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本編
349話
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「俺はいつでも。お二方の思った時間で良いんですよ」
俺は困ってしまう。
俺が居ても居なくてもきっと大丈夫な時は大丈夫、駄目な時は駄目なのだから。
「じゃあ、王妃行くか」
「はい、リクトごめんなさいね、貴方が居てくれるだけで結果はどうであれ私の気持ちが落ち着くの……だから、来てもらったのよ……責任を押し付けるつもりはなかったのだけれど……」
困ったように笑う王妃様に俺は大丈夫と手を振った。
「王様、もし俺達もあの聖樹にリボンを結びたいと言ったら怒りますか?」
俺の問い掛けに一瞬固まった王様だったが、頭を振る。
「特にあの樹にリボンを結んではならないとはしていない。 流石に国民であればどんな者でもと言うのは難しい。 王宮の中だから警備の問題もあるため王宮の中に入れるものならば許可はしている」
但し、あまり結んだ事例は無いらしいと言う。
「俺達ももう少ししたらまたリボンを結ぼうかと言っていて」
「素敵ね、何時でもリクト達なら何時でも大丈夫よ。ねぇ?」
「あぁ、いつでも来て欲しい」
「ありがとうございます」
「リクトまて、此処で結んだら頻繁に来なきゃならなくなるぞ?遠いからそれでいいならな?」
静かに聞いていたリルが口を開く。
「そっか……そうだね、ならその時になったら決めようか」
俺が二人を見ると、リルもレヴィも頷いていた。
危ない危ない。また突っ走っちゃうところだった。
「リクト、行きましょう?誰かラヴィをお願いできる?」
王妃様の膝で船を漕ぎ始めた王子様を、侍従さんがやってきて抱き上げるとベビーベッドに寝かせた。
そう言えば、この部屋にベビーベッドがあるってことは、行く先行く先にあるのかもしれない。
じっとベビーベッドを見ていた俺に王妃様がクスリと笑った。
「どんな所でも疲れたりお腹いっぱいになったら寝ちゃうのよ……まだまだ子供よね?だから、起こさないように良く行く場所に置いてあるの」
お気に入りはやはり両親の部屋と中庭の聖樹の傍や、噴水の傍にあるらしい。
「そっか、うちも寝室やリビングにあるから、それと同じか」
規模が違うだけでやはり親だから考えることは一緒なのだろう。
「王妃?」
「そうね」
王様が差し出した手に、王妃様は自然と手を掛ける。
流れるような仕草に素敵だなと思いながらも、俺は立ち上がると二人と双子を見た。
寝ていると思ったライは静かにしているだけで起きていたのに俺はびっくりしながら、抱いているリルに話しかけようとすると、そっと唇に指をたてる。
俺は喋ろうとした言葉を飲み込んだ。
くぁっと欠伸をしたライは、瞬きを繰り返すと、またうとうと始めたらしい、
危ない邪魔しちゃった。
俺はありがとうと小さな声で伝えると、リルはこくりと頷いた。
俺は困ってしまう。
俺が居ても居なくてもきっと大丈夫な時は大丈夫、駄目な時は駄目なのだから。
「じゃあ、王妃行くか」
「はい、リクトごめんなさいね、貴方が居てくれるだけで結果はどうであれ私の気持ちが落ち着くの……だから、来てもらったのよ……責任を押し付けるつもりはなかったのだけれど……」
困ったように笑う王妃様に俺は大丈夫と手を振った。
「王様、もし俺達もあの聖樹にリボンを結びたいと言ったら怒りますか?」
俺の問い掛けに一瞬固まった王様だったが、頭を振る。
「特にあの樹にリボンを結んではならないとはしていない。 流石に国民であればどんな者でもと言うのは難しい。 王宮の中だから警備の問題もあるため王宮の中に入れるものならば許可はしている」
但し、あまり結んだ事例は無いらしいと言う。
「俺達ももう少ししたらまたリボンを結ぼうかと言っていて」
「素敵ね、何時でもリクト達なら何時でも大丈夫よ。ねぇ?」
「あぁ、いつでも来て欲しい」
「ありがとうございます」
「リクトまて、此処で結んだら頻繁に来なきゃならなくなるぞ?遠いからそれでいいならな?」
静かに聞いていたリルが口を開く。
「そっか……そうだね、ならその時になったら決めようか」
俺が二人を見ると、リルもレヴィも頷いていた。
危ない危ない。また突っ走っちゃうところだった。
「リクト、行きましょう?誰かラヴィをお願いできる?」
王妃様の膝で船を漕ぎ始めた王子様を、侍従さんがやってきて抱き上げるとベビーベッドに寝かせた。
そう言えば、この部屋にベビーベッドがあるってことは、行く先行く先にあるのかもしれない。
じっとベビーベッドを見ていた俺に王妃様がクスリと笑った。
「どんな所でも疲れたりお腹いっぱいになったら寝ちゃうのよ……まだまだ子供よね?だから、起こさないように良く行く場所に置いてあるの」
お気に入りはやはり両親の部屋と中庭の聖樹の傍や、噴水の傍にあるらしい。
「そっか、うちも寝室やリビングにあるから、それと同じか」
規模が違うだけでやはり親だから考えることは一緒なのだろう。
「王妃?」
「そうね」
王様が差し出した手に、王妃様は自然と手を掛ける。
流れるような仕草に素敵だなと思いながらも、俺は立ち上がると二人と双子を見た。
寝ていると思ったライは静かにしているだけで起きていたのに俺はびっくりしながら、抱いているリルに話しかけようとすると、そっと唇に指をたてる。
俺は喋ろうとした言葉を飲み込んだ。
くぁっと欠伸をしたライは、瞬きを繰り返すと、またうとうと始めたらしい、
危ない邪魔しちゃった。
俺はありがとうと小さな声で伝えると、リルはこくりと頷いた。
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