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第1章
アダマスの鎌のその後、1
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私クロノスは、つい最近のことだが隠居宣言をした。理由は簡単だ、私の子供たちである次世代が私を倒した。いや、救い出してくれたともいうな。
私自身、ウラノスの呪いによって封じ込められていたとはいえアイツ達には悪いことをした。だからもう私は居なくてもいいだろう、そう思た。もうこれ以上責任を押し付けられるのも面倒だし。
他のやつらはこの隠居宣言でてんやわんやしているだろうが私にはもう関係ない。全ての神やニンフ達の前で宣言したし、理由も話したんだ。もうほっといてほしい。
そして今現在、私はヘパイストスという鍛冶の神の鍛冶場で私の愛用のアダマスの鎌が形を変えていくところを隣で眺めているのだが時折、火の粉が飛んでくる。痛い。
「おい、そこの布取ってくれ。」
なぜ私がここにいるのかというと以下の通りだ。
「おい、聞いてんのか?」
私は神々の王の座を降りた(蹴り落されたともいうが)その結果、本来は力の象徴であるアダマスの鎌は没収させる予定だった。
が、いい機会なのであいつにそろそろ働いてもらおうと思ったのでアダマスの鎌が必要になったため返してもらった。しかし、自分の子供に頭を下げるのは複雑だった。おまけに
「その代わりに、その鎌がジジイのだって分からない形を変えろ。あと、鎌を返したことは機密情報だからな」
と言われて代わりに膨大な金を払うことになったのにさらに変形させる代金も私持ちというオチが付いてた。だが、まさかあいつ達もいきなり本気で隠居するなんて考えてなかっただろうな。すまんな、我が息子たちよ。あとは任せた……
ドゴッ!
「おい!! 聞いてんのかジジイ!!」
「痛っ、殴ることないだろへパちゃん」
「へパちゃんやめろ。布!」
「はいはい、どうぞ」
「分かってんならとっと渡せ!」
「はいはい、無視して悪かったよ。へパちゃん」
「はい、は一回にしろジジイ! あと、そのへパちゃんやめろ。栄養剤じゃねーんだからよ」
えー、ぺパちゃんってかわいい呼び名だと思うんだがな……
「おい、つまみ出すぞジジイ」
ジョークです。ジョーク
「ところで、もう完成したのか?」
「いや、あと少し……よし、あと装飾を付けるだけだ。9割だが終わったぞ」
ヘパちゃんの方を見ると持っていたのは……鎌?
「おい、これは何だ? 鎌じゃないぞ。ハルバードか?」
ハルバードとは、長い取手の先に斧頭がついていて反対側にも突起がついている武器だ。しかし、これは何だ? 長い手持ちの鈎柄には棘の付いた護拳部が付き、その先には大きな鉈のような刃が付いていて、反対側は突起……ではなく剣? いや刀が正解か? ついでに護拳部の方の先端にも短めの、けど鋭い輝きのあるクリスタルらしき把突が付いてる。だとするとハルバードよりも方天画戟に近いような……
「これはな、ワシが考えた最強の武器の創造を現実化させたモンだ!!」
「はぁ?」
はい?……ワンモワプリーズ。
「この前にな、ネットで『ぼくのかんがえたさいきょうのぶき』ちゅーもんを見つけてな。そこでワシは思った。『ワシならもっとすごいモンを作れる!!』 ってな」
そうだろうな。なんせ鍛冶の神。
「しかし、そんなもん造ったらゼウスに没収されちまう。そんなとこに降って湧いたあんたの話だ! これならワシが何を造っても文句を言われんし、アダマスの鎌をいじり放題だからな。本当はここまで大きくなる予定はなかったんだが鎌に使われていた金属が思ったより多くてな、さらに改良を重ねさねたし装飾もレベルアップさせた。色は黒のままだから安心しろ」
「はぁ……」
「いいか? まず、鎌ちゅーもんは見た目は恐ろしいが戦闘では役に立たん。不便だ」
はい、確かに。ウラノスの息子さんをチョッキンするのも大変でした。
再会した時に親に盾突いたことではなく、スパッとではなくゆっくりだったことに文句をいわれたぐらいですから。
「そこで鉈の形に変更させてもらったぞ。さらに、反対側には刀を付けさせてもらった。斬って良し、刺して良しだ」
おぉ、すごい。既に原型を留めていない。
「鈎柄の長さはお前さんの今現在の身長に合わせ、掴むとこには滑り止め加工をして護拳部を付けた。しかもただの護拳部ではない。棘付きだ。敵の攻撃を防ぎ、尚且つ僅かだが傷を負わせることも可能だ」
ヘパちゃんが棘を撫でながらさらに説明する。どこの方向にいったらそうなるんだ?私は厨二病キャラではないんだか。
「さらに双頭槍のように刃が付いている方の逆の部分にも装飾兼突くためにダイヤモンド製の把突を付けた。見た目も綺麗じゃろ?」
軽く叩きながら説明されて把突を見せられる。これダイヤモンドだったのか。
でも、ここまでしろとは誰も言っていないぞ。あと先も言ったが代金は私が払ってるんだ。全額前払いだった。しかもその代金はこれに化けていたってことか……
「勿論、それだけが装飾ではない。刃の方に金で武器の名をギリシャ文字で入れてやるぞ。あとは直径50mmのロングリングチェーンを2m付けた。腕に巻けば振り回すこともできるぞ。だか先にお前さんが鬱血する可能性が高いけどな」
……もう知ない。聞きたくない。あと、鬱血って言ってるけど確実に腕を持って行かれるだろ。
「正直ここまでくるとちゃんと扱えるかはしらん。だが、変形させるということはやったんだ。だからワシはこの武器にケチを付けられる筋合いはない!!」
「私の意志は無視なのか?」
私が物思いに耽っている間に私の鎌がヘパちゃんの妄想の犠牲になっていた。項垂れたくもなる。嗚呼、可哀そうな私のアダマスちゃん……お前は進化どころか退化でもなくヘパイストスの妄想の産物にされてしまった。大丈夫、捨てはしない。ちゃんと慣れるまで頑張るからな。でも、ここまでするのは酷い。
私はへパちゃんに悪影響を及ぼしたネットに文句を言いたくなった。
私自身、ウラノスの呪いによって封じ込められていたとはいえアイツ達には悪いことをした。だからもう私は居なくてもいいだろう、そう思た。もうこれ以上責任を押し付けられるのも面倒だし。
他のやつらはこの隠居宣言でてんやわんやしているだろうが私にはもう関係ない。全ての神やニンフ達の前で宣言したし、理由も話したんだ。もうほっといてほしい。
そして今現在、私はヘパイストスという鍛冶の神の鍛冶場で私の愛用のアダマスの鎌が形を変えていくところを隣で眺めているのだが時折、火の粉が飛んでくる。痛い。
「おい、そこの布取ってくれ。」
なぜ私がここにいるのかというと以下の通りだ。
「おい、聞いてんのか?」
私は神々の王の座を降りた(蹴り落されたともいうが)その結果、本来は力の象徴であるアダマスの鎌は没収させる予定だった。
が、いい機会なのであいつにそろそろ働いてもらおうと思ったのでアダマスの鎌が必要になったため返してもらった。しかし、自分の子供に頭を下げるのは複雑だった。おまけに
「その代わりに、その鎌がジジイのだって分からない形を変えろ。あと、鎌を返したことは機密情報だからな」
と言われて代わりに膨大な金を払うことになったのにさらに変形させる代金も私持ちというオチが付いてた。だが、まさかあいつ達もいきなり本気で隠居するなんて考えてなかっただろうな。すまんな、我が息子たちよ。あとは任せた……
ドゴッ!
「おい!! 聞いてんのかジジイ!!」
「痛っ、殴ることないだろへパちゃん」
「へパちゃんやめろ。布!」
「はいはい、どうぞ」
「分かってんならとっと渡せ!」
「はいはい、無視して悪かったよ。へパちゃん」
「はい、は一回にしろジジイ! あと、そのへパちゃんやめろ。栄養剤じゃねーんだからよ」
えー、ぺパちゃんってかわいい呼び名だと思うんだがな……
「おい、つまみ出すぞジジイ」
ジョークです。ジョーク
「ところで、もう完成したのか?」
「いや、あと少し……よし、あと装飾を付けるだけだ。9割だが終わったぞ」
ヘパちゃんの方を見ると持っていたのは……鎌?
「おい、これは何だ? 鎌じゃないぞ。ハルバードか?」
ハルバードとは、長い取手の先に斧頭がついていて反対側にも突起がついている武器だ。しかし、これは何だ? 長い手持ちの鈎柄には棘の付いた護拳部が付き、その先には大きな鉈のような刃が付いていて、反対側は突起……ではなく剣? いや刀が正解か? ついでに護拳部の方の先端にも短めの、けど鋭い輝きのあるクリスタルらしき把突が付いてる。だとするとハルバードよりも方天画戟に近いような……
「これはな、ワシが考えた最強の武器の創造を現実化させたモンだ!!」
「はぁ?」
はい?……ワンモワプリーズ。
「この前にな、ネットで『ぼくのかんがえたさいきょうのぶき』ちゅーもんを見つけてな。そこでワシは思った。『ワシならもっとすごいモンを作れる!!』 ってな」
そうだろうな。なんせ鍛冶の神。
「しかし、そんなもん造ったらゼウスに没収されちまう。そんなとこに降って湧いたあんたの話だ! これならワシが何を造っても文句を言われんし、アダマスの鎌をいじり放題だからな。本当はここまで大きくなる予定はなかったんだが鎌に使われていた金属が思ったより多くてな、さらに改良を重ねさねたし装飾もレベルアップさせた。色は黒のままだから安心しろ」
「はぁ……」
「いいか? まず、鎌ちゅーもんは見た目は恐ろしいが戦闘では役に立たん。不便だ」
はい、確かに。ウラノスの息子さんをチョッキンするのも大変でした。
再会した時に親に盾突いたことではなく、スパッとではなくゆっくりだったことに文句をいわれたぐらいですから。
「そこで鉈の形に変更させてもらったぞ。さらに、反対側には刀を付けさせてもらった。斬って良し、刺して良しだ」
おぉ、すごい。既に原型を留めていない。
「鈎柄の長さはお前さんの今現在の身長に合わせ、掴むとこには滑り止め加工をして護拳部を付けた。しかもただの護拳部ではない。棘付きだ。敵の攻撃を防ぎ、尚且つ僅かだが傷を負わせることも可能だ」
ヘパちゃんが棘を撫でながらさらに説明する。どこの方向にいったらそうなるんだ?私は厨二病キャラではないんだか。
「さらに双頭槍のように刃が付いている方の逆の部分にも装飾兼突くためにダイヤモンド製の把突を付けた。見た目も綺麗じゃろ?」
軽く叩きながら説明されて把突を見せられる。これダイヤモンドだったのか。
でも、ここまでしろとは誰も言っていないぞ。あと先も言ったが代金は私が払ってるんだ。全額前払いだった。しかもその代金はこれに化けていたってことか……
「勿論、それだけが装飾ではない。刃の方に金で武器の名をギリシャ文字で入れてやるぞ。あとは直径50mmのロングリングチェーンを2m付けた。腕に巻けば振り回すこともできるぞ。だか先にお前さんが鬱血する可能性が高いけどな」
……もう知ない。聞きたくない。あと、鬱血って言ってるけど確実に腕を持って行かれるだろ。
「正直ここまでくるとちゃんと扱えるかはしらん。だが、変形させるということはやったんだ。だからワシはこの武器にケチを付けられる筋合いはない!!」
「私の意志は無視なのか?」
私が物思いに耽っている間に私の鎌がヘパちゃんの妄想の犠牲になっていた。項垂れたくもなる。嗚呼、可哀そうな私のアダマスちゃん……お前は進化どころか退化でもなくヘパイストスの妄想の産物にされてしまった。大丈夫、捨てはしない。ちゃんと慣れるまで頑張るからな。でも、ここまでするのは酷い。
私はへパちゃんに悪影響を及ぼしたネットに文句を言いたくなった。
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