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第一章 4月
お姉さま、入学式です ★1★
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寮に入ってから入学式までは慌ただしかった。
もともと数日しかない中での、寮でのルールや掃除当番などの説明会。
教科書が届いたり、文具や特別教室で使うための道具を取り揃えたり、入学式までに提出しなければならない課題もあって、やる事は山のようだった。
とても志奈さんや常葉学園について、誰かに聞く余裕なんてなく、かと言って電話して本人に聞くのも躊躇われて。とうとう入学式当日。変化があったとすれば、日々を過ごす内に、幸と薫とより仲良くなったことだろうか?
2人とも、全く柚鈴とは違うタイプだったが、却ってバランスがいいのか、3人でいることも増え、自然と距離が近くなっていった。
呼び方もさん付けが取れ、ちゃん付けや呼び捨てなどになったし。
特に薫は、「さん付け」も面倒そうだっただが「ちゃん付け」は断固嫌がった。
まあ、さばさばした薫らしい、気がする。
入学式の前日は、上級生の始業式。
あくる日の入学式では上級生は休み。
朝、学校へ行く準備を終えて寮の玄関に行くと、遥先輩や凛子先輩を始めとした寮の上級生が待っていた。
どうやら見送ってくれる気らしい。
皆さん一様に私服ではあるが、身なりを整えて、一分の隙もない。
「皆さん、本日は入学式ね。おめでとう」
遥先輩がにっこり笑うと、先輩方はそれぞれ新入生の身だしなみをチェックし始めた。
細かく確認をして、何かあれば丁寧に整えてくれる。
「ごきげんよう。柚鈴さんも制服チェックをしてあげるわ」
遥先輩に目の前に立たれ、あわてて姿勢を伸ばした。
な、なんか緊張する。
ぐるりと周りを回って、服装チェックをされる。
新入生1人1人が、上級生の目で制服の乱れがないか確認されているのだ。
「我が寮から出る新入生に、制服の乱れがあったら困るものね」
にっこり笑う上級生達の表情に、各々、新入生は少し照れたり、焦ったりしている。
迷ったけど、今日のセーラー服は新品の方だ。
おかげで、襟元のバッチ痕を気にせずに済んだので正解だったと思う。
志奈さんのセーラー服は、明日からに備えて、部屋できちんとしまっている。
セーラーのリボンを整えて貰うと、よしっとオッケーを貰った。
後から来た薫はいつも通りの短髪が寝癖が付いていて、先輩方が群れてヘアセットをされている。
一瞬慌てたようだったが、凛子先輩に大人しくするように言われて、肩を竦めて応じていた。
流石の薫も、凛子先輩には逆らわないようだ。
幸は部屋から出るまではゆっくりだったが、何度も鏡を見てチェックしたらしく、綺麗に準備していて、上級生からも褒められていた。
「行ってらっしゃい」
少しドキドキと胸が騒がしい。
家以外でこんな風に送り出して貰えるとは思っていなかったから。
「行ってきます」
自然と出た明るい声に、心の奥までほっこりした。
もともと数日しかない中での、寮でのルールや掃除当番などの説明会。
教科書が届いたり、文具や特別教室で使うための道具を取り揃えたり、入学式までに提出しなければならない課題もあって、やる事は山のようだった。
とても志奈さんや常葉学園について、誰かに聞く余裕なんてなく、かと言って電話して本人に聞くのも躊躇われて。とうとう入学式当日。変化があったとすれば、日々を過ごす内に、幸と薫とより仲良くなったことだろうか?
2人とも、全く柚鈴とは違うタイプだったが、却ってバランスがいいのか、3人でいることも増え、自然と距離が近くなっていった。
呼び方もさん付けが取れ、ちゃん付けや呼び捨てなどになったし。
特に薫は、「さん付け」も面倒そうだっただが「ちゃん付け」は断固嫌がった。
まあ、さばさばした薫らしい、気がする。
入学式の前日は、上級生の始業式。
あくる日の入学式では上級生は休み。
朝、学校へ行く準備を終えて寮の玄関に行くと、遥先輩や凛子先輩を始めとした寮の上級生が待っていた。
どうやら見送ってくれる気らしい。
皆さん一様に私服ではあるが、身なりを整えて、一分の隙もない。
「皆さん、本日は入学式ね。おめでとう」
遥先輩がにっこり笑うと、先輩方はそれぞれ新入生の身だしなみをチェックし始めた。
細かく確認をして、何かあれば丁寧に整えてくれる。
「ごきげんよう。柚鈴さんも制服チェックをしてあげるわ」
遥先輩に目の前に立たれ、あわてて姿勢を伸ばした。
な、なんか緊張する。
ぐるりと周りを回って、服装チェックをされる。
新入生1人1人が、上級生の目で制服の乱れがないか確認されているのだ。
「我が寮から出る新入生に、制服の乱れがあったら困るものね」
にっこり笑う上級生達の表情に、各々、新入生は少し照れたり、焦ったりしている。
迷ったけど、今日のセーラー服は新品の方だ。
おかげで、襟元のバッチ痕を気にせずに済んだので正解だったと思う。
志奈さんのセーラー服は、明日からに備えて、部屋できちんとしまっている。
セーラーのリボンを整えて貰うと、よしっとオッケーを貰った。
後から来た薫はいつも通りの短髪が寝癖が付いていて、先輩方が群れてヘアセットをされている。
一瞬慌てたようだったが、凛子先輩に大人しくするように言われて、肩を竦めて応じていた。
流石の薫も、凛子先輩には逆らわないようだ。
幸は部屋から出るまではゆっくりだったが、何度も鏡を見てチェックしたらしく、綺麗に準備していて、上級生からも褒められていた。
「行ってらっしゃい」
少しドキドキと胸が騒がしい。
家以外でこんな風に送り出して貰えるとは思っていなかったから。
「行ってきます」
自然と出た明るい声に、心の奥までほっこりした。
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