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強さの秘密
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「うぅ……一体なんだってんだ」
上半身裸のまま、羊小屋にあったベッドの上に座らされる俺。
衣服を剥ぎ取られたのち、俺はさまざまなことを覚悟したわけだが特に何をされるわけでもなく。
こうしてベッドに座らされて数分放置を食らっている。
「まぁまぁ、そこで少し大人しくしておれ。何もとって食おうというわけではない。だからゲンゴロウは外に追い出しただろうに?」
「だったらなんで服脱がすためだけにあんな集団で襲われなきゃならなかったんだ? 正直怖かった、泣くかと思ったぞ」
「ふふふっ、可愛らしい声を上げていたの。 見ていて面白かったぞ?」
服を脱がさせた張本人は楽しそうに笑う。
つまりはただ俺の反応を見て楽しんだだけと言うわけだ。
人をおもちゃにして遊びやがって。
「あんた、きっとロクな死に方しないぞ」
「くくく、だろうな。我のような女は、きっと皆に望まれながら地獄に落ちるだろうよ」
口を尖らせて毒を吐いてみたが、軽くいなされる。
どうにも口喧嘩では勝てそうになく、諦めて俺はため息だけを漏らして終わりにする。
「まったく……それで、俺はそんなセッカに一体何をされるんだ?」
作業台のような場所に座って羊皮紙で何かを書いており、インクからは仄かに血の匂いがする。
「そう怯えるな。 言っただろう? 丸裸にするだけだと」
「?」
そういうとセッカは「できた」と小さく漏らし俺へと振り返る。
その手にもたれているのは小さな羊皮紙であり。
手に持ったままベッドに飛び乗ると、慣れた様子で俺の背中に羊皮紙を貼り付ける。
「んなっ‼︎? 何すんだ!? 呪いか? それとも魔法か‼︎?」
「落ち着け。 ただ単にお前のステータスを見るだけだ」
「ステータス?」
そういうとセッカは羊皮紙に手を置くと。
【其の秘め事を明るみに】
小さく呪文を呟き、同時に俺の背中が熱を持つ。
あったかい。
「それ、できたぞ。 これで其方のバカみたいな強さの秘密がわかるというものじゃ」
「ばかみたいなって……そんな紙一つで何がわかるっていうんだよ」
楽しそうに俺の背中から羊皮紙を剥がすセッカに俺はそう口を尖らせるが。
セッカは御構い無しに鼻歌なんて歌いながら羊皮紙に目を通す。
「あれだけの強さじゃ、【斬鉄剣】とか【剣豪】とか期待できそうじゃがどれどれ……ふぅむ。筋力と敏捷は人狼族というだけあって高め、耐久が飛び抜けてるのは村での扱いを見れば何となく想像がつくの……魔力は素養はあれど原石のまま、知識は……まぁ、うん。人間勉強だけじゃないしの。頑張れ!」
「哀れむような目でこっちを見るな。涙を袖で拭うふりをするな! 涙なんて一滴も溢れてないのバレバレなんだからな‼︎」
「ふふっ、怒るな怒るな。 しかしこれだけみてると其方。なんでそんなに強いの? ステータスは耐久以外は凡人の域をでぬし、魔法と知識を含むと少し腕に覚えがある兵士相手に手も足も出ないぐらいだぞ?」
「それぐらい自分でも分かってるよ。 実際剣がなければ、村の奴らに手も足も出なかったんだ。だからしょうがなく武器を使ってたんだろ?」
「ふぅむ。 剣豪のスキルを持ってたとしても、ブラックドラゴンの首を切るほどではないのだが。うわっ人狼変化のスキル、エラーって出てる。人狼族なのに」
「エラーって……」
なんだか泣きたくなってきた……。
なんで俺、ステータスにもダメ出しされてるんだろう。
「ふぅむ、やっぱり忍耐とか精神保護とかそういう耐久系のスキルは多いが、これといって目立ったものは……ん? ん゛ん゛ん゛ん゛‼︎?」
半ばふてくされ気味にセッカの話を聞いていた俺。
しかしセッカは途中何か変なものを見つけたのか、奇声を上げる。
それ、どこから声出してるんだろう。
「どうしたセッカ?」
「いや……え? これ見間違いじゃないよね? え? あーなるほどね、人狼変化エラーってそういうこと? えーでも……」
「おい、何を一人で納得してるんだよセッカ。 そんなに言葉を失うほど酷いスキルでも見つかったのか?」
俺を無視して一人でブツブツと何かを喋るセッカに口を尖らせて抗議をしてみるが、セッカは怒るでもなくぽかんとした表情のまま俺に羊皮紙を見せて、指を指す。
「なぁそなた、これなんて書いてあるように見える?」
読めない漢字でもあったのだろうか? バカにしている様子もないセッカの姿に、俺は少し訝しげに思いながらも、指さされた場所の見慣れない文字を声に出して読む。
「えーと……剣聖……剣聖い゛ぃ‼︎?」
セッカをバカにできないほどどこから出したのかわからない奇声が、俺の横隔膜あたりから勢いよくとびだした。
剣聖といえば……。
それは最強の剣士の証であり、そのスキルを手に入れた人間はみな例外なく歴史にその名を刻んでいる。
本で読んだことのあるその内容を俺は頭の中で反芻し。
「うーーん?」
セッカと一緒に再度頭をひねる。
「やっぱ、何回やっても出てくるの、これ」
その後、魔法の失敗という可能性も考慮し、ステータスの魔法を何度か掛け直したセッカであったが、何度やっても結果はおなじ。
エラーと出る人狼変化に、剣聖のスキル。
「これだけやって結果が同じってことは、本当に剣聖のスキルを持ってるんだろうな」
「うぅむ。 にわかには信じられんが、確かにこれならあのデタラメな剣技にも納得がいく」
「俺って強かったんだな」
「嫌味じゃないのは分かっとるが、なんだか腹の立つ感想じゃな」
セッカは呆れたようにそう言った。
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上半身裸のまま、羊小屋にあったベッドの上に座らされる俺。
衣服を剥ぎ取られたのち、俺はさまざまなことを覚悟したわけだが特に何をされるわけでもなく。
こうしてベッドに座らされて数分放置を食らっている。
「まぁまぁ、そこで少し大人しくしておれ。何もとって食おうというわけではない。だからゲンゴロウは外に追い出しただろうに?」
「だったらなんで服脱がすためだけにあんな集団で襲われなきゃならなかったんだ? 正直怖かった、泣くかと思ったぞ」
「ふふふっ、可愛らしい声を上げていたの。 見ていて面白かったぞ?」
服を脱がさせた張本人は楽しそうに笑う。
つまりはただ俺の反応を見て楽しんだだけと言うわけだ。
人をおもちゃにして遊びやがって。
「あんた、きっとロクな死に方しないぞ」
「くくく、だろうな。我のような女は、きっと皆に望まれながら地獄に落ちるだろうよ」
口を尖らせて毒を吐いてみたが、軽くいなされる。
どうにも口喧嘩では勝てそうになく、諦めて俺はため息だけを漏らして終わりにする。
「まったく……それで、俺はそんなセッカに一体何をされるんだ?」
作業台のような場所に座って羊皮紙で何かを書いており、インクからは仄かに血の匂いがする。
「そう怯えるな。 言っただろう? 丸裸にするだけだと」
「?」
そういうとセッカは「できた」と小さく漏らし俺へと振り返る。
その手にもたれているのは小さな羊皮紙であり。
手に持ったままベッドに飛び乗ると、慣れた様子で俺の背中に羊皮紙を貼り付ける。
「んなっ‼︎? 何すんだ!? 呪いか? それとも魔法か‼︎?」
「落ち着け。 ただ単にお前のステータスを見るだけだ」
「ステータス?」
そういうとセッカは羊皮紙に手を置くと。
【其の秘め事を明るみに】
小さく呪文を呟き、同時に俺の背中が熱を持つ。
あったかい。
「それ、できたぞ。 これで其方のバカみたいな強さの秘密がわかるというものじゃ」
「ばかみたいなって……そんな紙一つで何がわかるっていうんだよ」
楽しそうに俺の背中から羊皮紙を剥がすセッカに俺はそう口を尖らせるが。
セッカは御構い無しに鼻歌なんて歌いながら羊皮紙に目を通す。
「あれだけの強さじゃ、【斬鉄剣】とか【剣豪】とか期待できそうじゃがどれどれ……ふぅむ。筋力と敏捷は人狼族というだけあって高め、耐久が飛び抜けてるのは村での扱いを見れば何となく想像がつくの……魔力は素養はあれど原石のまま、知識は……まぁ、うん。人間勉強だけじゃないしの。頑張れ!」
「哀れむような目でこっちを見るな。涙を袖で拭うふりをするな! 涙なんて一滴も溢れてないのバレバレなんだからな‼︎」
「ふふっ、怒るな怒るな。 しかしこれだけみてると其方。なんでそんなに強いの? ステータスは耐久以外は凡人の域をでぬし、魔法と知識を含むと少し腕に覚えがある兵士相手に手も足も出ないぐらいだぞ?」
「それぐらい自分でも分かってるよ。 実際剣がなければ、村の奴らに手も足も出なかったんだ。だからしょうがなく武器を使ってたんだろ?」
「ふぅむ。 剣豪のスキルを持ってたとしても、ブラックドラゴンの首を切るほどではないのだが。うわっ人狼変化のスキル、エラーって出てる。人狼族なのに」
「エラーって……」
なんだか泣きたくなってきた……。
なんで俺、ステータスにもダメ出しされてるんだろう。
「ふぅむ、やっぱり忍耐とか精神保護とかそういう耐久系のスキルは多いが、これといって目立ったものは……ん? ん゛ん゛ん゛ん゛‼︎?」
半ばふてくされ気味にセッカの話を聞いていた俺。
しかしセッカは途中何か変なものを見つけたのか、奇声を上げる。
それ、どこから声出してるんだろう。
「どうしたセッカ?」
「いや……え? これ見間違いじゃないよね? え? あーなるほどね、人狼変化エラーってそういうこと? えーでも……」
「おい、何を一人で納得してるんだよセッカ。 そんなに言葉を失うほど酷いスキルでも見つかったのか?」
俺を無視して一人でブツブツと何かを喋るセッカに口を尖らせて抗議をしてみるが、セッカは怒るでもなくぽかんとした表情のまま俺に羊皮紙を見せて、指を指す。
「なぁそなた、これなんて書いてあるように見える?」
読めない漢字でもあったのだろうか? バカにしている様子もないセッカの姿に、俺は少し訝しげに思いながらも、指さされた場所の見慣れない文字を声に出して読む。
「えーと……剣聖……剣聖い゛ぃ‼︎?」
セッカをバカにできないほどどこから出したのかわからない奇声が、俺の横隔膜あたりから勢いよくとびだした。
剣聖といえば……。
それは最強の剣士の証であり、そのスキルを手に入れた人間はみな例外なく歴史にその名を刻んでいる。
本で読んだことのあるその内容を俺は頭の中で反芻し。
「うーーん?」
セッカと一緒に再度頭をひねる。
「やっぱ、何回やっても出てくるの、これ」
その後、魔法の失敗という可能性も考慮し、ステータスの魔法を何度か掛け直したセッカであったが、何度やっても結果はおなじ。
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「これだけやって結果が同じってことは、本当に剣聖のスキルを持ってるんだろうな」
「うぅむ。 にわかには信じられんが、確かにこれならあのデタラメな剣技にも納得がいく」
「俺って強かったんだな」
「嫌味じゃないのは分かっとるが、なんだか腹の立つ感想じゃな」
セッカは呆れたようにそう言った。
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