【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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本編

513話

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俺はギギギッと何かが軋む音で目を覚ました。
あぁ、船の上だったかとぼんやりした頭で考えて、ふと、今は何時だろうかと飛び起きた。
時計なんかある訳がない。
あわあわと手探りで脱がされた服を拾い集めて身に纏うと、流石に交わった訳では無いが色々と問題がありそうな自分の身体を見回して、早く風呂に入りたいと溜息を吐いた。
内鍵を開けて扉を開けると、日の出後ではあるが空は薄暗い。
ゆっくりと動いている船は夜通し誰かが動かしてくれていたのだろうか。
「何か差し入れでもしなきゃいけないかな」
俺は厨房に向かい、昨日の作り置きのパスタスープに火を入れた。
そして作るのはホットドック。
これなら、操舵中でも手軽に食べられるだろう。
ついでにリルたちの朝食にもと沢山のソーセージをボイルした。
パンに包丁を入れてバター。
ボイルではなく包丁を入れて焼いたソーセージも作り、野菜を挟んで二種類のホットドックを作った。
「足りなかったらまた作ればいいかな」
四角い小さなバスケットにホットドックを入れて操舵室に向かう。
「おはようございます」
俺は扉から中に向かって声を掛けた。
「リクト?」
返事の主はルーファスさんだった。
「お父さん!?おはようございます。もしかして、夜中ずっと此処に?」
「あぁ、仮眠はしている」
「お腹減っているかと思って摘めるようにホットドックを持ってきたのですが」
俺はそっと操舵室に足を踏み入れる。
ぼんやりと明るい室内で、舵輪を手にしているルーファスさんに近寄ってそっとバスケットを差し出した。
「お父さんならコーヒーも持ってくれば良かったです」
「リクトはこんな時間にどうした?まだ早いぞ」
バスケットを受け取ってくれたルーファスさんは、悪いなとそれを舵輪の傍の棚に置いた。
「あと、どのくらいで着きますか?」
「風がないからな……昼過ぎになると思うがどうした?」
ルーファスさんは手を離すとホットドックをひとつ口にした。
「魔獣車でも数日かかったのに、船だと凄く早く着くんだなって思ったので」
「あぁ、この船は比較的足を早くしているからな。有事の際は出られるように」
ルーファスさんはさらりと凄いことを言い放つ。
「有事……戦争とか討伐ですか?」
俺が思いつくのはそのくらいしかない。
「そうだな。何かあれば……だ。」
ルーファスさんは静かに頷いてホットドックを食べる。
美味いと‪笑うルーファスさんの騎士だった頃の面影を見た気がした。
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