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本編
634話
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「参った……こりゃあミトが言う訳だ」
俺が作ったプリンを食べながらシロクマさんは額に手を当てた。
「王都に残したプリンとは柔らかさが違うのですが、これはこれで好きなんですよ」
俺はイチゴのケーキを食べながら、シロクマさんの質問に答えていた。
カスタードクリームのレシピを思い出しながら、とろけるプリンのレシピをシロクマさんが紙に書いていくのを見ていた。
「私はどちらも好きだな」
「また、作りますね」
ルーファスさんだけでなく、皆がプリンは好きだし俺も幼い頃にバケツで食べたいと思っていたくらいだ。
「王都じゃ固いプリンを器から出して果物で飾るのが流行っているらしいな」
「へぇ、プリンアラモードかなぁ……クリームや果実で飾ると綺麗ですよね。大きな器にスポンジケーキとクリームを重ねたりした上に乗せてパフェとして食べたりも……え?」
「リクト、それを食べてみたい」
「パフェ?ちょっと作ってみてくれ」
二人が食い気味にこちらを見てくる。
「スポンジケーキとか、色々必要な物がありますので……直ぐにはできないので……明日とか、それ以降に……」
「リクトはケーキも焼けるのか?」
「簡単なものなら。あと、材料があれば……ですかね、うちのオーブンは少し使いづらくて」
王都の家は、リルとレヴィが使っていなかったけれど、家が新しかったため設置されていたキッチンは新しい物で俺でも使えたのだが、今の家は専属のシェフがいて設置されている器具は全て玄人用の物なのだ。
「なら、早急に新しいオーブンを発注しておこう」
ガタンと椅子から立ち上がったルーファスさんに、帰るのかと慌てて俺も立ち上がろうとするとそれを制された。
「直ぐに戻る」
そう言い残してルーファスさんは店を出ていくが、それほどしないうちに戻ってきた。
「発注しておいた。近日中に設置前の下見に来るだろうからその時はリクトも立ち会ってくれ」
「は、はい……でもお父さん、支払いは……」
「済ませた。お礼はそのパフェを作って食わせてくれればいい」
仕事が早いルーファスさんに目をぱちくりさせると、綺麗な笑顔を向けられた。
「ありがとうございます」
「いや、リクトあの家はお前の家なのだから使いづらい事があれば自由にしていいんだぞ?リオンにも許可を貰っているだろう?」
ルーファスさんがそう言うと、シロクマさんがおやと眉を上げた。
「あの坊ちゃんとも知り合いか?」
「おい、流石にもうこの国の王様だ、坊ちゃんと呼んでいるのがバレたら」
ルーファスさんは自分の首の脇に手を添えて水平に動かす。
「はっはは、んな事言ってもあいつはいつまで経っても坊ちゃんだ」
「そうだな」
そう言いながら、ルーファスさんとシロクマさんは笑っていた。
俺が作ったプリンを食べながらシロクマさんは額に手を当てた。
「王都に残したプリンとは柔らかさが違うのですが、これはこれで好きなんですよ」
俺はイチゴのケーキを食べながら、シロクマさんの質問に答えていた。
カスタードクリームのレシピを思い出しながら、とろけるプリンのレシピをシロクマさんが紙に書いていくのを見ていた。
「私はどちらも好きだな」
「また、作りますね」
ルーファスさんだけでなく、皆がプリンは好きだし俺も幼い頃にバケツで食べたいと思っていたくらいだ。
「王都じゃ固いプリンを器から出して果物で飾るのが流行っているらしいな」
「へぇ、プリンアラモードかなぁ……クリームや果実で飾ると綺麗ですよね。大きな器にスポンジケーキとクリームを重ねたりした上に乗せてパフェとして食べたりも……え?」
「リクト、それを食べてみたい」
「パフェ?ちょっと作ってみてくれ」
二人が食い気味にこちらを見てくる。
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「リクトはケーキも焼けるのか?」
「簡単なものなら。あと、材料があれば……ですかね、うちのオーブンは少し使いづらくて」
王都の家は、リルとレヴィが使っていなかったけれど、家が新しかったため設置されていたキッチンは新しい物で俺でも使えたのだが、今の家は専属のシェフがいて設置されている器具は全て玄人用の物なのだ。
「なら、早急に新しいオーブンを発注しておこう」
ガタンと椅子から立ち上がったルーファスさんに、帰るのかと慌てて俺も立ち上がろうとするとそれを制された。
「直ぐに戻る」
そう言い残してルーファスさんは店を出ていくが、それほどしないうちに戻ってきた。
「発注しておいた。近日中に設置前の下見に来るだろうからその時はリクトも立ち会ってくれ」
「は、はい……でもお父さん、支払いは……」
「済ませた。お礼はそのパフェを作って食わせてくれればいい」
仕事が早いルーファスさんに目をぱちくりさせると、綺麗な笑顔を向けられた。
「ありがとうございます」
「いや、リクトあの家はお前の家なのだから使いづらい事があれば自由にしていいんだぞ?リオンにも許可を貰っているだろう?」
ルーファスさんがそう言うと、シロクマさんがおやと眉を上げた。
「あの坊ちゃんとも知り合いか?」
「おい、流石にもうこの国の王様だ、坊ちゃんと呼んでいるのがバレたら」
ルーファスさんは自分の首の脇に手を添えて水平に動かす。
「はっはは、んな事言ってもあいつはいつまで経っても坊ちゃんだ」
「そうだな」
そう言いながら、ルーファスさんとシロクマさんは笑っていた。
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