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本編
635話
それから、沢山貰ったケーキを手に崩れてしまう前に帰ろうと言うことになり、俺はルーファスさんと自宅に帰った。
玄関を入るとミトさんとリエラが出迎えてくれ、俺が手にしたケーキの箱を見てミトさんの目の色が変わった。
「戻りました。これ、お母さんへのお土産です……頂き物ですが」
「あら、ありがとう。頂きましょ?」
「俺たちはお茶をいただいて来たので、これは全部お母さんへのお土産なんですよ」
俺はミトさんにケーキの箱を渡す代わりにリエラを受け取る。
リエラはご機嫌でキャッキャッと笑った。
「可愛いね、リエラ」
抱いたリエラにそっと頬擦りをすると、ルーファスさんにダイニングに行こうと誘われた。ミトさんはルンルンしながらケーキの箱を抱えている。
「お茶だけでもいい、付き合えるか?」
「はい」
俺はリエラを抱いたままダイニングへと向かった。
「座ってて?紅茶をいれてくるわ、リクトちゃんとダーリンは何を飲むかしら」
「同じもので」
「私しも同じでいい」
「了解よ待ってて?」
ミトさんはケーキの箱をテーブルに置くとキッチンへと向かい、どのお茶にしようかしらと楽しそうに紅茶の葉を選び始めた。
「どれ、私がリエラを預かろう」
俺が抱いていたリエラをルーファスさんが受け取り、俺にはミトの手伝いを頼むと目くばせしてきた。
「お願いします」
俺はリエラを任せると、ルーファスさんは嬉しそうに笑いながらリエラを抱いていた。
こう見ると、親子と言っても遜色はない。
それだけ二人は似ていた。
「任せておけ」
ルーファスさんは俺を見てからリエラを抱いてゆっくりと室内を歩き出す。
ルーファスさんの背中を見ながら俺はその場を離れキッチンへ。
お湯を沸かしカップや皿を用意するミトさんへと近づく。
「お母さん、お手伝いします! それと色々とありがとうございました。リエラのこととお父さんに沢山買っていただきました」
俺が頭を下げると、その頭をミトさんがポンと叩く。
「やぁね、気にしないで頂戴な。たまにはアタシもリエラとラブラブしたいし? それにしてもリエラはおとなしすぎるわよ」
ミトさんが少しだけそう心配そうに言った。
「耳が聞こえないとか目が見えないとかではないみたいだけれどね、あまり泣かないのよね……愚息たちがやかましすぎたきらいもあるけど……双子も……静かではあったから、生まれつきかしら」
そう言いながらミトさんは沸いたお湯をポットに入れ始め、ふわりと香るオレンジの香りを楽しみながらワゴンに乗せるとゆっくり運ぶのだった。
玄関を入るとミトさんとリエラが出迎えてくれ、俺が手にしたケーキの箱を見てミトさんの目の色が変わった。
「戻りました。これ、お母さんへのお土産です……頂き物ですが」
「あら、ありがとう。頂きましょ?」
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俺はミトさんにケーキの箱を渡す代わりにリエラを受け取る。
リエラはご機嫌でキャッキャッと笑った。
「可愛いね、リエラ」
抱いたリエラにそっと頬擦りをすると、ルーファスさんにダイニングに行こうと誘われた。ミトさんはルンルンしながらケーキの箱を抱えている。
「お茶だけでもいい、付き合えるか?」
「はい」
俺はリエラを抱いたままダイニングへと向かった。
「座ってて?紅茶をいれてくるわ、リクトちゃんとダーリンは何を飲むかしら」
「同じもので」
「私しも同じでいい」
「了解よ待ってて?」
ミトさんはケーキの箱をテーブルに置くとキッチンへと向かい、どのお茶にしようかしらと楽しそうに紅茶の葉を選び始めた。
「どれ、私がリエラを預かろう」
俺が抱いていたリエラをルーファスさんが受け取り、俺にはミトの手伝いを頼むと目くばせしてきた。
「お願いします」
俺はリエラを任せると、ルーファスさんは嬉しそうに笑いながらリエラを抱いていた。
こう見ると、親子と言っても遜色はない。
それだけ二人は似ていた。
「任せておけ」
ルーファスさんは俺を見てからリエラを抱いてゆっくりと室内を歩き出す。
ルーファスさんの背中を見ながら俺はその場を離れキッチンへ。
お湯を沸かしカップや皿を用意するミトさんへと近づく。
「お母さん、お手伝いします! それと色々とありがとうございました。リエラのこととお父さんに沢山買っていただきました」
俺が頭を下げると、その頭をミトさんがポンと叩く。
「やぁね、気にしないで頂戴な。たまにはアタシもリエラとラブラブしたいし? それにしてもリエラはおとなしすぎるわよ」
ミトさんが少しだけそう心配そうに言った。
「耳が聞こえないとか目が見えないとかではないみたいだけれどね、あまり泣かないのよね……愚息たちがやかましすぎたきらいもあるけど……双子も……静かではあったから、生まれつきかしら」
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