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サイドストーリー
カレンの独白
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幼い頃から姉のカリーナは抜きん出て美しかった。
切れ長の目はいかめしい美しさを醸し出し、人を安易に寄せ付けない。
一方私の顔立ちはカリーナに比べると柔らかなものだったので、周りの人間は皆私に声をかけてきた。
でも、私は本当はよく分かっていた。
カリーナの方が私より遥かに美しいということに。
天使のようだ、妖精のようだ、と言われたところで嬉しくなどなかった。だってそれは私の持つ雰囲気のことであって顔立ちそのものではない。
それに対してカリーナの美は絶対的なものだ。だからこそ私はカリーナを許せなかった。
なぜあれほどの美しさを持ちながら、いつも自信のないように俯くのか。両親はきつい顔立ちで静かなカリーナより、明るい私の方を溺愛した。
私だったら、その美貌をもっと輝かせられるのに。憧憬にも似た嫉妬を感じずにはいられなかった。
「姉様の顔立ちってきつくて、意地が悪く見えるわね」
私はカリーナがそう言われるのを嫌がっているのを知っていてわざとしょっちゅう口にした。
冷たく笑われたなら二度と言わなかっただろう。でも毎回馬鹿みたいに傷ついた顔をするのが疎ましい一方で、人が親しみやすい私の顔立ちを羨ましがっているのが分かるその瞬間だけ、暗い欲望が満たされることに気付いた。
私がどれほどカリーナに酷いことを言おうと、周りは私が虐められている側だと信じている。実の両親ですらそうなのだ。本当に馬鹿ばかりだ。
私は今日もカリーナに辛く当たることをやめられない。私が焦がれてやまないその美貌を押し隠すような彼女に。
切れ長の目はいかめしい美しさを醸し出し、人を安易に寄せ付けない。
一方私の顔立ちはカリーナに比べると柔らかなものだったので、周りの人間は皆私に声をかけてきた。
でも、私は本当はよく分かっていた。
カリーナの方が私より遥かに美しいということに。
天使のようだ、妖精のようだ、と言われたところで嬉しくなどなかった。だってそれは私の持つ雰囲気のことであって顔立ちそのものではない。
それに対してカリーナの美は絶対的なものだ。だからこそ私はカリーナを許せなかった。
なぜあれほどの美しさを持ちながら、いつも自信のないように俯くのか。両親はきつい顔立ちで静かなカリーナより、明るい私の方を溺愛した。
私だったら、その美貌をもっと輝かせられるのに。憧憬にも似た嫉妬を感じずにはいられなかった。
「姉様の顔立ちってきつくて、意地が悪く見えるわね」
私はカリーナがそう言われるのを嫌がっているのを知っていてわざとしょっちゅう口にした。
冷たく笑われたなら二度と言わなかっただろう。でも毎回馬鹿みたいに傷ついた顔をするのが疎ましい一方で、人が親しみやすい私の顔立ちを羨ましがっているのが分かるその瞬間だけ、暗い欲望が満たされることに気付いた。
私がどれほどカリーナに酷いことを言おうと、周りは私が虐められている側だと信じている。実の両親ですらそうなのだ。本当に馬鹿ばかりだ。
私は今日もカリーナに辛く当たることをやめられない。私が焦がれてやまないその美貌を押し隠すような彼女に。
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