Rikakoさん

めでんノベルチーム

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②⑧ 個室で

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33リカコさん・令和元年6月20日



雰囲気のある部屋で私はものすごくわくわくしている。部屋内に注意書きが書いてあった。
『使用部屋の間違い防止のため、必ず内側から鍵をお閉めください。尚、当店スタッフはノックさせていただき入室いたします。その際、ロック解除の必要はありません』

私「ケイ、はやく座ろ?」
ケイ「いやぁ、本当に雰囲気のある部屋だよ」
ケイ「少しリカとゆっくり話がしたくなって、だからこの珈琲屋にきたんだよ」
私「私も話したかったの」
ケイ「そうか、ならちょうどよかったんじゃないかな」
私「それでね…」

『コンコン』
ドアをノックされた。店員が来たようだ。
『ガチャッ』
店員「お客様ご注文のコーヒーをお持ちいたしました…はい、こちらがブルースマウンテンのブラックになりますね、追加のご注文がありましたら、テーブル設置のボタンでお呼びくださいませ。それとこちらの注意書きをよくお読みください」
ケイ「見ました」
店員「ありがとうございます…それではごゆっくりどうぞ」

ケイは『ロックする』と表示されたタッチパネルを押した。タッチパネル画面の右下には『ブルース松下産業』の表記があった。
ケイはロックした後、私の脇に静かに座った。そしてひと息。

ケイ「コーヒーさっそく飲もうか」
私「うん、いただきます」

まずは一口。口いっぱいに香ばしさが広がる。

私「…やっぱりブルース珈琲屋のコーヒーはいつ飲んでもおいしいね、ケイ」
ケイ「当たり前だな、美味しいに決まってる…ま、コーヒーは置いといてだな」
私「ん?」
ケイ「リカ、先の話になるけど、俺と将来についても真剣に考えているのか?本当に俺でいいのか?俺はリカと真剣にこの先も付き合っていきたいと思っているんだ。ただリカはどうなんだ?リカの本当の気持ちを聞かせてほしい…」
私「…うーん」
私「正直言うと最初はあんまりいい印象ではなかったかな…おんなに対しなれなれしいというか、信用ならないなと思ってたの。私の友達もね?リカは遊ばれてるよって心配してくれる人もいたの」
ケイ「そうか…俺そういうふうに見えるんだ」
私「ああ、最初!最初!最初だけだからね!」
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