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本編
214話
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「ごちそうさまでした」
俺がこの世界に来て、いつの間にか習慣になったこと。
食事の前と後の挨拶。
俺が始めたのをリルとレヴィが真似をするようになり、それがミトさんとルーファスさんもするようになってミラも何となく形になってきたのだ。
全ての物に感謝をするという行為。
「さて、じゃあ行きましょうか」
パチンとミトさんが手を叩く。
行くって何処へ?
きょとんとミトさんを見ると、クスクス笑われる。
「やぁねリクトちゃんお城よ、今からなら陽が落ちる前には着くでしょ?」
レオン達が首を長くして待っているわよとミトさんに言われてすっかりと忘れていた。
「聖樹の実は夜の方が見るにはいいもの。お着替えしてから行きましょうか。洗い物は後からで構わないから」
「仕方ねぇか、別に普通の格好でいいんだろ?」
立ち上がったリルに、最低限の礼儀は持てとレヴィが突っ込む。
「リクト来いよ着替えるだろ?」
流石に油の跳ねたシャツ等はダメだろう。
「ほら、選んでやるから」
リルとレヴィに促されると、俺は皿をシンクの水に浸してから手を拭いた。
「うん」
二人に任せれば大丈夫だろうと思いながら部屋に向かう。
「何色にする?」
「この季節なら緑か」
「そうだな」
二人が選んでくれたのは若草色のチュニックにベージュのズボンで足元はモスグリーンの靴。
それを渡されて着替えようとしたが、ふたりの服が気になりちらりと見てしまう。
リルはモスグリーンのベスト、レヴィはズボンにモスグリーンを選んでいた。
これもペアルックになるのかなとおもってしまうと、頬が赤くなっていく。
それを隠そうと咳払いをすると俺も着替えようとシャツに手を掛けた。
「待てリクト、着替えさせてやるから」
リルが面倒そうにシャツのボタンを閉めながら距離を詰めてくる。
「あぁ、俺も直ぐに終わる」
レヴィも、しゅるりとタイを締めた。
もう、本当にこのイケメン共は……。自分達の似合う姿を知っているのだから狡い。
「だ、大丈夫だって……着替えくらい一人でできるから」
後ろに下がろうとして、リルに腰を掬われた。
「逃げるなって、何もしねぇよ」
「リクト、ほら」
エプロンの紐をほどかれてシャツに手を掛けられる。
二人がかりで脱がされてしまうとあっと言う間だった。
「良く似合ってるぜ?」
チュッとリルに額にキスをされると、レヴィには頬へ。
「脱がせるのも楽しみだ」
レヴィがリルみたいな事を言う。
本当に仲が良いなこの二人。
「二人も格好良い……何を着ても似合うって狡いよね?」
「リクトだって何でも似合うって、まぁ何も着てねぇのが一番だけど」
「俺は少し隠れて見えそうで見えないのも好きだが」
「おい、レヴィちょっとマニアックじゃねぇか?」
「良くないか?」
「良いけどよぉ、それもな」
二人だけの会話になってしまう、やだそれ……でも、混ざりたくない。
「俺、先にリビング行くから!」
ちょっといたたまれなくなり俺はそっと部屋を出た。
俺がこの世界に来て、いつの間にか習慣になったこと。
食事の前と後の挨拶。
俺が始めたのをリルとレヴィが真似をするようになり、それがミトさんとルーファスさんもするようになってミラも何となく形になってきたのだ。
全ての物に感謝をするという行為。
「さて、じゃあ行きましょうか」
パチンとミトさんが手を叩く。
行くって何処へ?
きょとんとミトさんを見ると、クスクス笑われる。
「やぁねリクトちゃんお城よ、今からなら陽が落ちる前には着くでしょ?」
レオン達が首を長くして待っているわよとミトさんに言われてすっかりと忘れていた。
「聖樹の実は夜の方が見るにはいいもの。お着替えしてから行きましょうか。洗い物は後からで構わないから」
「仕方ねぇか、別に普通の格好でいいんだろ?」
立ち上がったリルに、最低限の礼儀は持てとレヴィが突っ込む。
「リクト来いよ着替えるだろ?」
流石に油の跳ねたシャツ等はダメだろう。
「ほら、選んでやるから」
リルとレヴィに促されると、俺は皿をシンクの水に浸してから手を拭いた。
「うん」
二人に任せれば大丈夫だろうと思いながら部屋に向かう。
「何色にする?」
「この季節なら緑か」
「そうだな」
二人が選んでくれたのは若草色のチュニックにベージュのズボンで足元はモスグリーンの靴。
それを渡されて着替えようとしたが、ふたりの服が気になりちらりと見てしまう。
リルはモスグリーンのベスト、レヴィはズボンにモスグリーンを選んでいた。
これもペアルックになるのかなとおもってしまうと、頬が赤くなっていく。
それを隠そうと咳払いをすると俺も着替えようとシャツに手を掛けた。
「待てリクト、着替えさせてやるから」
リルが面倒そうにシャツのボタンを閉めながら距離を詰めてくる。
「あぁ、俺も直ぐに終わる」
レヴィも、しゅるりとタイを締めた。
もう、本当にこのイケメン共は……。自分達の似合う姿を知っているのだから狡い。
「だ、大丈夫だって……着替えくらい一人でできるから」
後ろに下がろうとして、リルに腰を掬われた。
「逃げるなって、何もしねぇよ」
「リクト、ほら」
エプロンの紐をほどかれてシャツに手を掛けられる。
二人がかりで脱がされてしまうとあっと言う間だった。
「良く似合ってるぜ?」
チュッとリルに額にキスをされると、レヴィには頬へ。
「脱がせるのも楽しみだ」
レヴィがリルみたいな事を言う。
本当に仲が良いなこの二人。
「二人も格好良い……何を着ても似合うって狡いよね?」
「リクトだって何でも似合うって、まぁ何も着てねぇのが一番だけど」
「俺は少し隠れて見えそうで見えないのも好きだが」
「おい、レヴィちょっとマニアックじゃねぇか?」
「良くないか?」
「良いけどよぉ、それもな」
二人だけの会話になってしまう、やだそれ……でも、混ざりたくない。
「俺、先にリビング行くから!」
ちょっといたたまれなくなり俺はそっと部屋を出た。
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