57 / 84
57話
しおりを挟む
慣れない広い室内に、落ち着かなくて美南はとりあえず室内のソファーに腰を下ろす。
ふわりと沈み込んだソファーの感触に腰を浮かしかけた時にノックがあった。
「どうぞ」
美南が答えると、静かに扉が開く。
「失礼いたします、ミナミ様シルヴィア様が中庭へとの事ですのでご案内いたします」
「あ、ありがとうございます」
綺麗なメイドさんに美南は慌てて立ち上がる。
擦れ違ったメイドさんも見た目の審査があるのでは無いだろうかと思うくらい綺麗な方が多かった。
「こちらに」
メイドの後をついて歩いて行くと建物の外に出ると、胸までの高さの生垣やその周りに植えられた花々が綺麗に咲いていた。
その奥に見えたガゼボ。
綺麗に飾られたガゼボの中にあるテーブルの傍にシルヴィアがいた。
「お嬢様、ミナミ様をお連れ致しました」
「ありがとう、ミナミこちらよ」
シルヴィアが座っていた椅子から立ち上がり手を振る。
「ありがとうございました」
美南は連れてきてくれたメイドに頭を下げると、メイドもにこりと笑い頭を下げ静かに離れて行った。
「ミナミ座って?ゆっくりお茶にしましょ?甘いものは好きでしょ」
座って座ってと、シルヴィアに招かれると先程とは違うメイドがそっと椅子を引いてくれた。
美南はその椅子に座るとティースタンドに乗せられた甘味と紅茶が運ばれてきた。
「わぁ」
キラキラした宝石のように綺麗で可愛いスイーツが何種類も乗せられていてつい声を上げてしまった。
「どれを食べる?お兄様は甘い物なんて気にしてくれないでしょ?」
「あ、いえ……ベルゴッド様は果物とか出るとくださいますよ?」
「あのお兄様が!?」
「え、えぇ」
食堂で出された食事で、甘味やフルーツが添えられるとベルゴッドはそっと美南にそれをくれる。
何か返そうとしても、気にするなと言われてしまい美南は申し訳ないと思いながらいただいてしまっていた。
「珍しいわね……いえ、お兄様だって甘いものは食べなくないけれど、食べないなら最初から貰わないのよ」
「ベルゴッド様はあまり好き嫌いないと……」
「何でも食べるように躾られているからね、美南は好き嫌いは?」
「匂いの強いものが得意じゃないかな……食べられるけれど」
「そう」
シルヴィアはこくりと紅茶を嚥下してから、目の前のスイーツを取り分けた。
「ミナミどうぞ、沢山食べなさい」
そう言って差し出すシルヴィアの皿の上にも沢山のスイーツ。
美味しそうに食べるシルヴィアを見ながら、美南も遠慮なくスイーツを口にするがその美味しさに頬が落ちそうになったのだった。
ふわりと沈み込んだソファーの感触に腰を浮かしかけた時にノックがあった。
「どうぞ」
美南が答えると、静かに扉が開く。
「失礼いたします、ミナミ様シルヴィア様が中庭へとの事ですのでご案内いたします」
「あ、ありがとうございます」
綺麗なメイドさんに美南は慌てて立ち上がる。
擦れ違ったメイドさんも見た目の審査があるのでは無いだろうかと思うくらい綺麗な方が多かった。
「こちらに」
メイドの後をついて歩いて行くと建物の外に出ると、胸までの高さの生垣やその周りに植えられた花々が綺麗に咲いていた。
その奥に見えたガゼボ。
綺麗に飾られたガゼボの中にあるテーブルの傍にシルヴィアがいた。
「お嬢様、ミナミ様をお連れ致しました」
「ありがとう、ミナミこちらよ」
シルヴィアが座っていた椅子から立ち上がり手を振る。
「ありがとうございました」
美南は連れてきてくれたメイドに頭を下げると、メイドもにこりと笑い頭を下げ静かに離れて行った。
「ミナミ座って?ゆっくりお茶にしましょ?甘いものは好きでしょ」
座って座ってと、シルヴィアに招かれると先程とは違うメイドがそっと椅子を引いてくれた。
美南はその椅子に座るとティースタンドに乗せられた甘味と紅茶が運ばれてきた。
「わぁ」
キラキラした宝石のように綺麗で可愛いスイーツが何種類も乗せられていてつい声を上げてしまった。
「どれを食べる?お兄様は甘い物なんて気にしてくれないでしょ?」
「あ、いえ……ベルゴッド様は果物とか出るとくださいますよ?」
「あのお兄様が!?」
「え、えぇ」
食堂で出された食事で、甘味やフルーツが添えられるとベルゴッドはそっと美南にそれをくれる。
何か返そうとしても、気にするなと言われてしまい美南は申し訳ないと思いながらいただいてしまっていた。
「珍しいわね……いえ、お兄様だって甘いものは食べなくないけれど、食べないなら最初から貰わないのよ」
「ベルゴッド様はあまり好き嫌いないと……」
「何でも食べるように躾られているからね、美南は好き嫌いは?」
「匂いの強いものが得意じゃないかな……食べられるけれど」
「そう」
シルヴィアはこくりと紅茶を嚥下してから、目の前のスイーツを取り分けた。
「ミナミどうぞ、沢山食べなさい」
そう言って差し出すシルヴィアの皿の上にも沢山のスイーツ。
美味しそうに食べるシルヴィアを見ながら、美南も遠慮なくスイーツを口にするがその美味しさに頬が落ちそうになったのだった。
115
あなたにおすすめの小説
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
幼馴染の勇者に「魔王を倒して帰ってきたら何でもしてあげる」と言った結果
景華
恋愛
平和な村で毎日を過ごす村娘ステラ。
ある日ステラの長年の想い人である幼馴染であるリードが勇者として選ばれ、聖女、女剣士、女魔術師と共に魔王討伐に向かうことになる。
「俺……ステラと離れたくない」
そんなリードに、ステラは思わずこう告げる。
「そうだ‼ リードが帰ってきたら、私がリードのお願い、一つだけなんでも叶えてあげる‼」
そんなとっさにステラから飛び出た約束を胸に、リードは村を旅立つ。
それから半年、毎日リードの無事を祈り続けるステラのもとに、リードの史上最速での魔王城攻略の知らせが届く。
勇者一行はこれからたくさんの祝勝パーティに参加した後、故郷に凱旋するというが、それと同時に、パーティメンバーである聖女と女剣士、そして女魔術師の話も耳にすることになる。
戦いの昂りを鎮める役割も担うという三人は、戦いの後全員が重婚の認められた勇者の嫁になるということを知ったステラは思いを諦めようとするが、突然現れたリードは彼女に『ステラの身体《約束のお願い》』を迫って来て──?
誰がどう見ても両片思いな二人がお願いをきっかけに結ばれるまで──。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます
ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。
前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。
社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。
けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。
家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士――
五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。
遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。
異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。
女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。
義姉の身代わりで変態侯爵に嫁ぐはずが囚われました〜助けた人は騎士団長で溺愛してきます〜
涙乃(るの)
恋愛
「お姉さまが死んだ……?」
「なくなったというのがきこえなかったのか!お前は耳までグズだな!」
母が亡くなり、後妻としてやってきたメアリー夫人と連れ子のステラによって、執拗に嫌がらせをされて育ったルーナ。
ある日ハワード伯爵は、もうすぐ50になる嗜虐趣味のあるイエール侯爵にステラの身代わりにルーナを嫁がせようとしていた。
結婚が嫌で逃亡したステラのことを誤魔化すように、なくなったと伝えるようにと強要して。
足枷をされていて逃げることのできないルーナは、嫁ぐことを決意する。
最後の日に行き倒れている老人を助けたのだが、その人物はじつは……。
不遇なルーナが溺愛さるまで
ゆるっとサクッとショートストーリー
ムーンライトノベルズ様にも投稿しています
覇王に執着される傾国の男装騎士〜忘却の接吻を、愛しき宿敵へ〜
甘塩ます☆
恋愛
男装騎士アーサーは、かつての宿敵・カイル王に捕らわれ、「専属メイド」として屈辱的な奉仕を命じられる。しかし、復讐のために自分を弄ぶはずのカイルが向けたのは、狂気にも似た深い愛だった。
男嫌いな王女と、帰ってきた筆頭魔術師様の『執着的指導』 ~魔道具は大人の玩具じゃありません~
花虎
恋愛
魔術大国カリューノスの現国王の末っ子である第一王女エレノアは、その見た目から妖精姫と呼ばれ、可愛がられていた。
だが、10歳の頃男の家庭教師に誘拐されかけたことをきっかけに大人の男嫌いとなってしまう。そんなエレノアの遊び相手として送り込まれた美少女がいた。……けれどその正体は、兄王子の親友だった。
エレノアは彼を気に入り、嫌がるのもかまわずいたずらまがいにちょっかいをかけていた。けれど、いつの間にか彼はエレノアの前から去り、エレノアも誘拐の恐ろしい記憶を封印すると共に少年を忘れていく。
そんなエレノアの前に、可愛がっていた男の子が八年越しに大人になって再び現れた。
「やっと、あなたに復讐できる」
歪んだ復讐心と執着で魔道具を使ってエレノアに快楽責めを仕掛けてくる美形の宮廷魔術師リアン。
彼の真意は一体どこにあるのか……わからないままエレノアは彼に惹かれていく。
過去の出来事で男嫌いとなり引きこもりになってしまった王女(18)×王女に執着するヤンデレ天才宮廷魔術師(21)のラブコメです。
※ムーンライトノベルにも掲載しております。
ハードモードな異世界で生き抜いてたら敵国の将軍に捕まったのですが
影原
恋愛
異世界転移しても誰にも助けられることなく、厳しい生活を送っていたルリ。ある日、治癒師の力に目覚めたら、聖堂に連れていかれ、さらには金にがめつい師によって、戦場に派遣されてしまう。
ああ、神様、お助けください! なんて信じていない神様に祈りを捧げながら兵士を治療していたら、あれこれあって敵国の将軍に捕まっちゃった話。
敵国の将軍×異世界転移してハードモードな日々を送る女
-------------------
続以降のあらすじ。
同じ日本から来たらしい聖女。そんな聖女と一緒に帰れるかもしれない、そんな希望を抱いたら、木っ端みじんに希望が砕け散り、予定調和的に囲い込まれるハードモード異世界話です。
前半は主人公視点、後半はダーリオ視点。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる