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一難去ってまた…
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ーーー
※三条優紀視点
重い目蓋を開ける、白かった天井はオレンジ色に染まっていた。
まだ頭がボーッとする、ここは何処だ?俺は…
声を出そうとすると若干喉が痛い、なにがあったっけ。
なんで俺、大の字で寝てるんだっけ…必死に記憶を思い出す。
制服は何も異常がなくちゃんときっちり着ている。
顔の横に冷たいペットボトルを置かれて頬がヒヤリと涼しくなる。
冷たい水だ、身体が熱くて汗掻いていたから丁度いい。
あれ…前にもこんな事があったような気がする。
「また口移しで飲ませてやろうか?」
「…自分で飲める」
ペットボトルに触れると冷たくて気持ちいい、キャップを開けて一口喉に流し込む。
喉に流れる冷たい感覚、あの唇の感触でいろいろと思い出した。
そうだ、俺が元カノに振られた時…俺は彼に一度会ったんだ。
顔は正直覚えていなかったが、確か金髪だったかもしれない。
だから何処かで見た事あったのか、そして彼はずっと俺の事を覚えてくれていたのか。
それは申し訳ない事をしたな、あの日失恋した俺に希望を与える結果にさせてくれたのに…
正直俺フラれた事は現実で、トイレでの出来事は夢だと思っていた。
根暗くん?をジッと見つめていると、目が合った。
「なんだ」
「いや、あの時もこうして水くれたよな…言い忘れてたからありがとう」
「やっと思い出したのかよ」
「夢だと思ってたから」
「二度と夢だと思えないくらい激しい口移ししてやろうか」
根暗くん?は俺の顎を掴んでキスしようとしていたから、もう今日はダメだと言った。
そうだった…俺、コイツと触り合いもしたんだっけ…しかもキスも何度もして…
あの時は夢中になってたが今思うと穴から出たくないほど恥ずかしい。
男同士なのに、俺はノーマルなのに…ぶん殴って逃げれば良かったのに、されるがままだった。
なんでだろうな、やっぱ男だから本能が勝るのか。
彼とは昔あった事以外にも疑問が残っている。
なんか只者じゃないオーラがあるが、何者なんだ?結構上手かったし…
金髪に碧眼の見た目王子みたいだけど…ハッ…もしかして…
「お前、もしかして芸能人?」
「…何だよ今さら気付いたのか、おせぇよ…名前は本名明かしてないから気付かないだろうけど顔で分かるだろ」
「………そういうの見た事ないから悪かったよ」
「ちなみに聞いておくけど、俺は何だと思ってる?」
「AV男優」
根暗くんの蹴りが来て条件反射で避ける、当たったらとても痛いだろう。
えっ、違うのか!?だってあんなに上手いとそうなのかと…
いやでもさすがに未成年出したら犯罪か、じゃあやっぱり経験の差か…悔しい。
エロ本もAVも存在は知ってるが買う勇気はなくて見た事ない。
なんか他人のを覗き見してるみたいで罪悪感が凄くなるからな……だから未だに童貞なのかな、もう高二なのに…
いったいこの根暗くん?は何者なんだ、考えても答えは出なかった。
「それで根暗くんの正体は?」
「……なんだその根暗くんって」
「えっ、いや…はははっ」
言えない、自己紹介していた時…俺は全く聞いていなかったなんて…
ただ周りがうるさいなくらいにしか思っていなかった。
目を逸らし誤魔化していると根暗くん?はため息を吐いた。
根暗と呼ばれていい気分になる奴なんていないからな。
芸能人だと思えばテレビで見た記憶はあるかもしれない。
でもそれほどテレビを見ないから名前までは分からない。
朝、学校に行く前にニュースを流し見しながらコーヒーを飲むくらいだからな。
紫乃だったらそういうの詳しそうだけど、勝手に他の人に話すのも悪い。
根暗の格好だって彼にとっては意味があるものだろうし…
自分で考えるしかないか。
他に芸能人といったら、うーんなんだろう……テレビに出ない芸能人…
テレビに出る芸能人すら分からない俺が、分かるわけがなかった。
いつの間にか元の根暗スタイルで、どっちが本物か脳がバグりそうだ。
さっきまでの綺麗な彼を隠すなんて、凄いかつらだな。
髪の毛が一本一本繊細で、触り心地よさそうな髪。
……かなり高いだろうな、値段。
調べた事がないから相場とかは分からないが、何となくそう思った。
かつらって面倒そうだけどずっとその格好で過ごすのか。
第三者から見ても前が見えていなさそうに感じる。
よほど正体を知られたくないのが分かる。
「お前、俺の自己紹介聞いてなかったんだな」
「…わ、悪い」
「一度しか言わねぇからよく聞いとけよ」
※三条優紀視点
重い目蓋を開ける、白かった天井はオレンジ色に染まっていた。
まだ頭がボーッとする、ここは何処だ?俺は…
声を出そうとすると若干喉が痛い、なにがあったっけ。
なんで俺、大の字で寝てるんだっけ…必死に記憶を思い出す。
制服は何も異常がなくちゃんときっちり着ている。
顔の横に冷たいペットボトルを置かれて頬がヒヤリと涼しくなる。
冷たい水だ、身体が熱くて汗掻いていたから丁度いい。
あれ…前にもこんな事があったような気がする。
「また口移しで飲ませてやろうか?」
「…自分で飲める」
ペットボトルに触れると冷たくて気持ちいい、キャップを開けて一口喉に流し込む。
喉に流れる冷たい感覚、あの唇の感触でいろいろと思い出した。
そうだ、俺が元カノに振られた時…俺は彼に一度会ったんだ。
顔は正直覚えていなかったが、確か金髪だったかもしれない。
だから何処かで見た事あったのか、そして彼はずっと俺の事を覚えてくれていたのか。
それは申し訳ない事をしたな、あの日失恋した俺に希望を与える結果にさせてくれたのに…
正直俺フラれた事は現実で、トイレでの出来事は夢だと思っていた。
根暗くん?をジッと見つめていると、目が合った。
「なんだ」
「いや、あの時もこうして水くれたよな…言い忘れてたからありがとう」
「やっと思い出したのかよ」
「夢だと思ってたから」
「二度と夢だと思えないくらい激しい口移ししてやろうか」
根暗くん?は俺の顎を掴んでキスしようとしていたから、もう今日はダメだと言った。
そうだった…俺、コイツと触り合いもしたんだっけ…しかもキスも何度もして…
あの時は夢中になってたが今思うと穴から出たくないほど恥ずかしい。
男同士なのに、俺はノーマルなのに…ぶん殴って逃げれば良かったのに、されるがままだった。
なんでだろうな、やっぱ男だから本能が勝るのか。
彼とは昔あった事以外にも疑問が残っている。
なんか只者じゃないオーラがあるが、何者なんだ?結構上手かったし…
金髪に碧眼の見た目王子みたいだけど…ハッ…もしかして…
「お前、もしかして芸能人?」
「…何だよ今さら気付いたのか、おせぇよ…名前は本名明かしてないから気付かないだろうけど顔で分かるだろ」
「………そういうの見た事ないから悪かったよ」
「ちなみに聞いておくけど、俺は何だと思ってる?」
「AV男優」
根暗くんの蹴りが来て条件反射で避ける、当たったらとても痛いだろう。
えっ、違うのか!?だってあんなに上手いとそうなのかと…
いやでもさすがに未成年出したら犯罪か、じゃあやっぱり経験の差か…悔しい。
エロ本もAVも存在は知ってるが買う勇気はなくて見た事ない。
なんか他人のを覗き見してるみたいで罪悪感が凄くなるからな……だから未だに童貞なのかな、もう高二なのに…
いったいこの根暗くん?は何者なんだ、考えても答えは出なかった。
「それで根暗くんの正体は?」
「……なんだその根暗くんって」
「えっ、いや…はははっ」
言えない、自己紹介していた時…俺は全く聞いていなかったなんて…
ただ周りがうるさいなくらいにしか思っていなかった。
目を逸らし誤魔化していると根暗くん?はため息を吐いた。
根暗と呼ばれていい気分になる奴なんていないからな。
芸能人だと思えばテレビで見た記憶はあるかもしれない。
でもそれほどテレビを見ないから名前までは分からない。
朝、学校に行く前にニュースを流し見しながらコーヒーを飲むくらいだからな。
紫乃だったらそういうの詳しそうだけど、勝手に他の人に話すのも悪い。
根暗の格好だって彼にとっては意味があるものだろうし…
自分で考えるしかないか。
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テレビに出る芸能人すら分からない俺が、分かるわけがなかった。
いつの間にか元の根暗スタイルで、どっちが本物か脳がバグりそうだ。
さっきまでの綺麗な彼を隠すなんて、凄いかつらだな。
髪の毛が一本一本繊細で、触り心地よさそうな髪。
……かなり高いだろうな、値段。
調べた事がないから相場とかは分からないが、何となくそう思った。
かつらって面倒そうだけどずっとその格好で過ごすのか。
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