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本編
106話
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「実ができても、必ず子供になるかどうかはわからないのですが、実ができなければ可能性もないので…私達も希望が持てました…」
「リクトさん…厚かましいお願いなのですが…もし、可能なら時折…あの子に触れていただけないでしょうか…」
…ちょっ?
「あの、俺が触っても?何かに支障はありませんか?」
「いいんじゃねぇか?俺たちのどっちかが一緒にくるし…両親が納得してるなら」
「…じゃあ、たまに…セトさん、昼間とか来ても大丈夫ですか?」
「ん、大丈夫っすよ?誰かがこの詰所にいるし、リルさんかレヴィさんが一緒なら揉め事も無さそうだし…とりあえず此処の職員には言っとくっすよー?」
気の抜けた喋りのセトに、笑みを向けてから。
「俺が何ができるかはわかりませんが、お手伝いできたらいいなと思いますが、お二人が幸せになるのが1番ですから。リルもレヴィもごめん、だけど宜しく」
「おう」
「大丈夫だ」
ふたりは最初からわかっていたみたいで、軽く肩を竦めて見せただけで、それ以上は何も言わなかった。
「でも、俺…実の位置がわからないかも…さっきのはたまたまリボンがあって、実が無かったからわかったけど…実の大きさとかリボンの色とか…暗いからあまり見えなかったから…」
「わからなかったら、職員に声を掛けてくれれば、案内するっす。職員は全員がどれが誰の実なのかを把握してるっすから…大丈夫」
1本の木にあんなに実が成っていてわかるのか…凄いななんて思いながら俺もリルとレヴィの実ができたらいいなと思ってしまう。
まだ、リボンに刺繍もろくにできていないのに。
「でも、良かった…ここに連れてきてくれてありがとう」
俺が何かをした訳じゃないけれど、こう言うのも出逢いだからね。
「じゃあ、もう1回だけ実に触ってから帰りたいかな?いいですか?」
「お願いします!私達も行こうか」
ナスカさんたちも立ち上がり6人で詰所を出た。
ランタンを持ちながら先導するのはセトさんで、その後ろにナスカさんたち。
最後に俺たちがそれぞれ手を繋いで歩いていた。
後ろから見ると、尻尾のゆれぐあいで何となくわかる。
全員が嬉しそうだ。
そして、さっきの実の前に立つと、ナスカさんたちが愛しそうにその実に触れた。
ずっと心待ちにしていたのだろう。
3年という長さ。
諦めてしまっても仕方ない時間だ…でもふたりはまだ若い。
ミトさんたちもまだ子供を作るって言ってたし…俺たちに子供できなかったらミトさんの子供を可愛がらせて貰おうっと。
そう思いながらも、今度は俺が実に触れさせて貰う。
「あ、ちゃんと鼓動がする…大丈夫かな?」
「「「「「えっ!!?」」」」」
俺の呟きに全員が俺を見た。
え。
わかるよねぇ?
だって、獣人、耳いいんじゃないの?
「リクトさん…厚かましいお願いなのですが…もし、可能なら時折…あの子に触れていただけないでしょうか…」
…ちょっ?
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「…じゃあ、たまに…セトさん、昼間とか来ても大丈夫ですか?」
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気の抜けた喋りのセトに、笑みを向けてから。
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「おう」
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「でも、俺…実の位置がわからないかも…さっきのはたまたまリボンがあって、実が無かったからわかったけど…実の大きさとかリボンの色とか…暗いからあまり見えなかったから…」
「わからなかったら、職員に声を掛けてくれれば、案内するっす。職員は全員がどれが誰の実なのかを把握してるっすから…大丈夫」
1本の木にあんなに実が成っていてわかるのか…凄いななんて思いながら俺もリルとレヴィの実ができたらいいなと思ってしまう。
まだ、リボンに刺繍もろくにできていないのに。
「でも、良かった…ここに連れてきてくれてありがとう」
俺が何かをした訳じゃないけれど、こう言うのも出逢いだからね。
「じゃあ、もう1回だけ実に触ってから帰りたいかな?いいですか?」
「お願いします!私達も行こうか」
ナスカさんたちも立ち上がり6人で詰所を出た。
ランタンを持ちながら先導するのはセトさんで、その後ろにナスカさんたち。
最後に俺たちがそれぞれ手を繋いで歩いていた。
後ろから見ると、尻尾のゆれぐあいで何となくわかる。
全員が嬉しそうだ。
そして、さっきの実の前に立つと、ナスカさんたちが愛しそうにその実に触れた。
ずっと心待ちにしていたのだろう。
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諦めてしまっても仕方ない時間だ…でもふたりはまだ若い。
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そう思いながらも、今度は俺が実に触れさせて貰う。
「あ、ちゃんと鼓動がする…大丈夫かな?」
「「「「「えっ!!?」」」」」
俺の呟きに全員が俺を見た。
え。
わかるよねぇ?
だって、獣人、耳いいんじゃないの?
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