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雪原の狼
お忍び大作戦
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「君も、人のことは言えん立場だろう?」
「確かにそうだけど……」
(あー言えばこう言う。何なの、この人は? そんなに、王都の外に出たいのかしら?)
ついていくという言葉を覆さない曹朱に、香 麗然は少しだけ疲れを覚える。ぐったりとなりながら金明に助けを求めれば、少女は苦笑いしていた。
「あなた。どうしても、行きたいの?」
「当然だ! あの山には伝説の狼とやらがいるのだろう!? 見てみたいからな。それに……」
「……?」
ちらっと、視線が香 麗然へと向けられる。よく見ると、彼の耳は先まで真っ赤になっていた。
「……変な人。えっと……」
「ともかく! 俺も行くと言ったら行くからな! 俺……いや。皇帝の権限を持って、妃の君とともに行く!」
「えー? 拒否権なし!? というか、そんなことに皇帝の権力使うのは違うんじゃないかしら?」
「いいや。違わない!」
有無を言わさずな勢いだ。
彼のあまりの気迫に、香 麗然は戦いてしまう。怒られた仔犬のようになり、金明の後ろに隠れた。
「……あっ。いや……す、すまない」
熱くなったことを自覚した曹朱は心の熱を、すーと冷ましていく。頭をポリポリ掻いて、情けないまでに香 麗然に謝っていた。
香 麗然はどうしてそこまで必死になっているのかと尋ねる。けれど彼は顔を真っ赤にさせるだけだった。
「……変な人。まあ、いいわ。あなたが一緒に行くということにして、金明もついてくるわよね?」
唯一の侍女でもある少女を誘う。
金明は喜んでついていくと言った。ただ直後に「あっ」と声をあげる。曹朱に視線を送った後、彼を手招きしてひそひそ話を始めた。
「……ああ。そういえば、そうだったな」
話を聞いた直後、彼はがっくりと肩を落とす。香 麗然へと向き直り、軽く咳払いをした。
「行く気満々なところ悪いが……あの山は今、深刻な問題をいくつか抱えている。その内の一つが、一番やっかいでな」
「やっかいって……どんなふうに?」
「……どう、伝えたらいいのか迷うが。今のあの山は、迷うんだ」
「……?」
迷うだけならば、いろいろと事前対策をしてからでも問題ないはず。香 麗然は困惑しながら、曹朱の話に耳を傾けた。
「確かにそうだけど……」
(あー言えばこう言う。何なの、この人は? そんなに、王都の外に出たいのかしら?)
ついていくという言葉を覆さない曹朱に、香 麗然は少しだけ疲れを覚える。ぐったりとなりながら金明に助けを求めれば、少女は苦笑いしていた。
「あなた。どうしても、行きたいの?」
「当然だ! あの山には伝説の狼とやらがいるのだろう!? 見てみたいからな。それに……」
「……?」
ちらっと、視線が香 麗然へと向けられる。よく見ると、彼の耳は先まで真っ赤になっていた。
「……変な人。えっと……」
「ともかく! 俺も行くと言ったら行くからな! 俺……いや。皇帝の権限を持って、妃の君とともに行く!」
「えー? 拒否権なし!? というか、そんなことに皇帝の権力使うのは違うんじゃないかしら?」
「いいや。違わない!」
有無を言わさずな勢いだ。
彼のあまりの気迫に、香 麗然は戦いてしまう。怒られた仔犬のようになり、金明の後ろに隠れた。
「……あっ。いや……す、すまない」
熱くなったことを自覚した曹朱は心の熱を、すーと冷ましていく。頭をポリポリ掻いて、情けないまでに香 麗然に謝っていた。
香 麗然はどうしてそこまで必死になっているのかと尋ねる。けれど彼は顔を真っ赤にさせるだけだった。
「……変な人。まあ、いいわ。あなたが一緒に行くということにして、金明もついてくるわよね?」
唯一の侍女でもある少女を誘う。
金明は喜んでついていくと言った。ただ直後に「あっ」と声をあげる。曹朱に視線を送った後、彼を手招きしてひそひそ話を始めた。
「……ああ。そういえば、そうだったな」
話を聞いた直後、彼はがっくりと肩を落とす。香 麗然へと向き直り、軽く咳払いをした。
「行く気満々なところ悪いが……あの山は今、深刻な問題をいくつか抱えている。その内の一つが、一番やっかいでな」
「やっかいって……どんなふうに?」
「……どう、伝えたらいいのか迷うが。今のあの山は、迷うんだ」
「……?」
迷うだけならば、いろいろと事前対策をしてからでも問題ないはず。香 麗然は困惑しながら、曹朱の話に耳を傾けた。
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