勇者に溺れた魔王様

世夜

文字の大きさ
4 / 19

幹部会議

しおりを挟む
「まぁ、それはそれとして…何か忘れてないでしょうか?魔王様?」
「え…どうしたのだ急に…、仕事の口調で…。」
「仕事だからですよ。今から年に数回しかない重大な幹部会議があるのですから。」
「あ~…そうだったね~…同窓会があったね~…」
「魔王様にとっては同窓会でも、魔族にとっては今後が決まる大事な会議です。早く行きましょう。」
「心得ている。魔の民の為だ。遅れるわけにはいかん。急ぐぞ。」 
薔薇の匂いを身にまとい、みんなの望む魔王の姿に化けた私は、急いで会議場所に向かった。
「遅れた。すまない。」
「えー!魔王が遅れちゃダメっしょ!?ヤバー!」
「もう始まるわ。早く席についてちょうだい。」
「それでは、司会進行は私が努めさせていただきます。」
「はーい」
「それでは、まずは紹介から。
魔の力を持つ木々を守る者…リンジュ・フォリスト    通称、リン
魔の力を持つ大海の制御を行う者…マリン・ゴ・ディラン    通称、マリン
魔の力を持つ炎の指揮者…フレイアルニスト・セラギロン    通称、フレア
魔の力を持つ大空を束ねる者…スカウェイラルス・ラシュイル     通称、ラルス
そして私、全ての魔の力を持つ者の心を支配する者であり、魔王様の側近…シュメリア・エディアラ   通称、シエラ。この者ら5名と魔王様、合計6名で行います。」
「正直コレ同窓会だよなぁ~」
「フレア!先程からこの会議に不適切な口調に発言…やめてくださいますにゃ?」
「あはは!猫魔族の部分が出てるぞー。………そうカリカリすんなって、マリン。ラルスからも何か言ってくれよ。」
「…ふざけてるフレアが悪い…と思う…」
「そうよね!?ほら、ラルスだってこう行ってるわ!」
「あの…早く始めようよ…?時間が勿体無いよ…?」
「リンの言う通りだわ。司会として、これ以上続けるのなら、私は貴方方をしなければいけなくなります。私語の慎みを。」
「まぁまぁ、そういうなよ。折角顔を見せて話せるんだ。喧嘩にならないようにしようぜ?」
「この中ではフレアが一番喧嘩起こしそうだけどねー。」
「いえてるわね…!」
「ああ…そうだな。じゃあ会議を始めようか」
「まずは………なんだっけ?」
「確か呪いの森に光が当たって魔力が逃げるのを何とかして欲しい…でしたね」
「木とか空関係ならラルスとリンですね。お願いできますか?」
「ん…。やってみる。」
「わかったわ。出来るだけしてみるね。」 
「ありがとう。じゃあ、次は………」
その後も順調に話し合いが進み、それぞれの担当が決まった。
「それでよ、ラディ。魔王様のがいいか?…まあいいや。ラディ、お前さなんか俺らになんか隠してねぇか…?元気ねぇぞ?」
「貴方も女の子なんだから俺とか使うんじゃにゃいわ!……でも確かに、何か隠してるわね?そう感じるわ。」
「ラルス…も。」
「やっぱりそうよね。私も気になっていたの。」
「あ…あ……」
みんなの視線がこちらに向けられる。きっと返答を待っているのだろう。いつもなら大口を叩くのだが、今回はとても恐ろしく感じた。
「わ…私…」
静かにジッとこっちを見ている。
「私…勇者に恋をしたのだ!!!」
「………ん…?」
「え…待って、勇者?……マジで?」
「ああ…そうだ…。」 
みんなは顔を見合わせている。殺されるだろうか?
「マジで…!?ラディヤベェな!尊敬するわ~」
「………え?」
「この状態でそれ言えるのすごいねぇ。」
「幹部してるけど、正直人間はどうでもいいのよね。害があるないは種族関係ないと思うのよ。」
「そうだねえ…ジジイどもが争ってたのは知ってるけど正直そんなん知るか!って感じだしなぁ…」
「私は応援しようと思うよ。だって魔族はそんな感情、なかなか抱けないからね。頑張ってね。」
「ん…ラルスも味方。……多分ここにいるの全員味方。」
「みんな…ありがとう。」
「でも、ここではいいけど、他の人はきっと許さないから軽々しく発言しちゃダメよ。」
「う…。肝に免じておくよ…。」
「……良かったわね。ラディ。」
「シエラ…!」
私は幸せ者だったんだ。あの日が来なければきっといつまでも幸せだったんだと思う。私は、自ら幸せを手放したんだ。………あの日に。シエラ…本当にゴメンね…
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...