完結【BL】紅き月の宴~Ωの悪役令息は、αの騎士に愛される。

梅花

文字の大きさ
80 / 131

79話

しおりを挟む
「フェイ、香水専門店に行きたいんだけど」
俺はシルフェ様の屋敷に戻ってきてからフェイに頼む。
「いつでも良いんだけど、シルフェ様が香水を使っていらっしゃらないと言うから、送りたいなって思って……」
「それは良いかと。でも、調香師を呼びましょうかその方が危険はありませんから」
フェイはそう言うと、何かを手元の紙に書き付けて部屋の外の誰かに託した。勿論、使っているのはあのペンだ。
「ルーカス様が何か欲しいと言うのは珍しいですから……」
「俺が使ってるポプリをシルフェ様にあげてしまったから、何か良い香水を買おうかなって思って。支払いは俺がするから欲しい人には全員に買ってあげたいけど……集まってくれるかな。調香師ならアトマイザーを使ってオリジナルも作れるよね?楽しみだな」
俺は、シルフェ様に似合う香りを想像しながら、フェイに少し疲れたから眠りたいとベッドメイクをお願いしてから、簡易な服に着替えるところりとベッドに寝転がる。
「……シルフェ様のベッドで寝たい」
シルフェ様の匂いに包まれたいなと思いながらも、部屋を移してくれとダーウェルにはそんなことは言えず、俺はコロコロとベッドの上を転がった。
「シルフェ様の伴侶なら伴侶らしくないといけないんだけど……していいのかな」
誰へともなく口にしてから俺はそのまま起き上がった。
「もう一度思い出してみなきゃ」
一度流れを描いてみたが、それが本当にそうだったか。
他の攻略キャラたちの動きはどうか。
アーサー王子とヒロインは……。
やり込んだ訳では無いゲームだから、知らない所ももちろんあるだろう。
だから、やれる事をやりたいのだと俺は机に向かう。
開戦まで30日と思うと、俺は簡単な表を作りながら現状を振り返った。
この後に起こる事。
此処が開戦なら、その前に起こるのが長雨。
毎日雨が続き、漸く晴れ間が見えた瞬間、東の平原から攻められた。
まだ、雨は降っていないがこの先の天気を占術士か星詠みに見て貰わなければ。
この世界には気象予報士など、いないのだから。
それから、雨が降る前には食料が値上がりする。それが今だ。
もっと高くなるのはわかっているから、ある程度の購入と、武器や武具。
これも揃えなければならない。
それは、ダーウェルに頼まなければならないし、この屋敷の中の非戦闘員には戦闘が始まったら逃げ込める先を作っておかなければならない。
この屋敷に、父上が抱えるような影がいたりするのだろうか。
聞かなければならないことと、やらなければならないことを一覧にしながら俺は小さな溜息を吐いた。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役に転生したので、皇太子を推して生き延びる

ざっしゅ
BL
気づけば、男の婚約者がいる悪役として転生してしまったソウタ。 この小説は、主人公である皇太子ルースが、悪役たちの陰謀によって記憶を失い、最終的に復讐を遂げるという残酷な物語だった。ソウタは、自分の命を守るため、原作の悪役としての行動を改め、記憶を失ったルースを友人として大切にする。 ソウタの献身的な行動は周囲に「ルースへの深い愛」だと噂され、ルース自身もその噂に満更でもない様子を見せ始める。

悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。 原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。 「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」 破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。 しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。 「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」 いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!? 全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ! 小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!

僕のユニークスキルはお菓子を出すことです

野鳥
BL
魔法のある世界で、異世界転生した主人公の唯一使えるユニークスキルがお菓子を出すことだった。 あれ?これって材料費なしでお菓子屋さん出来るのでは?? お菓子無双を夢見る主人公です。 ******** 小説は読み専なので、思い立った時にしか書けないです。 基本全ての小説は不定期に書いておりますので、ご了承くださいませー。 ショートショートじゃ終わらないので短編に切り替えます……こんなはずじゃ…( `ᾥ´ )クッ 本編完結しました〜

【完結】ただの狼です?神の使いです??

野々宮なつの
BL
気が付いたら高い山の上にいた白狼のディン。気ままに狼暮らしを満喫かと思いきや、どうやら白い生き物は神の使いらしい? 司祭×白狼(人間の姿になります) 神の使いなんて壮大な話と思いきや、好きな人を救いに来ただけのお話です。 全15話+おまけ+番外編 !地震と津波表現がさらっとですがあります。ご注意ください! 番外編更新中です。土日に更新します。

転生エルフの天才エンジニア、静かに暮らしたいのに騎士団長に捕まる〜俺の鉄壁理論は彼の溺愛パッチでバグだらけです〜

たら昆布
BL
転生したらエルフだった社畜エンジニアがのんびり森で暮らす話 騎士団長とのじれったい不器用BL

学園の俺様と、辺境地の僕

そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ? 【全12話になります。よろしくお願いします。】

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼不定期連載となりました。 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

処理中です...