夢花、君に

めでんノベルチーム

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⑤ 運命の人

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⑥ 度会夢花



夢花「やっぱりあの時の人だったんですね」

偶然にしては不思議な巡り合わせだな、と夢花は感じた。同時に無性に話をしたくなった。

夢花「あの、お時間ありますか?」
恵介「まぁ、ありますけど」
夢花「よかった。少し話し相手をしてもらえませんか?」

夢花は本当に嬉しそうな顔をしている。

恵介「俺でよければ、はい」
夢花「じゃまだ、お互いにどういう人なのかわかってないから、自己紹介…します?…しましょう!」
恵介「…わかりました」
夢花「まず私から…名前は“わたらい・むうか”、渡って会って夢の花って書くの。埼玉県日高市生まれ、彼岸花で有名なとこね。で私は兄弟姉妹はいない、一人っ子だよ。スポーツが大好きで小学校からずっとバスケをやってたの。それでね?中学1年の夏休み明けの中体連でね、県大会の試合の途中にいきなり心臓に激痛がはしってその場で倒れたの。で、救急車で搬送されて病院に運ばれて、それから今まで入院中ってわけよ。…まぁ、私の紹介はこんなとこかなぁ」
恵介「…なるほどな。…うん。今度は俺ですね。まず名前は“さくらい・けいすけ”と言います。歳は22、2歳上の兄と1歳下の妹がいます。あ…夢花さんの話を聞いてビックリしたんですけど、実は俺もバスケやってたんですよ」
夢花「あ、そうなんですか。共通の話題になりますね」
恵介「…続きいいかな?」
夢花「…はい…」
恵介「俺は勉強よりスポーツのほうが好きだから、高校卒業後はゼビオに就職して今ではブルースゼビオの社員になってます。…そんなところです」
夢花「恵介さん、私、なんか初めてあったような気がしなくて…病院のロビーで恵介さんと目が合った時も、妙に心に残ってて、なんか不思議な気持ちを感じました」
恵介「実は俺も夢花さんと一緒ですけど目が合った時に、俺の心に何かが生まれた気がしたんです。上手く言えませんけどね。それで、夢花さんに吸い寄せられるように偶然が重なるようにして今、夢花さんと話しているのかも知れません。夢花さんは神様が与えてくれた運命の人なのかもしれない…」
夢花「恵介さん…嬉しい…もう少し恵介さんと話してみたいです…いろんなところに行ってみたいです…あと食事もしてみたい…」
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