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転生者達は分かり合えるのか
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3人で協力して作り上げたカレーをそれぞれのランチョンマットへ運び、一見は賑やかに食卓を囲む。
その実、瑠璃と菜々花の目はお互いを牽制し合い、何も知らない圭人だけが美味しそうにカレーをパクついている。
「助かっちゃいました。ありがとうございます!る…あ、えと、…」
「瑠璃で良いよ。菜々花ちゃん」
私の名前を言いかけて口を結んだライバルへ、柔和な笑顔を向ける。
私よりも透き通る白い肌、青みがかった黒髪は濡れた様に艶めかしい。そして、何よりも黄金色の瞳が印象的で、彼女の爛漫な内面を模しているかの様。
プニプニとした身体つきは、きめ細やかな肌質も相まって、とても触り心地が良さそうだ。
「瑠璃…さん」
「呼び捨てでも良いのに」
ニッコリと笑顔を向けると、対面の圭人が代わりに答える。
「ダメですよ!俺だってまだ『先輩』呼びなのに!」
「あら『まだ』?それより小鳥遊くん、自宅では自分の事『俺』って言うのね?」
「あっ!…すみません、いや、その……」
圭人に破顔の笑みを向けると、畏れ多い、とでも言う様に、両手を眼前に突き出しながら、茹で蛸の様な顔を見せる。
その隣で不安そうにする菜々花を見遣りながら、瑠璃は「なんて可愛いんだろう…」と恍惚に浸る。
食後に急にアイスが食べたくなってしまったから、と圭人をコンビニにお遣いに出した。
「これでゆっくり話が出来るね、菜々花ちゃん」
「瑠璃…さん、どうしたんです…か?」
「貴女も転生者なんでしょう?原作と性格が全然違うもの」
「…!『も』って事は、瑠璃さんも転生者なんですか?」
「そう。と言っても自覚したのは昨日だけどね」
「昨日!?昨日の今日で圭人くんルートを選んだんですか?」
「そうよ~。私、前世から歳下にしか興味がなくて」
ケラケラと笑ってみせると、菜々花は信じられないものでも見るかの様に、一歩後退りした状態で、目を見開いて瑠璃を凝視している。
「…っ信じられない!!あんなに素敵な攻略対象が近くに居るのに、よりにもよって圭人くんルートだなんて!!!」
菜々花は、まるでこの世の終わりとでも言う様に、頭を抱え込んで、その場にへたり込む。
「でも、助かった…。本当に助かっちゃいました、瑠璃さん。いえ、瑠璃っち、瑠璃りん」
ブツブツと語り続ける菜々花は、今度は歓喜の笑みを浮かべている。
「圭人くんは熨斗付けてあげますので、代わりに文吾さんを私にください!絶対絶対大切にします。いえ、大切にされます!!だからどうか、文吾さんと会わせてください!!!」
へたり込んだ状態から、そのまま綺麗な土下座を披露した菜々花を、瑠璃は生暖かい笑みで見つめるのだった。
その実、瑠璃と菜々花の目はお互いを牽制し合い、何も知らない圭人だけが美味しそうにカレーをパクついている。
「助かっちゃいました。ありがとうございます!る…あ、えと、…」
「瑠璃で良いよ。菜々花ちゃん」
私の名前を言いかけて口を結んだライバルへ、柔和な笑顔を向ける。
私よりも透き通る白い肌、青みがかった黒髪は濡れた様に艶めかしい。そして、何よりも黄金色の瞳が印象的で、彼女の爛漫な内面を模しているかの様。
プニプニとした身体つきは、きめ細やかな肌質も相まって、とても触り心地が良さそうだ。
「瑠璃…さん」
「呼び捨てでも良いのに」
ニッコリと笑顔を向けると、対面の圭人が代わりに答える。
「ダメですよ!俺だってまだ『先輩』呼びなのに!」
「あら『まだ』?それより小鳥遊くん、自宅では自分の事『俺』って言うのね?」
「あっ!…すみません、いや、その……」
圭人に破顔の笑みを向けると、畏れ多い、とでも言う様に、両手を眼前に突き出しながら、茹で蛸の様な顔を見せる。
その隣で不安そうにする菜々花を見遣りながら、瑠璃は「なんて可愛いんだろう…」と恍惚に浸る。
食後に急にアイスが食べたくなってしまったから、と圭人をコンビニにお遣いに出した。
「これでゆっくり話が出来るね、菜々花ちゃん」
「瑠璃…さん、どうしたんです…か?」
「貴女も転生者なんでしょう?原作と性格が全然違うもの」
「…!『も』って事は、瑠璃さんも転生者なんですか?」
「そう。と言っても自覚したのは昨日だけどね」
「昨日!?昨日の今日で圭人くんルートを選んだんですか?」
「そうよ~。私、前世から歳下にしか興味がなくて」
ケラケラと笑ってみせると、菜々花は信じられないものでも見るかの様に、一歩後退りした状態で、目を見開いて瑠璃を凝視している。
「…っ信じられない!!あんなに素敵な攻略対象が近くに居るのに、よりにもよって圭人くんルートだなんて!!!」
菜々花は、まるでこの世の終わりとでも言う様に、頭を抱え込んで、その場にへたり込む。
「でも、助かった…。本当に助かっちゃいました、瑠璃さん。いえ、瑠璃っち、瑠璃りん」
ブツブツと語り続ける菜々花は、今度は歓喜の笑みを浮かべている。
「圭人くんは熨斗付けてあげますので、代わりに文吾さんを私にください!絶対絶対大切にします。いえ、大切にされます!!だからどうか、文吾さんと会わせてください!!!」
へたり込んだ状態から、そのまま綺麗な土下座を披露した菜々花を、瑠璃は生暖かい笑みで見つめるのだった。
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