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第三章 5月‐結
お姉さま、体育祭への準備です 1 ~薫~
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常葉学園の体育祭の準備を、授業時間から中心となって引き受けているのは、南組の体育科の生徒たちである。
他の組でも、それにあてる為の時間は割り振られているが、体育祭実行委員会は南組が中心になって立ち上げられて、体育祭での色分けで作られた組での応援団長、組長も南組から選抜される。
当然、陸上部の高村薫も忙しく動き回っていた。
テント設営や、入場門、看板等の設営などから、各体育祭での各競技、応援団の打ち合わせなどなど。
一年生であってもやることは山ほどあるし、こういった行動が好きでもある薫は積極的に動いていた。
ここ数日は放課後の陸上部での練習は朝練だけだ。
体育祭準備に時間を割いているのだが、合間に所用もあり、陸上部部長である有沢綾を見つけると声を掛けた。
すると相手はいるはずのない人物を見たという様に目を見開いて驚く。
「薫さん、あなた茶道部のお茶会に招待されてるんじゃないの?」
「ん?」
その言葉に、意味が分からずに首を傾げる。
お茶会、というと。確か友人である柚鈴が今日、参加しているお茶会のことだろうか?
薫がきょとんとした表情をしていると、有沢部長は困ったような顔を見せた。
「光希が、あなたの分と二通受け取って声を掛けてたと思ったけど」
「ああ…そういえば、何か貰いましたね。あれ、招待状でしたか」
記憶の端で、どうにか引っかかったものを拾い上げた。
そういえば少し前に、部活終わりに先輩の前田光希から何か受け取ったような覚えがある。
特に重要でないと判断したため、そのまま寮の部屋で、適当に置いてしまったが。
つまり、陸上部の一年生で南組トップクラスと名高い薫には、当然のように茶道部からのお誘いがあったのだが、本人が全く興味がなかったので、意識の中にすら残っていなかったらしい。
柚鈴が招待状を貰ったという話も、全くの他人事で聞いていたくらいだ。
有沢部長は当然出席していたと思っていたらしく、困惑しながら確認してくる。
「茶道部の方が出席確認しに来なかった?」
「来た、かもしれませんけど。体育祭準備期間中だったから、断ったんじゃないかな?」
その辺りは全く覚えがない。
ここ数日は、準備が楽しくてそこに熱中していたのだ。
もしかしたら声を掛けられたのかもしれないけれど、覚えがない、ということは、考えることもなく断ったのかもしれない。
どうも何かに集中すると、そこ一点になってしまう薫は、特に気にもせず答えた。
彼女にとっては良くあることだ。
「もう、あなたって人は。光希は来ると思って張り切って参加しに行ったわよ」
「おぉ、それは尚更行かなくて正解ですね」
「薫さん」
大切な後輩に対しての薫の言いようには、流石に温厚な有沢部長も嗜めるように待ったを掛けた。
その言い方は迫力には掛けるが、怒らせたいわけではない。
薫は両手を上げて、肩を竦めて見せた。
「まあま。そうは言ってもこんな忙しい時に、お茶会なんて参加してられませんよ」
「南組は他の組との接点が少ないから、なるべく参加した方が良いのよ。今回のお茶会は、1、2年の各組主力メンバーも概ね参加するし、わざわざそういった目的も考えて招待客は考えているはずだもの」
「そうなんですか?」
気のない返事をする薫に、有沢部長は教え諭すようにゆっくりと話す。
「ええ。多少ユニークな人選でもあったりするけど、ひとまず各組バランス良く集めているわ。茶道部はペア作りも頭に入れているみたいだから、まだ相手のいない方に限ってだけど。交流があると行事毎の意見交換や、助け合いが上手くいきやすくなるでしょう?てっきり光希が伝えたと思っていたんだけど…」
有沢部長は完全に失念していた、という様子で大きなため息をついた。
他の組でも、それにあてる為の時間は割り振られているが、体育祭実行委員会は南組が中心になって立ち上げられて、体育祭での色分けで作られた組での応援団長、組長も南組から選抜される。
当然、陸上部の高村薫も忙しく動き回っていた。
テント設営や、入場門、看板等の設営などから、各体育祭での各競技、応援団の打ち合わせなどなど。
一年生であってもやることは山ほどあるし、こういった行動が好きでもある薫は積極的に動いていた。
ここ数日は放課後の陸上部での練習は朝練だけだ。
体育祭準備に時間を割いているのだが、合間に所用もあり、陸上部部長である有沢綾を見つけると声を掛けた。
すると相手はいるはずのない人物を見たという様に目を見開いて驚く。
「薫さん、あなた茶道部のお茶会に招待されてるんじゃないの?」
「ん?」
その言葉に、意味が分からずに首を傾げる。
お茶会、というと。確か友人である柚鈴が今日、参加しているお茶会のことだろうか?
薫がきょとんとした表情をしていると、有沢部長は困ったような顔を見せた。
「光希が、あなたの分と二通受け取って声を掛けてたと思ったけど」
「ああ…そういえば、何か貰いましたね。あれ、招待状でしたか」
記憶の端で、どうにか引っかかったものを拾い上げた。
そういえば少し前に、部活終わりに先輩の前田光希から何か受け取ったような覚えがある。
特に重要でないと判断したため、そのまま寮の部屋で、適当に置いてしまったが。
つまり、陸上部の一年生で南組トップクラスと名高い薫には、当然のように茶道部からのお誘いがあったのだが、本人が全く興味がなかったので、意識の中にすら残っていなかったらしい。
柚鈴が招待状を貰ったという話も、全くの他人事で聞いていたくらいだ。
有沢部長は当然出席していたと思っていたらしく、困惑しながら確認してくる。
「茶道部の方が出席確認しに来なかった?」
「来た、かもしれませんけど。体育祭準備期間中だったから、断ったんじゃないかな?」
その辺りは全く覚えがない。
ここ数日は、準備が楽しくてそこに熱中していたのだ。
もしかしたら声を掛けられたのかもしれないけれど、覚えがない、ということは、考えることもなく断ったのかもしれない。
どうも何かに集中すると、そこ一点になってしまう薫は、特に気にもせず答えた。
彼女にとっては良くあることだ。
「もう、あなたって人は。光希は来ると思って張り切って参加しに行ったわよ」
「おぉ、それは尚更行かなくて正解ですね」
「薫さん」
大切な後輩に対しての薫の言いようには、流石に温厚な有沢部長も嗜めるように待ったを掛けた。
その言い方は迫力には掛けるが、怒らせたいわけではない。
薫は両手を上げて、肩を竦めて見せた。
「まあま。そうは言ってもこんな忙しい時に、お茶会なんて参加してられませんよ」
「南組は他の組との接点が少ないから、なるべく参加した方が良いのよ。今回のお茶会は、1、2年の各組主力メンバーも概ね参加するし、わざわざそういった目的も考えて招待客は考えているはずだもの」
「そうなんですか?」
気のない返事をする薫に、有沢部長は教え諭すようにゆっくりと話す。
「ええ。多少ユニークな人選でもあったりするけど、ひとまず各組バランス良く集めているわ。茶道部はペア作りも頭に入れているみたいだから、まだ相手のいない方に限ってだけど。交流があると行事毎の意見交換や、助け合いが上手くいきやすくなるでしょう?てっきり光希が伝えたと思っていたんだけど…」
有沢部長は完全に失念していた、という様子で大きなため息をついた。
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