52 / 680
本編
57話
しおりを挟む
「商業ギルドの水晶が白っぽく光ったのは見ていただろ?」
リルがどう説明しようかと口を開く。
綺麗な顔がちょっと歪む。
「うん」
「あれが、白く光ったのが問題…と言うか、なぁ…」
「あぁ」
顔を合わせて何かを言い淀んだが、リルが何とか口を開く。
「白く光るのは、俺達にとって癒し系になるんだ。
何て言ったらいいかな…撫でられたり寄り添ったりするだけで気持ち良くなるっつーかさ…そういう適性を持った奴が多くて、皆から好かれるんだ…
時期になれば取り合いになったり…意味がわかるか?」
言葉を濁したリルに、ピンときた。
「発情期?」
おそるおそる聞いてみる。
「そうだ。今はまだ大丈夫だろうが、今のままなら時期になれば求婚が増える…させるつもりもないが、何処かに連れ込まれて…と言うことも無くもない」
「んんっ、俺…男」
わかりきったことだが言ってみる。
「連れ込むのは雌にだってできることだ。リクトが抗えるならば大丈夫だと思うが、発情した怖さを知っているか?」
リルの問い掛けに、俺は頭を振った。
ペットショップで扱う子たちは発情期を知らなかったり、発情期を迎える前に避妊や去勢をしてしまっていた子たちのため、そこまで大変ではなかったが…
野良猫とかが時期になると騒いでいたのを思い出す。
あれは大変だったし、ごく稀に手術より先に発情期を迎えてしまう個体もいて、それはそれで扱いが大変だった。
人間は発情期はたぶん無いので…一年中発情期なのかもしれないけれど…わからないし。
だから、どうなるかわからない。
「1つは誰かのものになること。これは恋人や伴侶を作ってしまってマーキングしてもらうことだな?
もう1つは、誰のものにもならずに来た全員を受け入れること。
もう1つは薬でその性質を抑え込むこと…だな」
リルが指を折りながら説明をしてくれるのを聞きながら、言われたことが頭の中をぐるぐると回る。
「ね、発情期って…だいたいいつ…なの?」
「一年中なのはウサギとかだが、俺らは年に2回だな…近いのはあと3ヶ月…くらいか?」
「そうだな…ただ、個体差があるからな…」
「でも、あれっ!?それって俺が何かの誘惑物質を出してるってこと?」
動物の発情は雌からで…それで、えぇと…。
でも、獣人さんは動物とは違って…。
自分が得ていた常識が通用しないのだ。
「ごめん、ちょっと考えさせて…」
俺は頭の中を整理したいとふたりにお願いしたのだった。
リルがどう説明しようかと口を開く。
綺麗な顔がちょっと歪む。
「うん」
「あれが、白く光ったのが問題…と言うか、なぁ…」
「あぁ」
顔を合わせて何かを言い淀んだが、リルが何とか口を開く。
「白く光るのは、俺達にとって癒し系になるんだ。
何て言ったらいいかな…撫でられたり寄り添ったりするだけで気持ち良くなるっつーかさ…そういう適性を持った奴が多くて、皆から好かれるんだ…
時期になれば取り合いになったり…意味がわかるか?」
言葉を濁したリルに、ピンときた。
「発情期?」
おそるおそる聞いてみる。
「そうだ。今はまだ大丈夫だろうが、今のままなら時期になれば求婚が増える…させるつもりもないが、何処かに連れ込まれて…と言うことも無くもない」
「んんっ、俺…男」
わかりきったことだが言ってみる。
「連れ込むのは雌にだってできることだ。リクトが抗えるならば大丈夫だと思うが、発情した怖さを知っているか?」
リルの問い掛けに、俺は頭を振った。
ペットショップで扱う子たちは発情期を知らなかったり、発情期を迎える前に避妊や去勢をしてしまっていた子たちのため、そこまで大変ではなかったが…
野良猫とかが時期になると騒いでいたのを思い出す。
あれは大変だったし、ごく稀に手術より先に発情期を迎えてしまう個体もいて、それはそれで扱いが大変だった。
人間は発情期はたぶん無いので…一年中発情期なのかもしれないけれど…わからないし。
だから、どうなるかわからない。
「1つは誰かのものになること。これは恋人や伴侶を作ってしまってマーキングしてもらうことだな?
もう1つは、誰のものにもならずに来た全員を受け入れること。
もう1つは薬でその性質を抑え込むこと…だな」
リルが指を折りながら説明をしてくれるのを聞きながら、言われたことが頭の中をぐるぐると回る。
「ね、発情期って…だいたいいつ…なの?」
「一年中なのはウサギとかだが、俺らは年に2回だな…近いのはあと3ヶ月…くらいか?」
「そうだな…ただ、個体差があるからな…」
「でも、あれっ!?それって俺が何かの誘惑物質を出してるってこと?」
動物の発情は雌からで…それで、えぇと…。
でも、獣人さんは動物とは違って…。
自分が得ていた常識が通用しないのだ。
「ごめん、ちょっと考えさせて…」
俺は頭の中を整理したいとふたりにお願いしたのだった。
585
あなたにおすすめの小説
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました
ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。
タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる