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3話
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「ん…ん」
男性が小さく身動いだ。
それでも起きる気配はない。
浅黒い肌と、短めに整えられた赤茶の髪。
少し太めの眉ははっきりとした性格を現しているのだろうか。
削げた頬。
引き絞られた唇。
高い鼻梁。
瞳は伏せられているため見えないけれど、どう見ても日本人ではない。
この彫りの深さは。
いや、日本人の特徴は無いけれども、日本語がペラペラなのかもしれない。
学生の頃に多少の英語はかじったけれど、喋らなくなってからもう5年。
たぶん思い出すまでに時間が掛かる案件だ。
取り敢えず、起きて貰ってから仕度をして自宅に帰ろう。
そもそもが此処がどこなのかも聞かなきゃならないし…内装からラブホテルではなさそうだけれど。
いや、そう言うホテルにははいったこともないし…そもそもが男性経験も無いのだ。
20数年大切に守ってきたわけでも、初めては好きになった人にとかでもない。
ただ単に捨てる機会がなくてずるずると来てしまったのだが。
それでも記憶が無いのは残念というか…。
こんなイケメンとだったのなら、しっかりと記憶をしておきたかったなと、残念に思う。
「あの、すみません…起きていただけますか?」
身体に乗る重い腕を掴み、ゆさゆさと揺する。
少し軽くなった腕をゆっくりと退けて毛布を掴みながら起き上がる。
「あの…」
そうして揺さぶっていた手をいきなり強い力で掴まれた。
「いっ…」
きゃあ!なんて悲鳴は間違っても口にしない。
いや、そう言うキャラではないのだ。
「あのっ!」
「ん、あ!!」
寝惚けたのだろう、男は慌てて掴んでいた手を離してくれたが手首には赤く握られた痕が残ってしまった。
「す、すまない…が、貴女は誰だ?」
起き上がった男の口から信じられない言葉が漏れた。
え、この人も記憶が無いの?
掴んでいた毛布が手から滑り落ちる。
「まさか…一夜を?」
頭を抱えた男性が何やらぶつぶつと呟いている。
どうやら日本語は通じるようで安心しながら相手の腕に触れる。
みっしりとした筋肉質。
今までに触れた男性は父と弟、それと幼い頃に皆で遊んだときくらいで、知らない男性は初めてだ。
「あの、帰りたいので此処は何処ですか?」
「何を言っている。金獅子騎士団の寮だろうが…」
何事も無く言いはなった男性の顔をまじまじと見る。
「で、君は春を売っていたのか?いくらだ…支払った記憶がないから君の言い値を支払おう」
そう言ってサイドテーブルからなにかを取り出した男が放った言葉を理解した瞬間、美南の右手は空をきっていた。
男性が小さく身動いだ。
それでも起きる気配はない。
浅黒い肌と、短めに整えられた赤茶の髪。
少し太めの眉ははっきりとした性格を現しているのだろうか。
削げた頬。
引き絞られた唇。
高い鼻梁。
瞳は伏せられているため見えないけれど、どう見ても日本人ではない。
この彫りの深さは。
いや、日本人の特徴は無いけれども、日本語がペラペラなのかもしれない。
学生の頃に多少の英語はかじったけれど、喋らなくなってからもう5年。
たぶん思い出すまでに時間が掛かる案件だ。
取り敢えず、起きて貰ってから仕度をして自宅に帰ろう。
そもそもが此処がどこなのかも聞かなきゃならないし…内装からラブホテルではなさそうだけれど。
いや、そう言うホテルにははいったこともないし…そもそもが男性経験も無いのだ。
20数年大切に守ってきたわけでも、初めては好きになった人にとかでもない。
ただ単に捨てる機会がなくてずるずると来てしまったのだが。
それでも記憶が無いのは残念というか…。
こんなイケメンとだったのなら、しっかりと記憶をしておきたかったなと、残念に思う。
「あの、すみません…起きていただけますか?」
身体に乗る重い腕を掴み、ゆさゆさと揺する。
少し軽くなった腕をゆっくりと退けて毛布を掴みながら起き上がる。
「あの…」
そうして揺さぶっていた手をいきなり強い力で掴まれた。
「いっ…」
きゃあ!なんて悲鳴は間違っても口にしない。
いや、そう言うキャラではないのだ。
「あのっ!」
「ん、あ!!」
寝惚けたのだろう、男は慌てて掴んでいた手を離してくれたが手首には赤く握られた痕が残ってしまった。
「す、すまない…が、貴女は誰だ?」
起き上がった男の口から信じられない言葉が漏れた。
え、この人も記憶が無いの?
掴んでいた毛布が手から滑り落ちる。
「まさか…一夜を?」
頭を抱えた男性が何やらぶつぶつと呟いている。
どうやら日本語は通じるようで安心しながら相手の腕に触れる。
みっしりとした筋肉質。
今までに触れた男性は父と弟、それと幼い頃に皆で遊んだときくらいで、知らない男性は初めてだ。
「あの、帰りたいので此処は何処ですか?」
「何を言っている。金獅子騎士団の寮だろうが…」
何事も無く言いはなった男性の顔をまじまじと見る。
「で、君は春を売っていたのか?いくらだ…支払った記憶がないから君の言い値を支払おう」
そう言ってサイドテーブルからなにかを取り出した男が放った言葉を理解した瞬間、美南の右手は空をきっていた。
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