素敵な罰ゲームなんてあり得ません!

はなまる

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第18 ばってん

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私は今、たーれい 子爵邸の応接間にいます。
貴族のまどろっこしい決まりで、手続きには時間がかかるようです。
暇ですね。
でも。
お菓子には手を伸ばしません。
何故か、へたれ君の お姉さんがいるから、よそゆきの顔をしています。高級そうなお菓子が夢のように並んでいるのに。
誰も口にしないから、食べづらいんですよね。
りょうちゃんなら、遠慮せずにバクバクと頬を張るでしょう。
いずみちゃんならうまいことみんなで食べる流れに持っていくはずです。
でも、私は......。
損な性格をしていますよね。
はあっ。

「 甘いものはお嫌い?」

へたれ君の お姉さんが笑顔で聞いてきます。
私は素直に答えました。

「 大好きです」
「 もう一度、同じセリフを言ってくれ!」

へたれ君が 妙なテンションだけど、面倒などので無視しておきましょう。
お姉さんは、私にお菓子を勧めてくれました。

「 遠慮なさらずにどうぞ、お食べになって」
「 私だけがいただくわけにはいきませんよ」
「 つまり俺様と一緒に食べたいってことだな!」
「 では、私と一緒に召し上がってくださいな」

そう言って、 お姉さんがクッキーを口に入れます。
やっと。
私もお菓子を味わうことができました。

「 美味しいです!」
「 気に入っていただけて嬉しいわ」
「 一流のパティシエがいるんですね」
「いえ、 これは私が作ったのよ」
「 凄いですね!私はこんなにうまく作れませんよ」
「 では今度、時間が空いた時にでも一緒にお菓子作りをなさらない?
作り方を教えて差し上げるわ」
「 是非お願いします!」

私とお姉さんは意気投合しました。


今のうちに。
精霊界について勉強しておきましょう。
 大地のエリア、水のエリア、火のエリア、風のエリア、光のエリア、闇のエリアといった6つのエリアに 分かれていて、それぞれのエリアに精霊王がいます。
大地のエリアには大地の精霊王といった具合です。
まずは、こものちゃんの 属性を知る必要があります。
別のエリアの精霊王に会っても意味がないからです。
残念ながら私は、こものちゃんの 言葉がわかりません。
ひんじゃく君に 聞いてもらう他ありませんでした。

「こものちゃんの 属性は何?」
「こもこも」
「へーっ、 そうなんだ」
「こもこもっ」
「あはは。 そうだね」
「うん、 わかるよ。
でも、あれだからね」
「 通訳してくださいよ!」

これだから男子は!
......いえ。
今のは八つ当たりのようなものですね。
反省。
反省はするけど。
やっぱり、こものちゃんと楽しそうに談笑しているのはうらやましいですよ。
そう思っていると、ひんじゃく君は 素直に謝ってくれました。

「 ごめん、忘れてたね。
俺のカードを使えば、一時的に[精霊の加護]を受けられるよ」
「 つまり、こものちゃんと 会話が成立するわけですね?」
「 そういうことだよ」

では早速。
こものちゃんに 声をかけてみましょう。

「こものちゃん、 元気ですか?」
「 元気こも」

語尾は『こも』のままなんですね。
あざとい感じもしますけど、かわいいので何の問題もありません。

「こものちゃん、 たくさんおしゃべりしましょうね」
「はいこもっ」
にっこり。

癒されますね。
心が洗われて、今までの苦労が忘れられそうですよ。

なぜか。
へたれ君が 仕切っていました。

「 手続きが済んだから、精霊界に向かうぜ」
「 ちょっと待ってください。
へたれ君も仲間に入るつもりですか?」
「たーれい 子爵家は代々、精霊使いの家系なんだ。
だから、むしろ。
ふぃんじゃっくのような 部外者を連れて行く必要はないんだよ」
「いえ。
私はへたれ君とは 仲間になりたくないから、ひんじゃく君じゃないと 無理ですよ」
「そ、 そんな!?」
ガーン!

弟の心配をよそに、お姉さんは場違いな質問をしました。

「ふぇるがへたれ君なら、 私は何ちゃんかしら?
ちなみに私のフルネームは、とぅーりんでいりあ、たーれいと 申しますのよ」
「うーん......。
りあちゃん でしょうか」
「 あら、普通なのね」
「姉様は 性格は普通じゃないけどな」

へたれ君は 余計なひと言を言っていました 。
これはお姉さんを完全に怒らせてしまいましたね。

「 私は別にふぇるのために 何もしていないことになっているから、何とでも言いなさい」

お姉さんは逆に、へたれ君のために 何らかの手助けをしているわけですね。

「 つんでれちゃんですね」
「 私はでこちゃんに『お姉様』と呼ばれたいだけで、別に ふぇるのために仲良くしているわけじゃないのよ」

なるほど。
つんでれちゃんは、へたれ君にたーれい家を 継いでほしいし。
私には、へたれ君の お嫁さんになってほしいわけですか。
もちろんお断りですよ。

「 私はつんでれちゃんとだけ 仲良くしたいですよ」
「あら?
『お姉様』と呼んではくださらないの?」
「 はい。つんでれちゃんの義 妹になるつもりはありません」
「そう。
じゃあ、『お姉ちゃん』ね」
にっこり。
「いえ、つんでれちゃんと 呼ばせてください」
「 姉妹同士であだ名で呼び合うのも悪くないわね」
「...... そんなに、へたれ君が大好きなんですか」
「 でこちゃんと仲良くしたいだけよ」

@ そこは、『勘違いしないでよね。別にへたれ君のためじゃないんだからね』だろ!
@つんでれちゃんを 名乗るならツンデレのテンプレは押さえとかないとな!

「 でこちゃん、そうなの?」
「ええ、まぁ......」
「 勘違いなさらないでよね。私は別に、ふぇるのためにでこちゃんと仲良くしているわけではありませんからね」

つんでれちゃんは 照れたような表情まで作って下さったので、視聴者の皆さんはご満悦でした。

@ 完璧だ!

何か忘れているような?

@こものちゃんのことでしょ。

そうでした。
えっと......。
こものちゃんは 風の精霊と判明したので、精霊界の風のエリアに向かいます。
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