよ」
「レイモンド様、何かあったらなんて言わないでください……それに、騎士団の皆がレイモンド様に戻ってきて欲しいと願っています」
触れれば熱が伝わるような近い距離。
「レイモンド様とリッツの未来を俺にくださいませんか?絶対に幸せにしますから」
向き合うように上体を動かし、ニコルがレイモンドの手に触れる。
そして、それを抱くリッツへと。
「バカね、貴方は。婚姻を結べば王族に名を連ねられるのよ?」
「レイモンド様……貴方が言っている意味が自分でわからないわけじゃないでしょう?
俺……子供を産ませるためだけの種付け馬にされるのは嫌です……するなら、やはり愛した方とがいいですし、家族となるならそこに幸せを求めたい。
レイモンド様、俺の家族になってくださいませんか?その、俺を嫌いでなければ」
最後の一言は、何故か尻すぼみになったニコル。
「もう、ニコル……本当にバカね。どうしてアタシがリッツを産んだと思うのよ!」
「え……」
「……こういう時はどうしたらいいのかしらね……アタシはβだもの、項を噛んでも番に……ならないんじゃないのかしら?それより、貴方が付けたチョーカーがまだ外せないのよ……」
ニコルにつけられたチョーカーは、まだレイモンドの首にある。
「は、外します……失礼します」
レイモンドの項の後ろにニコルが触れると、パチリと音がしてチョーカーが落ちた。
「ありがと……ニコル……今夜は泊まっていけるかしら?色々と話したい事もあるのよ」
「は、はい。その前に……リッツを抱いてもいいですか?」
先程まで、おっかなびっくり触れていたリッツを抱きたいと申し出たニコルに、レイモンドは抱いていたリッツを差し出す。
「抱き方はわかるかしら?こうよ」
抱いている姿を見せてから、同じように抱かせてやる。
知らない人に抱かれていると言うのに、リッツは父親だとわかるのか大きな紫の瞳を開きしっかりとニコルを見ている。
「可愛いですね、瞳はレイモンド様の色ですね」
「そうよ、その瞳がアタシの子供だって言う証拠よ……」
珍しい色のため、かなりの証拠なのだとレイモンドはリッツを撫でる。
「お茶が冷めちゃったわね……いれてもらいましょ」
レイモンドはチリンと卓上の鈴を鳴らした。
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