ハニードロップ

蜜柑大福

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雰囲気に呑まれて

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「ん、ん…あ、んぅっ」

「んっ…もっと舌出せ…はぁ」

言われるままに舌を恐る恐る出すと、重ねてきた。

胸に手が触れて、乳首が押される感じが変な気分になる。

少し動くと怖くて、根暗くん?の腕を掴んだ。

俺は男なんだから、そんなところ感じたりしない。

興奮している今、説得力なんて微塵もないけど。

根暗くん?も分かっているのか、軽く鼻で笑われた。

ムッとしたが、手を離してくれてホッとした。

今何時だろう、夢中になってキスをしてるから分からない。

まさか、ここでファーストもセカンドもその次も終わらすとは思わなかった。

さっきはしないと頑なだったのに、快楽に弱すぎだろ…俺。

ご褒美ってこんなのでいいのか?…いや、男とキスでこのくらいとか思い始めている俺は麻痺してんのかもしれない。

男とキスとか想像しただけで鳥肌もんなのに根暗くん?とのキスは全然気持ち悪くない。

むしろ、気持ちいいと思うのはやっぱり可笑しいのだろうか。

キスが上手いからってのもあるが、何だろう…知っているような安心感がある。

男とキスをしたのは初めての筈なのに、俺…変だな。

荒々しくなく、優しく大切に扱うようなキスだ。

いつの間にか根暗くん?の首元に腕を回していた。

これじゃあ俺からねだっていると言われても言い訳出来ない。

なにかにすがってないとダメだった…ヤバい、さっきよりも主張が…

隠すように両足を少し前に出すと、男は笑みを浮かべていた。

「はぁ、ふっ…キスされて勃つとかエロい奴だな」

「なっ!お前こそエロいフェロモン出してんじゃねぇよ」

「…意味わかんねぇよ」

俺ばかりエロいと思われるのは嫌だ、先にエロいキスしてきたのはそっちなのに…

本当に同じ歳なのか疑いたくなるほどのフェロモン。

自分ではフェロモンなんて分からないから仕方ないのか、首を傾げていた。

俺にはそんなものはない、余裕そうで悔しい。

根暗くん?の声が掠れて息が熱く、シャツから覗く胸板とか結構ヤバいフェロモン出してるぞ。

それに勃ってるって人の事言えんのかよ、視線を少し下げるとズボンを押し上げているものが見える。

根暗くん?に触られたけど、俺だって気付いてるからな!

どうやったら、その余裕な顔を崩せるだろうか。

やっぱり弱点は急所だって決まってるよな。

根暗くん?の下半身に触れるとビクッと驚き少し大きくなるのを感じた。

…え、何これ…自称普通サイズの俺よりデカいとか本当に高校生かよ。

他の人のは見た事ないが、俺のだって小さくない筈だ…多分。

なんか負けた気がして、腹が立つなと握った。

少し強く握り過ぎたのか手を叩かれた、ヒリヒリ痛い。

自分のとは違ったから力加減間違えた、ごめん。

あれ?根暗くん?目が据わってない?怖いんだけど…

息も荒くなっているような気がするが、気のせいだよな。

「お前それ無意識なら今すぐやめろよ、襲うのが俺で良かったな」

「は?なに…んんっ!!」

早口で何を言っているのか分からず、強引に腕を掴まれた。

顎に触れられて、そのまま引き寄せられた。

また唇を塞がれて、今度は余裕がない荒々しいキスをされた。

根暗くん?の手が俺の太ももを撫でて、中心に指が当たる。

たったそれだけで、身体がビクビクと反応してしまう。

足を閉じようとするが真ん中に根暗くん?の身体があり閉じられないどころか足を開かされてしまった。

俺の下半身が露になり、顔に熱が集まってくる。

恥ずかしい格好でやめるように根暗くんがやらしく太ももを触る手を掴んだが全く止めようとせず動きが大胆になってきた。

俺のたどたどしい触り方ではなく、迷いない手の動きだった。

固くなった俺のを撫でて快楽を与える動きになった。

俺の息がだんだん乱れてきて、根暗くん?の腕にしがみつく。

さっきはこんなにも直接擦るような動きじゃなかったから、何とか余裕があった。

自慰はするが誰かにそんなところ触られた事はない。

これじゃあ童貞に見られる、童貞ではあるけど。

予測出来ない他人の手の動きに翻弄される。

息もだんだん荒くなり、自分の常識が分からなくなってくる。

あれ、これって友人同士でも普通なんだっけ。

違うなら、なんで今こんな事をしているんだ?

根暗くん?は疑問に思わないのか?可笑しいのは俺だけ?

「さっき、お前が言っていた事…少し分かった」

「んぅ…えっ?」

「お前、エロいな」

俺の顔を覗き込みながら、さっきよりもセクシーな雰囲気を漂わせていた。

それはお前だろ、と言う元気はもうなかった。

その声でちょっとイってしまったのは内緒。

キスでまたボーッとなりズボンのジッパーを下ろす音がやけに大きく耳に響いた。

スローモーションで動いているように見えて、恥ずかしい。

「触り合いすればお互い気持ちいいだろ?」

「…う、ん」

何を言っているのかよく分からなかったが頷いた。

ただイきたい、それだけが頭をぐるぐると支配していた。

根暗くん?もズボンをずらしてやはり俺よりもデカいものを見せた。

さっきよりもさらに大きくなっていて、しかもどうせ非童貞なんだろ!…一つも勝ってなくてイライラする。

「見すぎだ」と頭を叩かれた、お前もなと言いたいがその言葉は先同士の擦れ合いで飲み込んだ。

熱くて溶けてしまいそうだ、腰に甘い痺れを感じる。

お互いの先走りがぬるぬるして糸を引いている…ヤバい…視覚もヤバい。

根暗くん?は2つまとめて片手で擦って快楽を与えているが、もう片方の手は必要以上に俺のを弄ぶ。
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