貞操逆転世界は衰退の道を辿る

異世界、ああ、異世界

　ニュースがおかしい。いや、俺がおかしいのか？男が年々少なくなっていってるって、昨日までの記憶とかはなんなんだ？いや、異世界に来たのか。

　ああ異界、異なる世界、どこだここ？って、ボケて五七五やってる場合じゃない。論文、はよ、論文。

　えっと、要約すると、女性の性欲が強いため、数回の行為での絶頂では満足出来ない。しかし、男は数回やれば満足してしまうため、どんどん欲求は溜まっていく。それを繰り返していくうちに、男性は生存本能の危機から沢山出すが、それで生まれる子供は女ばかり。それになってしまった経緯は、強き者を増やすという自然の法則からで、男は貧弱、女は最強という関係が出来てしまい、男が出来なくなってしまったらしい。世界の医療機関は、どうにか対策を行なっているようだが、未だ改善策はなく、女が増えていくばかり。その結果男が少なくなったので人工授精をするしかない。で、頑張った結果、人工授精の技術が発達し人口が減る問題が無くなったが、今度は人工授精では男が生まれにくい問題が浮上。という、要約が意味をなしてないことになってる。

　うん、つまり！貞操逆転してて、男が生まれにくい！ってことだ。よし、要約できた！

　え、やったって、喜べばいいのか？それとも、って時間が！

　慌てて教室に行くが、まだ皆は楽しそうに話をしている。というか、5分前に行くって考えてたから、今は5分前だ。まだ慌てる時じゃなかった。

　机にぐでっと横になると、少し女子がざわめく。なんだか、首筋がとかうなじがとか萎えることを言ってくる。うう、は！

　よし、よし、大人しくて綺麗な子に告白しよう！男が少なければ、ふふ、彼女が簡単に、ふふ。

　邪なことを考えながら学校が始まった。授業内容は化学と社会が変わっていたが、そこまで気にする程じゃなかった。何たって必要な時にしか見て覚えないからな！それ以外の時は頭の中から抜けてるからいいんだよ！あ、数学と国語は違うからな。

　そんな感じで授業を受けていく。