素敵な罰ゲームなんてあり得ません!

はなまる

文字の大きさ
2 / 37

第2 ばってん

しおりを挟む
 「 好きです。 断ってください」
「 またですか......」

私は頭を抱えました。
男子からの告白は何度目でしょうか。
しかも。
今回はクラス1のイケメンが相手です。
嬉しいかですって?
でも、 よく聞いてください。
セリフがおかしかったですよね。
そうです。 これは罰ゲームなんですよ。
男子が分かりやすくカードゲームで盛り上がっていましたからね。

もちろん、 私は断ってあげました。

「 ごめんなさい。 恋とかまだよく分からないんです」
「そっか。 それじゃこれからもクラスメイトということで」
「はい、 そうですね」
にっこり。

すっかり、 作り笑いには慣れたものです。
あっ。
でも、イケメンの......。
...... 名前は何でしたっけ?
罰ゲームの対象にされているから、 男子には興味がないんですよね。
でも。
他のクラスメートの女子達は別です。
イケメン君は何と、 女子から大人気だそうです。
私は罰ゲームに参加している時点で御免ですけどね。
今日は女子からの質問攻めにあいそうです。
話はこれで終わり、 のはずでした。

ところが。

イケメン君は、 さらに別の話題を振ってきました。

「 ついでだから聞くけど、 りなちゃんはいずみちゃんの親友だったよね」
「 そうですけど......」
「 だったら、いずみちゃんに伝えてよ」 
「 何をですか?」
「いずみちゃんなら俺の彼女にしてもいいってさ」

イケメン君は何を言っているのでしょう。
私は話についていけず首をかしげました。
すると。
イケメン君はおかしそうに笑います。

「それわざとなの?」
「 何のことですか?」
「 俺はいずみちゃんと付き合ってもいいって言ってるんだけど」
「 罰ゲームですか?」
「 違うよ。 いずみちゃんはし選出者だからさ、
俺の隣にいることを許すってこと」
「 意味が分かりません」
「 いずみちゃんはりなちゃんの親友を止めて、 俺の彼女になるって事だよ」
「な......っ!?」

いずみちゃんがイケメン君...... 罰ゲームやろうと付き合う!?
しかも。
私と絶交して......!?

「 そげんこつ、 あるわけなか!!」
「 はい、方言いただきました」

いつのまにか他の男子が集まっていて、 スマホで動画撮影をしていました。
そうです。
私は頭に血が上ると方言が出てしまうから、 男子からからかわれるようになったんですよ。

「 あっ、そうそう。 今日から俺も、 いずみちゃんと同じ選出者の仲間入りをしたんだよね」

イケメン君は、 私にスマホの画面を見せつけてきます。
そこに写っているのは異世界で活躍しているイケメン君の姿でした。
私はまだなのに。
最低な男子の方が先にいずみちゃんと同じステージに立てるなんて......。
私の視界がぼんやりとにじんできました。
余計に男子にからかわれてしまうのに。
もう溢れて止まりません。

「 やめてよ。 俺がいじめてるみたいに見えるからさ」
「 寄ってたかって一人の女の子をからかうなんて、 誰がどう見てもいじめだろ」

突然。
私と同じ背丈くらいの男子が間に入ってきました。
女の子のように可愛らしい顔立ちで、他の男子と違って強い感じが全くしません。
それどころか。
怒った表情も微笑ましいです。
これはもう、 きゅーと君で決定ですね。
きゅーと君は更にイケメン君に忠告しました。

「 これ以上やるならペルソナ扱いになるよ?」
「それは困る。 今すぐ立ち去るから見逃してくれよ、きゅーと くん」
「 今回は目を瞑るよ」

なんと!
きゅーと君は本当にきゅーと君でした。
あだ名の可能性もありますけどね。
...... じゃあなくて。
きゅーと君 のおかげでイケメン君達はいなくなりました。
感謝してもしきれません。

「 助けてくれてありがとうございました」
「 別に、僕は僕の役目を果たしただけだよ」
「きゅーと君は 風紀委員何ですか?」
「...... そういえば、井手さんは中学からの入学したったね」
「 はい、そうなんですよ」

きゅーと君は質問に答えてくれなかったけど、私はちゃんとうなずきました。
そうなんです。
私は小学校までは福岡にいました。
それがなぜ東京の 、しかもエスカレート式の有名な選出学園に入学することになったかと言うと、 髪の色が突然ピンクに変わったからです。
普通と違う身体特徴は選出者の証です。
選出者は異世界に転移して冒険者となることができます。
とはいえ。
何も知らずに異世界に送り込まれても苦労するだけです。
それどころか。
死ぬ可能性もゼロではないんですよ。
そこで。
選出者候補生を集め、異世界の知識や戦い方を教えてくれる学校ができました。
それが選出学園なのです。

ほとんどの人が小学校から入学するから、私のように中学校からの入学者は珍しいんですよね。
毎年何人かはいるらしいんですけど、去年は私1人だけだったから余計に目立ってしまって......。

「 さっきのように困ったことがあったら僕を頼ってよ」
きゅーと君は、 私に優しく微笑んでくれます。
「 助けになってあげるからね」
「 ありがとうございます」
選出学園で初めて男子と仲良くなれました。

それから。
毎日。
私ときゅーと君は おしゃべりするようになりました。

「 でこちゃん、きゅーと君のことが好きなんだろ」
りょうちゃんにからかわれても気になりません。

もちろん好きですよ。
最初は浮かれていただけでした。
少女漫画みたいな展開でしたからね。
でも。
きゅーと君と話しているうちに。
恋に恋している訳じゃなくて。
きゅーと君 自身が好きだって気付いたんです。
そして。
きっと、きゅーと君も私のことを......。

「 はい、両思いですよ」
にっこり。
「 からかいがいのないやつだな」
「 そんなこと言わないの。良かったね、でこちゃん。おめでとう」
いずみちゃんだけは一緒になって喜んでくれます。
私は幸せでした。

そのはずでした。
ところが.....。

「 好きだよ 。異世界行きを断って」
きゅーと君が 私に告白してくれました。
でも。
 ちょっと待ってください。
この言い回しは聞き覚えがあります。
そうです。
男子がやっていた罰ゲームの告白のセリフです。
きゅーと君 だけは他の男子と違うって信じてたのに。
私は気絶しそうなほどショックを受けました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...