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本編
212話
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指先が冷たくなるまで冷やしてから手を拭くと今度は慎重に唐揚げを揚げ始めた。
リルは静かにリビングに行った。
油の立ち上る香りを嗅ぎながら、パチパチとはぜる音を聞いてから鳥肉を油に入れる。
じゅわぁっと聞こえた音でお腹が空いてくる気がした。
「美味しそう」
1番最初に揚がった唐揚げをバットに上げていく。
その中の小さめな唐揚げを口に入れると、熱々でジューシーな肉汁が口の中を満たす。
揚げたてでなければ味わえないものだ。
「はふ!」
さくさくとした歯触りも楽しみながら作り手の特権を楽しんでいると、のっそりとやってきたのはレヴィ。
「いい匂いだ」
「んっ、うん。味もしっかりついているし……へへ、摘まみ食いしちゃった」
レヴィのリクエストの唐揚げだからとやっぱり小さめな揚げたてを1つ小皿に移して包丁を入れる。
レヴィは少しだけ猫舌で、直ぐに熱いものを食べられないから、早く冷めるようにしてやるとその小皿をそっと差し出す。
内緒だよ。自分の唇に指を押し当ててシーっというポーズを取り、揚がった唐揚げを引き上げて投入してを繰り返す。
「マヨネーズ付けたら冷めるかも?」
冷蔵庫で冷やしたマヨネーズを取り出すと、乗せるならどうぞとレヴィに差し出す。
カロリー爆弾だけど、そんなことを恋人達は気にしない。
鍛え上げられた筋肉はちょっとの動作でカロリーを消費するからだ。
いいのか?という無言の問いに瓶の中のマヨネーズを皿にスプーンで掬って置いてやる。
たっぷりとマヨネーズを絡めた唐揚げを口の中に入れると、まだ熱かったのかはふはふとしながら少し涙目になったレヴィが可愛くて笑ってしまうと、ちらりと睨まれた。
「まだ半分あるけど、もういらない?」
いらないなら食べてしまおうかと手を出すと、レヴィは嫌だとばかりに小皿を引いた。
「次はレモンでさっぱりと食べてみる?」
鍋から目を離さないようにしながら、レモンを切り分けてレヴィに差し出し、搾ってみるようにとすすめてみる。
あまり、そんなことをさせたことがなかったからレヴィは不思議そうにしながらもレモン汁を数滴唐揚げに落とした。
今度はふぅふぅと息を吹き掛けてから口にしたレヴィはさっぱりとした風味に少しだけ驚いた顔をした。
こちらも好みの味なのだろう。
普段あまを変わらないレヴィの表情が顕著に動いた。
可愛い。
モグモグと口を動かしたままのレヴィがそっと俺を抱き締める。
良かった美味しいと思ってくれているらしい。
そんなことを考えていると、レヴィの唇がそっと額に触れた。
優しい表情に安心しながら最後の唐揚げあがるのを見ていた。
リルは静かにリビングに行った。
油の立ち上る香りを嗅ぎながら、パチパチとはぜる音を聞いてから鳥肉を油に入れる。
じゅわぁっと聞こえた音でお腹が空いてくる気がした。
「美味しそう」
1番最初に揚がった唐揚げをバットに上げていく。
その中の小さめな唐揚げを口に入れると、熱々でジューシーな肉汁が口の中を満たす。
揚げたてでなければ味わえないものだ。
「はふ!」
さくさくとした歯触りも楽しみながら作り手の特権を楽しんでいると、のっそりとやってきたのはレヴィ。
「いい匂いだ」
「んっ、うん。味もしっかりついているし……へへ、摘まみ食いしちゃった」
レヴィのリクエストの唐揚げだからとやっぱり小さめな揚げたてを1つ小皿に移して包丁を入れる。
レヴィは少しだけ猫舌で、直ぐに熱いものを食べられないから、早く冷めるようにしてやるとその小皿をそっと差し出す。
内緒だよ。自分の唇に指を押し当ててシーっというポーズを取り、揚がった唐揚げを引き上げて投入してを繰り返す。
「マヨネーズ付けたら冷めるかも?」
冷蔵庫で冷やしたマヨネーズを取り出すと、乗せるならどうぞとレヴィに差し出す。
カロリー爆弾だけど、そんなことを恋人達は気にしない。
鍛え上げられた筋肉はちょっとの動作でカロリーを消費するからだ。
いいのか?という無言の問いに瓶の中のマヨネーズを皿にスプーンで掬って置いてやる。
たっぷりとマヨネーズを絡めた唐揚げを口の中に入れると、まだ熱かったのかはふはふとしながら少し涙目になったレヴィが可愛くて笑ってしまうと、ちらりと睨まれた。
「まだ半分あるけど、もういらない?」
いらないなら食べてしまおうかと手を出すと、レヴィは嫌だとばかりに小皿を引いた。
「次はレモンでさっぱりと食べてみる?」
鍋から目を離さないようにしながら、レモンを切り分けてレヴィに差し出し、搾ってみるようにとすすめてみる。
あまり、そんなことをさせたことがなかったからレヴィは不思議そうにしながらもレモン汁を数滴唐揚げに落とした。
今度はふぅふぅと息を吹き掛けてから口にしたレヴィはさっぱりとした風味に少しだけ驚いた顔をした。
こちらも好みの味なのだろう。
普段あまを変わらないレヴィの表情が顕著に動いた。
可愛い。
モグモグと口を動かしたままのレヴィがそっと俺を抱き締める。
良かった美味しいと思ってくれているらしい。
そんなことを考えていると、レヴィの唇がそっと額に触れた。
優しい表情に安心しながら最後の唐揚げあがるのを見ていた。
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