勇者に溺れた魔王様

世夜

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史上最恐の魔王

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「魔王様、北方は制圧できました。」
「魔王様、第六の海は未だ交戦中ですが、もう決着はつくかと…」
「魔王様!今、第六の海を争う我が部隊が、人間軍に勝ちました…!」
「そう…報告ありがとう…みんな自室で休みなさい…。我は現地に人間への伝言を送るわ。」
鼻をつんざくバラの匂いが、部屋中に漂うと同時に暗闇に染まった。
「「人間どもに告ぐ…。我らに屈しろ。さすれば命は取らない。我は人間の血が嫌いなのだ。汚くて…汚くて…。我に血を見せるなよ。完全に屈せよ…愚かな人間…。」」
部屋はシンと静まり返り、我の魔力の霧が晴れた時には部屋には誰もいなかった。我の親友を除いては。
「はぁ…。今宵の月も明るいのに、貴方の顔はお暗いわね…」
「シエラ…」
「はぁ…。どうしたの?疲れてるんじゃない?………ちゃんと寝てる?」
「寝てるよ…。」
「魔王史上…いえ、魔界史上イチの頭脳を持ち、魔力を持ち、体力を持つ。その正体はこんな小さな女の子…。人間の年だと17位じゃないの…?私も同い年で秘書してるから何も言えないけどね。」
近くにあったソファに腰をかけた。顎を引き、頬杖をつき、睨むように細い目に、試すような笑みを浮かべ、我の方を見ている。
「嫌味か…?喧嘩なら買うぞ。」
「まさか!ラディの力は私がイチ番よく知ってるし、喧嘩なんかしたら大騒ぎになって、今までの苦労が水の泡でしょ…?あんなに魔法で声変えたり幻を出したりしてたのに。そんなデメリットしかないこと私はしないわ。」
そう言って、シエラは自分の杖を器用に回し、こちらにむけた。
「くふふっ…。アンタは変わんないな…。我は辛いぞ…。」
「さっきの伝言も。ラディ、いつもなら構わず殺すし、人間の血は大好物でしょ、ラディなんかおかしいよ?」
「我な…。恋というものを知ったのだ。………人間を相手に。」
「…………は……い……?」
「好きになったのだ。勇者、シャインを……。」

この時シエラはどう思ったのかな…。怖くて聞けなかったけど、聞いておけば良かったかな。
これは私の物語。魔王、ルーラ・ディアラと、勇者、シャイン。そして、私の親友シュ
メリア・エディアラの物語。どうぞ足を止めて、お聴きください。
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