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13.隊長のお願い
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ユールとともに案内された部屋は、貴賓室のようだった。
魔法陣のあった殺風景な部屋と違い、かなり広い。
床には、スニーカーで踏むのはためらわれるような絨毯が敷かれており、調度品は落ち着いた色のアンティークで揃えられていた。
隊長が上席に座った後、リント、ユールと続く。
ユールの方が目上なのだが、女性優先としてくれたらしい。
全員が着席したところで、給仕によって華やかな赤色の液体がグラスに注がれた。
「ノンアルコールのシードルよ。食前酒の代わりにどうぞ。この地方の特産品なの」
軽く掲げて乾杯する。
思っていたほど甘くなく、りんごの爽やかな味わいの後に、花のような香りがふわりと残った。
「いい香りですね。りんご以外にも何か使われているのでしょうか」
「食用花ね。色付けとして使われているのだけれど、醸造所によって使う花が違うので、風味も変わってくるの。機会があったら飲み比べてみるといいわ」
見事に女子受けしそうな品である。
リリーが喜びそうだ。
仕事に慣れたら、町に買い物くらいは行けるだろうか。
口に含んで味わっているリントに比べ、ユールは淡々と飲み進めていた。
初めてではないのだろう。
グラスを傾ける仕草が様になっていて、つい見入ってしまう。
気づかれる前に視線を外したつもりだが、大丈夫だっただろうか。
隊長曰く『お昼なので軽めにした』とのことで、前菜からスープへと続き、魚と口直しを省いて、メインが魔牛のステーキだった。
全て地元の食材らしい。
特に初めて食べた魔牛はとてもおいしかった。
魔物系の食材は隣国でとても人気があり、しかもお高い。
ほとんどが輸出目的で飼育されており、地元民の口にはなかなか入らないのだ。
肉は羊肉が主流なので、牛肉すら滅多に口にはしないのだが、リントの大して無い知識の中で例えると、牛肉の旨味をさらに凝縮したような、とても濃い、深みのある味わいだった。
話があるとのことで、それなりに身構えて臨んでいたリントだったが、食事中は食材に絡めた地元の話や、リントの専科時代の話などで、和やかな雰囲気のまま進んでいった。
その間、ユールは隊長の補足と聞き役に徹していた。
贅沢な料理と、珍しい話を堪能したリントは、デザートとハーブティーがテーブルに並んだ頃にはすっかり気が緩んでいた。
フレッシュハーブをブレンドしたお茶は、透明なティーカップを綺麗なミントグリーンに色付かせ、湯気と共にレモンバームの香りがひと際強く立ち上っている。
「ロスティアさんは、今日の討伐に使用した魔法陣は扱えるのかしら」
やわらかな空気の中、隊長が唐突に話を切り出した。
カップを口先まで持ち上げていたユールの手が、直前で止まる。
「獣舎前での話の続きだけれど、ナファルさんのいない時は、攻撃班と処理班の2手に分かれて対応しているの。炎を使う以上、山火事になるといけないから、消火作業は徹底的に行っているわ。けれど、この方法だと人員がかさんでしまって。なので、軍部としては、ロスティアさんにも討伐に参加していただけるようになったらありがたいと思っているの」
答えに窮したリントに代わり、即座にユールが口を開いた。
「隊長、その話、私は聞いておりませんが」
「そうでしょうね。今初めて話したもの」
当然のように言い放つ隊長に、ユールは強い口調で言い返す。
「魔導士の仕事は『壁』を守ることです。討伐ではありません。それに、あの魔法陣は私にしか使えないと以前にもお伝えしたはずですが」
「けれど、あなたならロスティアさんが使用できるように作り替えることは可能なのではなくて?あと、討伐への参加についてはあなたたちの課長に許可を取ってあるわ」
「課長が…?」
ユールがあからさまに眉根を寄せた。
「ですが、わざわざ彼女を加える必要性がわかりません。あれはどちらかというと宣伝的な意味合いが強いものですし、元々私しかしていなかったものを他の魔導士に強要するのはどうかと」
「通常のやり方だと人員が割かれるのは事実よ。それに、私は強要はしていないわ。お願いをしているだけ」
話が平行線で進む中、隊長の視線がリントに向く。
「ロスティアさんはどう思うの?」
「あの、私は隊の皆さんのように戦闘訓練を受けていませんし、正直、今まで自分が戦闘に加わることなど考えたこともありませんでした。それにあの魔法陣は初めて見る仕様で、使いこなせるかはやってみないことには…」
概ね予想通りの答えだったのだろう。
隊長は気を害することもなく、話を続けた。
「もちろんすぐにとは言わないわ。断ってもらっても構わない。先ほども言ったように、本来の魔導士庁の仕事ではないから、強制はしないわ。ただ、仕事に慣れる間なら多少の融通は利くでしょうから、軍部の仕事も見ていただいて、その上で決めてもらえたらと思ったの」
隊長の真摯な目から、視線を逸らせない。
一拍おいて、再び隊長が口を開いた。
「ロスティアさんは、どうして魔導士を目指したのかしら」
魔導士庁の面接でも聞かれる定番の質問だ。
リントは数か月前をなぞるように答えた。
「魔導士は、魔力が無ければ本人がどんなに望んでもなれません。私で誰かのお役にたてることがあるのなら、できる限りの事はしたいと思いました」
「私も同じよ。自分の能力を生かせると思ってこの仕事を選んだわ。大変な仕事だけれど、誰かがやらなきゃいけない事だから」
ゆっくりと、言い含めるような言い方だった。
大したことを言っているわけではないのに、自分とはまるで違う、経験に裏打ちされた覚悟が垣間見えた気がした。
「急がないから、よく考えてみて頂戴」
打って変わってにこやかに言った後、それはそうと、と話を続けた。
「討伐の件は置いておくとしても、ヒポグリフの乗り方は覚えておいたほうがいいと思うの。ヤトル区の部隊はヒポグリフが多い分、ペガサスの配備数は少ないから代用してもらう事もあると思うし。今朝会ったシエルに指導にあたらせるから」
挨拶の時、隊長と一緒にいたのはそういう事か。
リントは納得した。
「軍部の方のお手を煩わせなくとも私が教えます」
隊長の様子から、肝心な話は終わったと解釈したのだろう。
途中から2人の会話を見守っていたユールが口を挟む。
「同姓の方が気負わなくてよいのではないかしら?それに、リントさんが練習している間はナファルさんに『壁』を任せればいいってあなたの課長から言付かっているの」
「『壁』は別に他の人間でも…」
「2人も魔導士がいるのに、これ以上は『経費の無駄』ですって」
ぐっとユールの言葉が詰まった。
「魔獣たちの飼育代もばかにならないのよねぇ。ペガサスだって、魔導士のためだけに面倒見ているようなものだし」
追い打ちをかけるように隊長の言葉が重なる。
お互いに視線で牽制する時間がしばらく続いたが、先に目をそらしたのはユールだった。
「わかりました。ですが、2週間後からにしてください。それまでは魔導士の仕事を優先させてもらいます」
「ええ、それで構わないわ。その間は、あなたがきちんとフォローしてくださるんでしょうから」
からかいを含んだ声音に、ユールは悠然と答えた。
「もちろんです。私は、彼女の『先輩』ですから」
魔法陣のあった殺風景な部屋と違い、かなり広い。
床には、スニーカーで踏むのはためらわれるような絨毯が敷かれており、調度品は落ち着いた色のアンティークで揃えられていた。
隊長が上席に座った後、リント、ユールと続く。
ユールの方が目上なのだが、女性優先としてくれたらしい。
全員が着席したところで、給仕によって華やかな赤色の液体がグラスに注がれた。
「ノンアルコールのシードルよ。食前酒の代わりにどうぞ。この地方の特産品なの」
軽く掲げて乾杯する。
思っていたほど甘くなく、りんごの爽やかな味わいの後に、花のような香りがふわりと残った。
「いい香りですね。りんご以外にも何か使われているのでしょうか」
「食用花ね。色付けとして使われているのだけれど、醸造所によって使う花が違うので、風味も変わってくるの。機会があったら飲み比べてみるといいわ」
見事に女子受けしそうな品である。
リリーが喜びそうだ。
仕事に慣れたら、町に買い物くらいは行けるだろうか。
口に含んで味わっているリントに比べ、ユールは淡々と飲み進めていた。
初めてではないのだろう。
グラスを傾ける仕草が様になっていて、つい見入ってしまう。
気づかれる前に視線を外したつもりだが、大丈夫だっただろうか。
隊長曰く『お昼なので軽めにした』とのことで、前菜からスープへと続き、魚と口直しを省いて、メインが魔牛のステーキだった。
全て地元の食材らしい。
特に初めて食べた魔牛はとてもおいしかった。
魔物系の食材は隣国でとても人気があり、しかもお高い。
ほとんどが輸出目的で飼育されており、地元民の口にはなかなか入らないのだ。
肉は羊肉が主流なので、牛肉すら滅多に口にはしないのだが、リントの大して無い知識の中で例えると、牛肉の旨味をさらに凝縮したような、とても濃い、深みのある味わいだった。
話があるとのことで、それなりに身構えて臨んでいたリントだったが、食事中は食材に絡めた地元の話や、リントの専科時代の話などで、和やかな雰囲気のまま進んでいった。
その間、ユールは隊長の補足と聞き役に徹していた。
贅沢な料理と、珍しい話を堪能したリントは、デザートとハーブティーがテーブルに並んだ頃にはすっかり気が緩んでいた。
フレッシュハーブをブレンドしたお茶は、透明なティーカップを綺麗なミントグリーンに色付かせ、湯気と共にレモンバームの香りがひと際強く立ち上っている。
「ロスティアさんは、今日の討伐に使用した魔法陣は扱えるのかしら」
やわらかな空気の中、隊長が唐突に話を切り出した。
カップを口先まで持ち上げていたユールの手が、直前で止まる。
「獣舎前での話の続きだけれど、ナファルさんのいない時は、攻撃班と処理班の2手に分かれて対応しているの。炎を使う以上、山火事になるといけないから、消火作業は徹底的に行っているわ。けれど、この方法だと人員がかさんでしまって。なので、軍部としては、ロスティアさんにも討伐に参加していただけるようになったらありがたいと思っているの」
答えに窮したリントに代わり、即座にユールが口を開いた。
「隊長、その話、私は聞いておりませんが」
「そうでしょうね。今初めて話したもの」
当然のように言い放つ隊長に、ユールは強い口調で言い返す。
「魔導士の仕事は『壁』を守ることです。討伐ではありません。それに、あの魔法陣は私にしか使えないと以前にもお伝えしたはずですが」
「けれど、あなたならロスティアさんが使用できるように作り替えることは可能なのではなくて?あと、討伐への参加についてはあなたたちの課長に許可を取ってあるわ」
「課長が…?」
ユールがあからさまに眉根を寄せた。
「ですが、わざわざ彼女を加える必要性がわかりません。あれはどちらかというと宣伝的な意味合いが強いものですし、元々私しかしていなかったものを他の魔導士に強要するのはどうかと」
「通常のやり方だと人員が割かれるのは事実よ。それに、私は強要はしていないわ。お願いをしているだけ」
話が平行線で進む中、隊長の視線がリントに向く。
「ロスティアさんはどう思うの?」
「あの、私は隊の皆さんのように戦闘訓練を受けていませんし、正直、今まで自分が戦闘に加わることなど考えたこともありませんでした。それにあの魔法陣は初めて見る仕様で、使いこなせるかはやってみないことには…」
概ね予想通りの答えだったのだろう。
隊長は気を害することもなく、話を続けた。
「もちろんすぐにとは言わないわ。断ってもらっても構わない。先ほども言ったように、本来の魔導士庁の仕事ではないから、強制はしないわ。ただ、仕事に慣れる間なら多少の融通は利くでしょうから、軍部の仕事も見ていただいて、その上で決めてもらえたらと思ったの」
隊長の真摯な目から、視線を逸らせない。
一拍おいて、再び隊長が口を開いた。
「ロスティアさんは、どうして魔導士を目指したのかしら」
魔導士庁の面接でも聞かれる定番の質問だ。
リントは数か月前をなぞるように答えた。
「魔導士は、魔力が無ければ本人がどんなに望んでもなれません。私で誰かのお役にたてることがあるのなら、できる限りの事はしたいと思いました」
「私も同じよ。自分の能力を生かせると思ってこの仕事を選んだわ。大変な仕事だけれど、誰かがやらなきゃいけない事だから」
ゆっくりと、言い含めるような言い方だった。
大したことを言っているわけではないのに、自分とはまるで違う、経験に裏打ちされた覚悟が垣間見えた気がした。
「急がないから、よく考えてみて頂戴」
打って変わってにこやかに言った後、それはそうと、と話を続けた。
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挨拶の時、隊長と一緒にいたのはそういう事か。
リントは納得した。
「軍部の方のお手を煩わせなくとも私が教えます」
隊長の様子から、肝心な話は終わったと解釈したのだろう。
途中から2人の会話を見守っていたユールが口を挟む。
「同姓の方が気負わなくてよいのではないかしら?それに、リントさんが練習している間はナファルさんに『壁』を任せればいいってあなたの課長から言付かっているの」
「『壁』は別に他の人間でも…」
「2人も魔導士がいるのに、これ以上は『経費の無駄』ですって」
ぐっとユールの言葉が詰まった。
「魔獣たちの飼育代もばかにならないのよねぇ。ペガサスだって、魔導士のためだけに面倒見ているようなものだし」
追い打ちをかけるように隊長の言葉が重なる。
お互いに視線で牽制する時間がしばらく続いたが、先に目をそらしたのはユールだった。
「わかりました。ですが、2週間後からにしてください。それまでは魔導士の仕事を優先させてもらいます」
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