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54話
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あれから数日、美南あてに封筒が届いた。
濃紺の封筒に銀の封蝋、その印章は薔薇。
だが、そもそも美南には手紙が来る相手がいなかった。
「私に……?」
「あぁ」
しかも、持ってきたのはベルゴッドだった。
すぐそこで預かったのだと言う。
「シルヴィアからだ」
「シルヴィアから?ありがとうございます。何だろう……口頭でいいと思うのに……」
仕事の関係だろうかと思いながら受け取り、これから仕事だからと先ずは仕事に取り掛かろうと美南はその封筒を机の引き出しに入れようとするのをベルゴッドに止められた。
「中身は何となくわかっている。仕事じゃないが確認は早い方がいい」
「あ、はい?」
ベルゴッドに言われペーパーナイフを取り出すと封を切った。
中に入っていたのは手紙ではなく一枚のカード。
「誕生日のパーティーのお誘いだそうで」
そう言えば、先日ベルゴッドが髪留めを取りに行ったのは、シルヴィアの誕生日プレゼントだったと思い出した。
まだだったんだ。
「シルヴィアの誕生日はいつですか?」
「昨日だ」
誕生日に合わせてパーティーをするものだと思っていた美南は驚いた。
だって、ベルゴッドもシルヴィアも昨日は二人とも通常勤務だったのだ。
「え、だって二人とも昨日は仕事してましたよね?ベルゴッド様は夜だって普通に訓練後は帰ってきていましたよね?」
「あぁ」
「あぁって、誕生日は近しい人たちと食事とか……」
「シルヴィアはしたんじゃないか?近しい人なら騎士団の友人か恋人か……」
さらりと言うベルゴッドに、美南は驚いた。
でも、この世界ではそれが普通なのだろうか。
その辺がわからない。
「美南はいつが誕生日だ?」
そうベルゴッドに問われて美南は顔を上げた。
「わかり……ません」
この世界は地球とは少し違う。
一年は三百六十五日。
一日は十二時間。
その辺は何となく理解できたが、一年の始まりが冬からではなく春からなのだ。
「……戸籍とかも無いのか?」
「はい、でもベルゴッド様ならその辺は確認していますよね?」
美南の回答にベルゴッドが息を飲んだのがわかった。
でも、美南とすればそれが普通だろうと思う。
あの出会いからして胡散臭い。
だから、ベルゴッドが自分に対して影でどんなことをしてようとも悲しいとも思わない。
むしろ、戸籍が無いのを知ってもベルゴッドは雇用契約を結んだままでいてくれたし、態度を変える事も無かった。
「……言いづらい事を聞く。嫌なら答えなくてもいい……」
ベルゴッドは手にしていたペンを起き、美南を見た。
「まさか、美南……お前は……」
ベルゴッドの鋭い視線が向けられて、美南はこくりと喉を嚥下させた。
濃紺の封筒に銀の封蝋、その印章は薔薇。
だが、そもそも美南には手紙が来る相手がいなかった。
「私に……?」
「あぁ」
しかも、持ってきたのはベルゴッドだった。
すぐそこで預かったのだと言う。
「シルヴィアからだ」
「シルヴィアから?ありがとうございます。何だろう……口頭でいいと思うのに……」
仕事の関係だろうかと思いながら受け取り、これから仕事だからと先ずは仕事に取り掛かろうと美南はその封筒を机の引き出しに入れようとするのをベルゴッドに止められた。
「中身は何となくわかっている。仕事じゃないが確認は早い方がいい」
「あ、はい?」
ベルゴッドに言われペーパーナイフを取り出すと封を切った。
中に入っていたのは手紙ではなく一枚のカード。
「誕生日のパーティーのお誘いだそうで」
そう言えば、先日ベルゴッドが髪留めを取りに行ったのは、シルヴィアの誕生日プレゼントだったと思い出した。
まだだったんだ。
「シルヴィアの誕生日はいつですか?」
「昨日だ」
誕生日に合わせてパーティーをするものだと思っていた美南は驚いた。
だって、ベルゴッドもシルヴィアも昨日は二人とも通常勤務だったのだ。
「え、だって二人とも昨日は仕事してましたよね?ベルゴッド様は夜だって普通に訓練後は帰ってきていましたよね?」
「あぁ」
「あぁって、誕生日は近しい人たちと食事とか……」
「シルヴィアはしたんじゃないか?近しい人なら騎士団の友人か恋人か……」
さらりと言うベルゴッドに、美南は驚いた。
でも、この世界ではそれが普通なのだろうか。
その辺がわからない。
「美南はいつが誕生日だ?」
そうベルゴッドに問われて美南は顔を上げた。
「わかり……ません」
この世界は地球とは少し違う。
一年は三百六十五日。
一日は十二時間。
その辺は何となく理解できたが、一年の始まりが冬からではなく春からなのだ。
「……戸籍とかも無いのか?」
「はい、でもベルゴッド様ならその辺は確認していますよね?」
美南の回答にベルゴッドが息を飲んだのがわかった。
でも、美南とすればそれが普通だろうと思う。
あの出会いからして胡散臭い。
だから、ベルゴッドが自分に対して影でどんなことをしてようとも悲しいとも思わない。
むしろ、戸籍が無いのを知ってもベルゴッドは雇用契約を結んだままでいてくれたし、態度を変える事も無かった。
「……言いづらい事を聞く。嫌なら答えなくてもいい……」
ベルゴッドは手にしていたペンを起き、美南を見た。
「まさか、美南……お前は……」
ベルゴッドの鋭い視線が向けられて、美南はこくりと喉を嚥下させた。
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