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本編
519話
「お、王都の城壁が見えてきたぜ?」
リルが遠くを指差した。
「ん~?」
俺にはまだ見えない。
リルが指差した先を目を凝らしても見えない。
「レヴィ見える?」
「あぁ、リクトは見えないのか?」
レヴィを見上げると逆に不思議がられた。
「見えない……よ?俺、視力悪くなったかなぁ……」
どうやって目を凝らしても見えないため、肩車中の双子に聞くと、尖塔の旗まで見えると言う。
「そのうち下船準備に入るだろ」
リルに促されて甲板に向かうと、わいわいとクルー達が何かを準備していた。
「何か手伝うことあるかな?」
「やらなくていい。下手に慣れない奴が手伝うと危ねぇからな。ルスもライももうちょっとで着くからなー」
「うん、ラヴィにもあえる?」
ルスはラヴィに逢うことができるのが楽しみなようだ。
小さな足をジタバタさせているため、リルがその足をガシッと掴み、こらと止めた。
「レオンからは今日きても良いとは言われてるが明日にするだろ?」
「うん。ゆっくりお風呂入りたいよ……皆、ご飯は何が食べたい?食材も買わなきゃね」
「ままー……はんばぁぐ」
ルスが珍しく食べたいものを強請る。
「ルスはハンバーグね。ついでだからロールキャベツとかも作ろうかなぁ」
ハンバーグは皆好きなメニューだ。
「あ、この船にミンサーがあったから、あれ欲しい……もっと軽い力で回せるやつないかなぁ……」
「作ってもらうか?頼んでおくぞ?」
レヴィがどうする?と、聞いてくる。
「簡単な力でもう少し一気にできるのがあると嬉しいかも……きっとこれから子供たちも食べる量が増えるだろうし」
「任せろ」
リルが請け負ってくれる。
「うん、お願い。王都にいる間に欲しいものは全部揃えておかないとね」
「まずは子供たちの服だな」
「うん」
俺は伸びをしてから水面を見つめる。
「わぁ……イルカ?」
船と並走するように跳ねたのは、俺の世界で似たフォルムが目に映った。
「お、レヴィあれは誰かわかるか?」
「陸に上がらないとわからないな」
「え?」
俺がイルカだと思っていたのはどうやら獣人らしい。
「綺麗だね……凄く」
動物園も水族館も好きな俺は、休みの日にはひとりで水族館へ行くこともあった。
アシカやイルカ、シャチ、ペンギン。
様々な水生生物が可愛くて頻繁に行ったこともある。
「リクト……」
「俺の一番は家族だって!」
リルとレヴィにジト目で見られると苦笑するしかない。
「本当か?」
「本当だってばリルとレヴィだって綺麗な人がいたら綺麗だなって思うでしょ?」
「リクト以上はいない」
「あぁ」
リルとレヴィは互いに顔を見合わせて頷くと、俺を見る。
「だから、綺麗だと思う人に全部恋愛感情は無いでしょ!俺を見ないでってば」
本当に伴侶たちのヤキモチには困ってしまったのだった。
リルが遠くを指差した。
「ん~?」
俺にはまだ見えない。
リルが指差した先を目を凝らしても見えない。
「レヴィ見える?」
「あぁ、リクトは見えないのか?」
レヴィを見上げると逆に不思議がられた。
「見えない……よ?俺、視力悪くなったかなぁ……」
どうやって目を凝らしても見えないため、肩車中の双子に聞くと、尖塔の旗まで見えると言う。
「そのうち下船準備に入るだろ」
リルに促されて甲板に向かうと、わいわいとクルー達が何かを準備していた。
「何か手伝うことあるかな?」
「やらなくていい。下手に慣れない奴が手伝うと危ねぇからな。ルスもライももうちょっとで着くからなー」
「うん、ラヴィにもあえる?」
ルスはラヴィに逢うことができるのが楽しみなようだ。
小さな足をジタバタさせているため、リルがその足をガシッと掴み、こらと止めた。
「レオンからは今日きても良いとは言われてるが明日にするだろ?」
「うん。ゆっくりお風呂入りたいよ……皆、ご飯は何が食べたい?食材も買わなきゃね」
「ままー……はんばぁぐ」
ルスが珍しく食べたいものを強請る。
「ルスはハンバーグね。ついでだからロールキャベツとかも作ろうかなぁ」
ハンバーグは皆好きなメニューだ。
「あ、この船にミンサーがあったから、あれ欲しい……もっと軽い力で回せるやつないかなぁ……」
「作ってもらうか?頼んでおくぞ?」
レヴィがどうする?と、聞いてくる。
「簡単な力でもう少し一気にできるのがあると嬉しいかも……きっとこれから子供たちも食べる量が増えるだろうし」
「任せろ」
リルが請け負ってくれる。
「うん、お願い。王都にいる間に欲しいものは全部揃えておかないとね」
「まずは子供たちの服だな」
「うん」
俺は伸びをしてから水面を見つめる。
「わぁ……イルカ?」
船と並走するように跳ねたのは、俺の世界で似たフォルムが目に映った。
「お、レヴィあれは誰かわかるか?」
「陸に上がらないとわからないな」
「え?」
俺がイルカだと思っていたのはどうやら獣人らしい。
「綺麗だね……凄く」
動物園も水族館も好きな俺は、休みの日にはひとりで水族館へ行くこともあった。
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様々な水生生物が可愛くて頻繁に行ったこともある。
「リクト……」
「俺の一番は家族だって!」
リルとレヴィにジト目で見られると苦笑するしかない。
「本当か?」
「本当だってばリルとレヴィだって綺麗な人がいたら綺麗だなって思うでしょ?」
「リクト以上はいない」
「あぁ」
リルとレヴィは互いに顔を見合わせて頷くと、俺を見る。
「だから、綺麗だと思う人に全部恋愛感情は無いでしょ!俺を見ないでってば」
本当に伴侶たちのヤキモチには困ってしまったのだった。
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