【完結】悪女のなみだ

じじ

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サイドストーリー

娘たちへの葛藤

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カレンとカリーナを産んだ日、私は世界で一番幸せな人間だと信じて疑わなかった。
とても愛らしい双子の女の子。天使が舞い降りたのかと思った。夜泣きで起こされて、やっと寝れると思うともう片方の子が起きだす…育児でふらふらになりそうだったけれど、元気に健やかに育つ二人を見て本当に幸せだった。

それは双子が3歳になったある日。
私は気付いてしまった。ビスクドールのように可愛らしい子達だが、徐々に顔立ちに違いが出てきたのだ。と言ってもカレンの目元は垂れ目がちで、カリーナの目は吊り目がちと言った程度だったが。
そして、性格にも徐々に違いが出てきた。天真爛漫で我が儘だが愛嬌のあるカレンと、思慮深く優しいが、いつも自信なさげなカリーナ。

どちらもそれぞれに美点と欠点がある。だからこそ二人とも平等に愛せるはずだった。いや、親として愛さないといけないと分かっていた。

でも、私はどうしてもカリーナを愛せなくなっていた。3歳になったあの日、カリーナのその目元に亡き姉サシャの面影を見てからは。
美しく優しく賢い姉は皆から慕われていた。私はいつも姉の陰に隠れて、周囲の人からはおろか両親からさえもほとんど見向きされなかった。
自慢の姉だ、そう思った直後に、サシャさえいなければ周りからもっと愛されたのでは、と言う気持ちを持つことを止められなかった。

その姉の幼い頃にそっくりのカリーナ。一方かつての自分に似た容姿のカレン。優しげな顔立ちはカリーナの華やかな顔立ちに負けてしまうのでは、と思うと目をかけ手をかけ、溺愛せずにはいられなかった。
そして、姉へ感じた嫉妬の感情をそのままカリーナへと向けてしまった。

カレンが泣いていると一緒にいたカリーナについ強く当たってしまう。
本当は私だって分かっている。正しいことを言ってるのはカリーナの方だと言うことを。
でも、彼女の正しさや賢さがサシャに、そしてカレンの愚かさや我儘さがかつての自分と重なってしまって、どうしてもカリーナ受け入れられない。

そして、それを悲しそうにしながらも受け入れているカリーナに苛立ちを感じてしまうのだ。もう私には期待していないと、言われているようで…。


だから、どうかいつか私のことを許して欲しい。勝手なことを言ってると分かってる。
でも私だって辛いのだから。
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