【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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本編

411話

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「ルス、ライ。早いねぇ」
ゴトゴトと魔獣の引く車は通常の馬車より早く街道を駆けていく。
楽しそうに最初は外を見ていた双子だったが、暫くすると飽きてしまったのかシートの上で眠ってしまう。
魔獣が引くため、そのキャリッジは通常より大きく中は広い。
キャリッジ内はフラットにしてあり、俺たちがごろごろしてもじゅうぶんな広さになっている。
今回の旅行は魔獣や御者など一式をレンタルした。
キャリッジの中は魔石が置かれほんのりと暖かい。
双子がころころと転がるのを俺たち三人は目を細めて見ていた。
「広くていいね……前はリルかレヴィが御者だったから、ゆっくりできなかったでしょ?」
「あの時は行く先をなんとなくしか決めてなかったからな。今回は行く先ははっきりしているしキャリッジも貸してもらったからなぁ?」
「借りたの?」
「あぁ、乗り心地いいだろ?」
「そうだけど」
「だから、汚さないようにしなきゃなぁ。普通の馬車だと三日かかるところを魔獣だと半分で済むし、御者は二人いるから夜通し駆けて貰って大丈夫だしな?」
リルはそう言いながら、ちらりとレヴィを見る。
「でも、時々休憩しようね?俺たちも疲れちゃうし」
何も持たなくていいと言われたが、俺はついピクニック気分でたくさんのおにぎりなど簡単に摘めるものを作ってあたたかいお茶と一緒に持ってきていた。
「本当に家ごと譲ってくれるなんて、大丈夫なのかなぁ」
「まだ、買うとは決めてないだろ?下見だから気負わなくていいぜ」
リルの手がポンと俺の頭に乗せられた。
「リクトが住みたいかどうかで決めていい」
レヴィも、静かに頷いてくれた。
「俺よりもシャーラと双子かな」
シャーラの為の家なのだと、キャリッジの端にそっと倒れないように置かれているシャーラを撫でた。
「シャーラが気に入ってくれる場所を探しに行くんだからね」
そう言うと、シャーラは葉を震わせた。
最近、少しずつシャーラと意思の疎通ができるようになってきた気がする。
「リクト、朝から頑張っただろ?少し横になれよ」
「うん……ありがとう、御者さんには適度に休憩してもらって?それと、軽食はバッグに入ってるから」
旅行が楽しみで仕方なく、子供みたいに昨晩は眠りが浅くて眠れなくなってお弁当を作ってしまい、その短かった睡眠で今頃眠くなってきているのだ。
「リル、膝貸して」
近くにあったリルの膝に俺は頭を乗せるとリルがちゅっとこめかみにキスをしてくれ、レヴィが毛布を掛けてくれた。
「ごめんね、少しだけ。何かあったら起こして?」
俺は甘えるようにリルの太ももに頬を擦り寄せて目を閉じたのだった。
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