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どこまでも優しい君に捧げる人生
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君は言う、世界は広く大きいと。
みんな支えあって助け合って生きていると。
きれいな世界が大好きだと。
きれいな世界に生きている僕が好きだと。
それに対して僕は笑うんだ。
世界はそれほど美しいわけではない。
きれいなものは君だけだと。
はにかむように笑う君。
頬を伝う朱の色。
でもやっぱり、信じて生きることが私の生き方だと。
君は前を向く。
君は聖女様だった。
僕なんて手の届かない偉い人。
君を殺しに来た僕にまで手を差し伸べる。
そんな、聖人君子な。
美しい人。
私の命ひとつで世界がきれいなままでいられるなら。
そういって、僕には殺させなかったのにいとも簡単に命を投げ出してしまう人。
聖女は死んだ。
世界は救われた。
人々は明日を迎えられることに何の感謝もしないまま日々を過ごす。
君が好きだった世界は君の犠牲なんて知らずに生きている。
椿の花がきれいなまま枯れていくように。
君もきれいなまま輝きを失う。
人をたくさん殺してきた僕が言うことではないかもしれないが。
君の死だけは受け入れたくなかった。
きれいなまま帰ってきた君をさらった。
二人だけの世界で。
君が夢見た世界を呪って。
君の未来を望んだ。
支えあって助け合うために僕は言葉を紡いだ。
とびっきり美しい聖女の話を。
たくさんの人に聞いてもらうために。
偽善者と罵られようとも。
たくさんの失笑をかおうとも。
僕は僕のすべてをかけて君を語った。
悪い人がすべてではなかった。
聞いてくれる人がいた。
涙を流す人がいた。
君を思ってくれる人がいた。
君を知っている人がいた。
僕の命が尽きるとき、君の声が聞こえた気がした。
「とびっきり美しい未来の話をしよう」
その声は、いつまでも変わらず美しいままで
どこまでも優しい君のものだった。
みんな支えあって助け合って生きていると。
きれいな世界が大好きだと。
きれいな世界に生きている僕が好きだと。
それに対して僕は笑うんだ。
世界はそれほど美しいわけではない。
きれいなものは君だけだと。
はにかむように笑う君。
頬を伝う朱の色。
でもやっぱり、信じて生きることが私の生き方だと。
君は前を向く。
君は聖女様だった。
僕なんて手の届かない偉い人。
君を殺しに来た僕にまで手を差し伸べる。
そんな、聖人君子な。
美しい人。
私の命ひとつで世界がきれいなままでいられるなら。
そういって、僕には殺させなかったのにいとも簡単に命を投げ出してしまう人。
聖女は死んだ。
世界は救われた。
人々は明日を迎えられることに何の感謝もしないまま日々を過ごす。
君が好きだった世界は君の犠牲なんて知らずに生きている。
椿の花がきれいなまま枯れていくように。
君もきれいなまま輝きを失う。
人をたくさん殺してきた僕が言うことではないかもしれないが。
君の死だけは受け入れたくなかった。
きれいなまま帰ってきた君をさらった。
二人だけの世界で。
君が夢見た世界を呪って。
君の未来を望んだ。
支えあって助け合うために僕は言葉を紡いだ。
とびっきり美しい聖女の話を。
たくさんの人に聞いてもらうために。
偽善者と罵られようとも。
たくさんの失笑をかおうとも。
僕は僕のすべてをかけて君を語った。
悪い人がすべてではなかった。
聞いてくれる人がいた。
涙を流す人がいた。
君を思ってくれる人がいた。
君を知っている人がいた。
僕の命が尽きるとき、君の声が聞こえた気がした。
「とびっきり美しい未来の話をしよう」
その声は、いつまでも変わらず美しいままで
どこまでも優しい君のものだった。
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