【BL】かつて大聖女様と呼ばれていた俺は現在男ですが何か。

梅花

文字の大きさ
113 / 162

113話

しおりを挟む
一番の目的だったカップは買えた。
ティーカップではなく、マグカップに近いけれど、普段使いにはこれでいいとミゲル様を見上げた。
「次のお店はどうしますか?俺はよくわかってなくて………どんなお店に行きましょうか」
相手が何を見たいのだろうか。
ピアスと言っていたが、いきなりそんなお店に行っていいものなのかそもそも金属店など店を知らない。
「サハルがいいなら少し歩くが……他に見たい店もあるし、喉が渇いたらカフェでもいいな」
「わかりました」
小さな紙をちらりと見るミゲル様。
そんなに気にしなくてもいいのにと笑いながらもミゲル様が立ててくれただろうプランに従った。
ゆっくりと会話をしながら向かった先は小洒落た金属店ではなく、裏路地を入った所にある少し寂れた……いや、かなり寂れた店構えをしている一軒の店だった。
「此処ですか?」
「ああ」
ミゲル様は頷いて、俺が一瞬躊躇ったのがわかったのだろう。先に入口を開けて中に入った。その背中を俺は追った。
「わぁ!」
店の中はとても外からはわからないほど綺麗で色々なものが置いてあった。
「どうだ?」
「凄い、見たこともないです」
置いてあるのは無数の石。
石と言っても宝石だろう。キラキラと輝くものから様々な物がある。 
「サハル、この中から一緒に選んでピアスにしてもらおうと思ってな……ホールも開けたく無ければそのようにしてもらうが……どうしたい?」
俺は、自分の耳に触れる。
ついているのは、耳朶を挟むタイプのもので、ミゲル様から贈られたものだ。
「開けるのは少し怖いですが、ミゲル様とお揃いの物をいただけるなら。ミゲル様がホールを開けてくださいますか?」
開けてくれるなら、きっと怖くない。
「俺がしていいなら……あぁ、此処に最強の回復術士がいるじゃないか」
「あっ!そうですね」
痛いものだと思い込んでいた俺はミゲル様の言葉に笑ってしまう。
「じゃあ、ミゲル様の耳には俺があけます、絶対に痛くはしませんから」
そう言った俺に、ミゲル様は頼むと頭を下げる。
「さぁ、石を選ぶか……この店からサハルが付与する宝石を買っているんだ。裸石を扱っているからな」
宝石店では裸石を研磨したものを売っているが、此処のお店は掘って出てきたものをそのまま販売しているのだ。
「人の手が入る前だから力が強い石が多いのだと聞くが……」
そう言いながら並べられた石を俺はミゲル様と一緒に見ていくのだった。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

目が覚めたら宿敵の伴侶になっていた

木村木下
BL
日本の大学に通う俺はある日突然異世界で目覚め、思い出した。 自分が本来、この世界で生きていた妖精、フォランだということを。 しかし目覚めたフォランはなぜか自分の肉体ではなく、シルヴァ・サリオンという青年の体に入っていた。その上、シルヴァはフォランの宿敵である大英雄ユエ・オーレルの『望まれない伴侶』だった。 ユエ×フォラン (ムーンライトノベルズ/全年齢版をカクヨムでも投稿しています)

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

処理中です...