92 / 180
白い妃
悪巧みは行列をとめる
しおりを挟む
香 麗然は悪巧みを含む笑みをした。そして背伸びして、曹朱の耳元に唇を近づける。
「ふふ。いいのかしら? そんな態度でいるなら、あなたの苦手なものを、大声で言っちゃうわよ?」
「……なっ! そ、それは……」
形勢逆転とはことことか。
先ほどまで優位にたっていた曹朱が、驚きながら慌てふためいていた。
「ふっふっふっ。皆さーん! 聞いてくださーい! この仏頂面な男、曹朱は、実はかみな……もごっ!?」
「お、俺が! お前が後宮内を出歩くときは、侍女と俺が付き添うから、他はいらないと陛下に頼んでおく。な!?」
香 麗然の口を塞ぐ。いつもの冷静さをなくし、額から汗をだらだらと流していた。
香 麗然はコクコクと頷く。
「ふふ。じゃあ、お願いね? 今から早速、実行してもらいたいわ」
「何!? それは……うっ! ぐっ……わか……た」
負けを認めた瞬間、彼女とともにいた宦官や兵たちを手で追い払った。
彼の正体は知っている者は肩をすくませ苦笑い。知らない者たちは不思議そうに小首を傾げていた。それでも彼らは曹朱を信頼しているようで、軽く拱手してその場から去って行く。
この場に残ったのは侍女の金明、兵の曹朱、そして妃の香 麗然だけだ。三人は視線を交わしつつ、目的地へと向かうことにした。
香 麗然の隣に曹朱が並び、その後ろを金明がついていく。
「……ところで君は、どこへ向かおうとしているんだ?」
「ん? 四夫人の内の三人のところ、かしら」
「……そう、か。ならばまずは、白の妃ところへ行った方がいいな」
「白?」
「ああ。この後宮には、四夫人がいる。それぞれ、色と守護獣も存在している。君の住んでいる……香死妃の宮は朱雀宮と呼ばれている」
四夫人の宮は皇帝が住む殿を中心に、それぞれ東西南北に分かれていた。
香 麗然の宮は南に位置していて、建物は全体的に朱い。そして鳥を守護獣としていた。
「確かに言われてみれば……この宮って、鳥が多いわよね?」
大きな庭の木々に、たくさんの鳥がとまっている。
「ふふ。いいのかしら? そんな態度でいるなら、あなたの苦手なものを、大声で言っちゃうわよ?」
「……なっ! そ、それは……」
形勢逆転とはことことか。
先ほどまで優位にたっていた曹朱が、驚きながら慌てふためいていた。
「ふっふっふっ。皆さーん! 聞いてくださーい! この仏頂面な男、曹朱は、実はかみな……もごっ!?」
「お、俺が! お前が後宮内を出歩くときは、侍女と俺が付き添うから、他はいらないと陛下に頼んでおく。な!?」
香 麗然の口を塞ぐ。いつもの冷静さをなくし、額から汗をだらだらと流していた。
香 麗然はコクコクと頷く。
「ふふ。じゃあ、お願いね? 今から早速、実行してもらいたいわ」
「何!? それは……うっ! ぐっ……わか……た」
負けを認めた瞬間、彼女とともにいた宦官や兵たちを手で追い払った。
彼の正体は知っている者は肩をすくませ苦笑い。知らない者たちは不思議そうに小首を傾げていた。それでも彼らは曹朱を信頼しているようで、軽く拱手してその場から去って行く。
この場に残ったのは侍女の金明、兵の曹朱、そして妃の香 麗然だけだ。三人は視線を交わしつつ、目的地へと向かうことにした。
香 麗然の隣に曹朱が並び、その後ろを金明がついていく。
「……ところで君は、どこへ向かおうとしているんだ?」
「ん? 四夫人の内の三人のところ、かしら」
「……そう、か。ならばまずは、白の妃ところへ行った方がいいな」
「白?」
「ああ。この後宮には、四夫人がいる。それぞれ、色と守護獣も存在している。君の住んでいる……香死妃の宮は朱雀宮と呼ばれている」
四夫人の宮は皇帝が住む殿を中心に、それぞれ東西南北に分かれていた。
香 麗然の宮は南に位置していて、建物は全体的に朱い。そして鳥を守護獣としていた。
「確かに言われてみれば……この宮って、鳥が多いわよね?」
大きな庭の木々に、たくさんの鳥がとまっている。
11
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
後宮の偽花妃 国を追われた巫女見習いは宦官になる
gari@七柚カリン
キャラ文芸
旧題:国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
☆4月上旬に書籍発売です。たくさんの応援をありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
雇われ側妃は邪魔者のいなくなった後宮で高らかに笑う
ちゃっぷ
キャラ文芸
多少嫁ぎ遅れてはいるものの、宰相をしている父親のもとで平和に暮らしていた女性。
煌(ファン)国の皇帝は大変な女好きで、政治は宰相と皇弟に丸投げして後宮に入り浸り、お気に入りの側妃/上級妃たちに囲まれて過ごしていたが……彼女には関係ないこと。
そう思っていたのに父親から「皇帝に上級妃を排除したいと相談された。お前に後宮に入って邪魔者を排除してもらいたい」と頼まれる。
彼女は『上級妃を排除した後の後宮を自分にくれること』を条件に、雇われ側妃として後宮に入る。
そして、皇帝から自分を楽しませる女/遊姫(ヨウチェン)という名を与えられる。
しかし突然上級妃として後宮に入る遊姫のことを上級妃たちが良く思うはずもなく、彼女に幼稚な嫌がらせをしてきた。
自分を害する人間が大嫌いで、やられたらやり返す主義の遊姫は……必ず邪魔者を惨めに、後宮から追放することを決意する。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる