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第1章
Is this a criminal group?(これは犯罪集団ですか?) No, it's a guild.(いいえ、それはギルドです)
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「ハーァイ! みんなのアイドル新月ちゃんでーす! 朝食よーし、ゲルも片付けた! さぁいざ行かん。王都へ!!」
「新月出発するぞ。石に片足乗せてポーズ決めても木しか見えないから意味がないぞー」
ゲルを私とハリスが片付けているというのに石に片足を乗せて船乗りがやる格好付けポーズで木に向かってドヤ顔をしてるアホがいる。置いて行くのは……駄目か。
「何だよ~。少しぐらいカッコつけたって良いじゃないか。そこは『いざ、出発!』とか言って欲しい」
新月が口を尖らせながら石から降りて戻って私の脛に蹴りを入れる。地味に痛い。
「私に当たらないでくれ、ギルドに行くんだろう? ついでに昨日採ったコアを売って調味料とか必需品を買わないと」
「はーい、本来の目的も果たしたいでーす! 今までクロに全部出して貰ってるから旅の意味が無くならないようにいろいろと買い漁りましょう!」
「ならいい。ささっと行くぞ」
「え? 少し待って下さい。一つ質問があるんですけどいいですか?」
ゲルを【無限の胃袋】の中に仕舞って本来の目的を改めて再確認をしているとハリスが私達に質問をしてきた。
「簡単に出発とか言ってますけど、どうやって首都のボーセンブーメンに行くんですか? ここはヴェレンボーンの一番北にある山なんです。馬車なら大回りしたり山超えたりしても王都には一ヶ月から二ヶ月ぐらいはかかるんですよ! 見たところ馬車も無いのにどうするんですか?」
ハリスがもっともな意見を言う。確かにトワフと王都のボーセンブーメンまでは距離がある。
ヴェレンボーンはオージュンの次に多い大陸で広大だ。裕福な人間ならこんな距離は馬車を使ったり、人を乗せて飛べる魔物でも買って使うだろう。それが出来ない農民は大体歩く。
しかし、歩くにも時間がかかる。馬車で一ヶ月から二ヶ月。歩いたら三ヶ月ぐらいはかかると調べたらでてきた程だった。真反対の方角に王都があるにしろ山々や底無し沼、魔獣の巣窟があるせいだ。荷物があるとさらに長くなるだろう。
普通の人間ならよし出発! で出発なんか出来ない。そう普通の人間なら……
「新月、あれ見せてやれ」
私は後ろにいる新月にこれから使う移動手段を見せる様に言ってハリスの方に首を戻す。ハリスは訳がわからないといった顔で首を傾げていた。さて、どんな反応をするかな。
アホのポーズをして新月が背中から仕舞っていた翼を出す。
「ジャジャジャーン!!」
「っ!」
ハリスは口には出さなかったが驚いた顔をした。うん、反応は正しい。そりゃ今まで普通に話ていた人からいきなり翼が生えたら誰だった驚くよな。
「どうだい! 俺は飛べるんだ! クロも見た目は翼も何も無いけど飛べるぞ~。あ、ハリスは俺がしっかり掴んで運ぶから安心してくれ。大丈夫だ! 問題はない!」
いや、大問題だ。犯罪臭しかしない。
空という上下左右何も無くて落ちれば即アウトな場所で何かあったらどうするんだ。
例えばセクハラや、セクハラや、セクハラとか。
「大問題だ。お前がセクハラしないという確証が無い」
「落とすとかじゃなくってセクハラの問題?! ヒドス! 俺がそんなことするように見える?!」
足を内股にして困っちゃうポーズでウルウルとを見上げてくる新月が嘆く。
「実際にやってた。変態的な会話も聞いた。証拠もある」
「酷い!! でも覚えあり!!」
当たっているので新月は言い返そうとはしない。それに覚えがあるならまだマシか。そうだハリスの意見も聞かないといけない。
「ハリス、いいのか? このままだとこいつに抱っこされて飛ぶことになるが」
ハリスは少し考える素振りを見せると大丈夫と言うと新月に顔を向けた。
「新月さん空でそんなことしませんよね?」
「しないしない。そんな危ないことしないしー! いいからとっとと行こう!」
「だそうです。行きましょう何かあったら叫ぶんで」
「そうか、なら安心だ。何かされたらすぐに叫べよ」
叫んだらすぐに交代する。そうしよう。しかし目は光らせないとな。
「え? 叫ぶって防犯ブザーと同じ意味?」
(´・ω・`)
とした顔をしてる。がここで何か言うとまた面倒なので放置して神通力を使う。
『神通力を使います。神通力は魔力の消費により戦闘、日常生活などあらゆる面で使えます。ただし、使用した規模により魔力はそれに見合う量だけ消費されます。さらに想像力を使うとより具体的になります。現在、使える回数はあと9回です』
飛ぶ用意をしたら結構使ってることに気づいた。先程の壁問題で随分と使ってしまっていたらしい。今日はもう出来る限り使わないようにしよう。
しばらくして体が浮く。うん、問題はない。
「新月。置いて行くぞ」
そう言うと新月は急いでハリスを抱き抱えると翼を広げて羽ばたかせると追いかけて来た。
「待ってよー無視して放置ってどんなプレイだこの野郎! 着いたらいろいろと買って貰うからなー!」
「う、うわあわわー! 高い!! 本当に飛んでるー!!!」
「分かった分かった、あとで菓子かなんか買ってやるから静まれ。あと羽(花) はあまり散らすなよ。目立つ」
うん、一日ぶりに見たけど花が散って鬱陶しい。低空飛行したら世界中の注目を集めれるだろう。
あと予想はしてたけどハリスが固まってる。落ち着かせたら今度は暴れそうなのでこのまま行こう。悪いが我慢してくれハリス、王都といえば空から見たらすぐに場所がわかるから最短ルートで早く飛べる。それで許して欲しい。
「うっぷ、気持ち悪いです。ちょっと吐いて来ます……」
現在、夕方付近。王都から歩いて3分圏内。初めての飛行体験で酔ってしまったハリスが着いた途端に茂みへダイブした。
空中で緊張している時にリラックスと称したセクハラもどきを受けたんだ当たり前か。
「ひょっとこひょぐったらけひゃん。なひでつねふと(ちょっとこしょぐっただけじゃん。なんで抓るんだよ。訳)」
セクハラをした新月の頰を摘んで伸ばしていると新月が言い訳をして来た。いや太腿を摩るのはセクハラだろ。
しかしよく伸びる頰だな。一見そうは見えないのに餅のように伸びる。
「もうしない、しないから! 大丈夫かい? もう行ける?」
手を離して新月から離れるとハリスが出て来た。
新月が声をかけるとまだどこか落ちついていない感じかある。また吐くかもしれない。
と考えているとハリスがまだ落ち着いていないのに不思議そうな顔をして聞いてきた。
「はい、なんとか……でも王都までこんなに早く着くなんて……新月さんやクロスさんは一体何者なんですか?」
何者って神様です。 っと簡単に言えないので固まる。普通の人間は羽も無けれは翼無しで何時間も飛ぶことは出来ない。ハリスが疑問に思っても無理はないだろう。
「えー……あー、そ、それはだねハリスくん。俺達はちょっと事情があるから言えないんだよ。俺達の弟子にでもなるなら教えしんぜよーう!」
言い訳が一瞬思いつかなかった新月が誤魔化す筈なのになぜ先生のような口調で弟子に勧誘する。
おいやめろ。こういう時は面倒なことになるって現代の「お願いします!!」……」
「だとよ! クロ、旅の仲間一人ゲットだぜ! たたたた!! 痛ーい」
無言で梅干し。勝手に話を進めるな。
しかしどうしたものか。こんなところで本当のことを言ったら誰が聞いてるか解らないし……そうだ、
「ハリス、お前が弟子になったら教えてやると新月が言ったから(不本意だが)私は必ず言わないといけなくなってしまった。
が、まだお前のことを私達は知らない、その逆も然りだ。だからお前も私達ももう少し分かり合えたら話す。それでいいか?」
新月がえ?見たいな顔をしてるが口を塞いで何もいわないようにする。もう喋るな面倒になるなら。
「勿論です! その時はお願いします! クロス様!」
苦肉の策だったがよしとして貰えた。危なかった。しかしクロス様か、落ち着かないな。
何とか誤魔化したあと、王都に入る門の前まで来た。するとそこには10~20mはあるであろう巨大な城壁と門には門衛と大勢の人がいた。
中にはエルフですと言わんばかりの顔立ちの女性や、見た目が魔獣に近いがちゃんと二本の足で立ってるので魔族であろう男なんかがちらほらと目に入る。
が、多い。とてつもなく多い。これでは中に入るのが夜になるだろうと思いながらも最後尾に並ぶ。
「大急ぎの用事もないから並ぶがいいか?」
「いいんじゃね? ネズミランドでも並んだことあるしおkよん。暇つぶしに王都の観光名所でも調べまひょ」
「これだけ早く着いたんです。並んだって問題ありませんよクロス様」
二人の許可が取れたので私は並ぶことにした。
並んでいる最中は【世界の図書館】を使ってギルドの場所や観光名所。人気の飲食店、服屋を調べて盛り上がった。周りには奇妙な目で見られたが、
ギルドに入ったらあとで片っ端から行ってみよう。ハリスに必要な物を買ったり食品を買い揃えたりしたいし。
門の中に入れたのは予想どおり夜になってからだった。通行証や料金は商人以外はかからないと門衛に言われたのに何で早く入れないんだ。と前の人が言っていたが仕方ないだろう。
何も必要はないとは言え危険物の確認はしないといけない。
普通の人間は私達のようなアイテムボックスは持っていないようなので身体検査だけで済むが中には冒険者です! と言わんばかりのやつらがゴロゴロいるんだ。そりゃ時間もかかるだろう。私達はすんなりと通れたが。
門を通ったあと私達は調べておいたギルドへの道を進んで辿り着いた。しかし、ここまでの道のりは大変だった。
新月がどこかへ行方不明になりそうになるし、新月が勝手にピンクの看板のお店に入ろうとするし新月が……と新月があっちこっちに行こうとするのでその度に頰を抓ったり、ゲンコツしたりとキリがなかった。
「ごめんて言ってるじゃん! さぁ、店が閉まる前にギルドで登録して課金した金で買い物を………」
新月がギルドへの扉を開いた途端、固まった。
「どうしたんですか……」
ハリスが新月の横から覗くがこれも固まった。一体、どうなっているんだ。
「おい何が……」
私が上から覗くととんでもない光景が目に入ってきた。
「これはこれはお久しぶりですねピエールさんどちらに行かれるんですか?
私はこれから王都を全身で風を感じながら走るために全裸で走りに行くんです。汗でほどよく濡れたこの肉体美を王都中の人達に見せに行こうと思っているんです。ご一緒にどうですか?」
と白髪の老紳士に話している体格のいい男。
「そうなんですか~いいですね。ですが申し訳ありません。
私はこれから夜遊びをしているレディたちのスカートの中の宇宙を見に行くために広場で仰向けになってきます。ですからまた今度、ご一緒させてください。走りながらするスカートめくりも最高ですから」
といって体格のいい男の誘いを断る白髪の老紳士。
「ねぇ、どう?! これは魔界のダークシュニットっていうやつの手なんだけどこれ使ったらすごい武器が出来そうじゃね?!」
と言いながら刃物を振り回す男。
「危ないじゃない! その刃物が私の美貌に傷をつけたらどうするの?! そんなことしたらあんたを刃物が内部に付いてる樽の中にぶち込んで引きずりながら王都一周してやるから!!」
と叫ぶすごく可愛らしいが言ってる事がおかしい女性。
「どうた? どう見える? 実は……俺はなにも履いていなーい!!」
と言いながら羽で出来た大きな扇を両手に持ちながら下半身を隠して踊っている見た目だけはかっこいい長髪の美形。
「五月蠅い! アタシは今、濡れ場描いてるの! 美女とタコなの! 失敗したら面倒なんだから邪魔しないで!!」
と叫び何かとはオブラートに包む前に答えを言ってしまった、見た目は知的でクールな女性。
「私は強い。強いがこの衝動を止めることが出来ない!! あぁ! 今にもこの体が我慢出来なくなる! クソっ、時間が歴代最高の三時間であともう少しで四時間はいったと言うのに……私の中で暴れるこの感覚を我慢した時のこの感触が堪らないと言うのに仕方ない……いざ行かん!! ト・イ・レに!!」
と言ってトイレに行く厳つい顔の大男。
その他いろいろ。中には普通にしている人も多いが変態の奇行がインパクト的に強すぎて目に入らない。
「間違えたな」
「うん、留置所じゃないかな? 犯罪者大勢いるもん……」
「帰りましょう。ギルド探しは明日でいいです」
と私達の考えが一致してドアを閉めようとした時。
「あー! もしかして冒険者希望の人?ならこっちですよー」
受付の方から女性らしき声が大声で叫んで来たので変態+αが一斉にこちらを向く。やばい気づかれた……
「うわー! やばいぞクロ、ハリス君とっとと行くぞ!」
新月がいち早く正常に戻り隣を見るがクロノスとハリスが\(^o^)/オワタになっていた。
「クロ! 戻ってこーい! 魂は逃げられても体を置いてったら意味ないぞー! 戻ってこい! 寝るな! 寝たら引きずり込まれるーーー
「はいはーい! 新しい新人ちゃんね? あらかっこいい男持ってるじゃなーい? この人も入っちゃいなさ……何よ! この立派な体付き、この色気を含んだ鋭い目付きと目! 目は閉じててもかっこいいのはわかるわー。
それになによ! この光り輝くようなオーラは!! 只者じゃないわね? いいわー♡私この人になら抱かれてもー♡」」
新月がフリーズしている二人の手を引っ張って逃げようとするが時すでに遅し。
背後から迫ってきた真っ赤な髪をしたオカマゴリラに捕獲されて二人と一緒に受付まで引っ張られてしまった。
「おいクロ! 起きろ! 食われるぞー!」
新月が一生懸命に私の脛に蹴りを入れながらハリスの肩を揺さぶる。
「あ?……あぁ、危なかった。意識が天界へ里帰りしそうになってしまった」
「あー……は?!」
私は今まで一体何を……確かギルドへ行ってそれで……まずい、逃げなければ。
「クロ……遅かったな。ここは既にギルドらしき留置所の中だ」
新月が絶望の一言をかけてくる。しまった、フリーズしていた時に引きずり込まれたか……
「留置所じゃないですよー? ここは正真正銘ギルドです。『禁断の書』と書いてパンドラと読むんですよ? 覚えて下さいね。
もし、ギルドに入られるならこちらにサインを!
では説明です。ギルドに入られるとギルドカードが渡されます。
このカードは身分証明書替わりにもなり門の通行時もこのカードを見せればギルドの者だと証明出来ます。ギルドカードの上に手を置くと……なんと! カードが倒した魔獣の数を自動で記録してくれます。便利です!
ランクはZからEXまでです。上を目指して頑張りましょう!
また、ギルドでは倒した魔獣のコアや体の一部をお金にする出来ます! ギルドに入ってないと銅貨三枚を手数料に貰っていきますがギルドに入るとその面倒は0です! 以上が簡単な説明になりまーす!」
受付嬢が軽いノリで説明をしてサインをした(させられた)あとギルドカードを貰う。が、説明なんて上の空だ。
ハッキリ言って頭の巨大なリボン型の髪の毛の方が気になってしょうがない。
一体、どんなことをすればあんな髪になるんだといいたくなる。顔も黒●徹●に似てたからタマネギヘアーをリボンバージョンをしてるのかと思ったぞ。
その後、私達はコアを金にしたあと、店の散策をしに行こうとした。だがほとんどが店仕舞いをしていなかったのにも関わらず外を走り回る全裸の変態と広場で女性のスカートをのぞく変態が出たとの騒ぎのせいで買い物は明日になってしまった。
ギルド辞めた方がいいかもしれない。
「新月出発するぞ。石に片足乗せてポーズ決めても木しか見えないから意味がないぞー」
ゲルを私とハリスが片付けているというのに石に片足を乗せて船乗りがやる格好付けポーズで木に向かってドヤ顔をしてるアホがいる。置いて行くのは……駄目か。
「何だよ~。少しぐらいカッコつけたって良いじゃないか。そこは『いざ、出発!』とか言って欲しい」
新月が口を尖らせながら石から降りて戻って私の脛に蹴りを入れる。地味に痛い。
「私に当たらないでくれ、ギルドに行くんだろう? ついでに昨日採ったコアを売って調味料とか必需品を買わないと」
「はーい、本来の目的も果たしたいでーす! 今までクロに全部出して貰ってるから旅の意味が無くならないようにいろいろと買い漁りましょう!」
「ならいい。ささっと行くぞ」
「え? 少し待って下さい。一つ質問があるんですけどいいですか?」
ゲルを【無限の胃袋】の中に仕舞って本来の目的を改めて再確認をしているとハリスが私達に質問をしてきた。
「簡単に出発とか言ってますけど、どうやって首都のボーセンブーメンに行くんですか? ここはヴェレンボーンの一番北にある山なんです。馬車なら大回りしたり山超えたりしても王都には一ヶ月から二ヶ月ぐらいはかかるんですよ! 見たところ馬車も無いのにどうするんですか?」
ハリスがもっともな意見を言う。確かにトワフと王都のボーセンブーメンまでは距離がある。
ヴェレンボーンはオージュンの次に多い大陸で広大だ。裕福な人間ならこんな距離は馬車を使ったり、人を乗せて飛べる魔物でも買って使うだろう。それが出来ない農民は大体歩く。
しかし、歩くにも時間がかかる。馬車で一ヶ月から二ヶ月。歩いたら三ヶ月ぐらいはかかると調べたらでてきた程だった。真反対の方角に王都があるにしろ山々や底無し沼、魔獣の巣窟があるせいだ。荷物があるとさらに長くなるだろう。
普通の人間ならよし出発! で出発なんか出来ない。そう普通の人間なら……
「新月、あれ見せてやれ」
私は後ろにいる新月にこれから使う移動手段を見せる様に言ってハリスの方に首を戻す。ハリスは訳がわからないといった顔で首を傾げていた。さて、どんな反応をするかな。
アホのポーズをして新月が背中から仕舞っていた翼を出す。
「ジャジャジャーン!!」
「っ!」
ハリスは口には出さなかったが驚いた顔をした。うん、反応は正しい。そりゃ今まで普通に話ていた人からいきなり翼が生えたら誰だった驚くよな。
「どうだい! 俺は飛べるんだ! クロも見た目は翼も何も無いけど飛べるぞ~。あ、ハリスは俺がしっかり掴んで運ぶから安心してくれ。大丈夫だ! 問題はない!」
いや、大問題だ。犯罪臭しかしない。
空という上下左右何も無くて落ちれば即アウトな場所で何かあったらどうするんだ。
例えばセクハラや、セクハラや、セクハラとか。
「大問題だ。お前がセクハラしないという確証が無い」
「落とすとかじゃなくってセクハラの問題?! ヒドス! 俺がそんなことするように見える?!」
足を内股にして困っちゃうポーズでウルウルとを見上げてくる新月が嘆く。
「実際にやってた。変態的な会話も聞いた。証拠もある」
「酷い!! でも覚えあり!!」
当たっているので新月は言い返そうとはしない。それに覚えがあるならまだマシか。そうだハリスの意見も聞かないといけない。
「ハリス、いいのか? このままだとこいつに抱っこされて飛ぶことになるが」
ハリスは少し考える素振りを見せると大丈夫と言うと新月に顔を向けた。
「新月さん空でそんなことしませんよね?」
「しないしない。そんな危ないことしないしー! いいからとっとと行こう!」
「だそうです。行きましょう何かあったら叫ぶんで」
「そうか、なら安心だ。何かされたらすぐに叫べよ」
叫んだらすぐに交代する。そうしよう。しかし目は光らせないとな。
「え? 叫ぶって防犯ブザーと同じ意味?」
(´・ω・`)
とした顔をしてる。がここで何か言うとまた面倒なので放置して神通力を使う。
『神通力を使います。神通力は魔力の消費により戦闘、日常生活などあらゆる面で使えます。ただし、使用した規模により魔力はそれに見合う量だけ消費されます。さらに想像力を使うとより具体的になります。現在、使える回数はあと9回です』
飛ぶ用意をしたら結構使ってることに気づいた。先程の壁問題で随分と使ってしまっていたらしい。今日はもう出来る限り使わないようにしよう。
しばらくして体が浮く。うん、問題はない。
「新月。置いて行くぞ」
そう言うと新月は急いでハリスを抱き抱えると翼を広げて羽ばたかせると追いかけて来た。
「待ってよー無視して放置ってどんなプレイだこの野郎! 着いたらいろいろと買って貰うからなー!」
「う、うわあわわー! 高い!! 本当に飛んでるー!!!」
「分かった分かった、あとで菓子かなんか買ってやるから静まれ。あと羽(花) はあまり散らすなよ。目立つ」
うん、一日ぶりに見たけど花が散って鬱陶しい。低空飛行したら世界中の注目を集めれるだろう。
あと予想はしてたけどハリスが固まってる。落ち着かせたら今度は暴れそうなのでこのまま行こう。悪いが我慢してくれハリス、王都といえば空から見たらすぐに場所がわかるから最短ルートで早く飛べる。それで許して欲しい。
「うっぷ、気持ち悪いです。ちょっと吐いて来ます……」
現在、夕方付近。王都から歩いて3分圏内。初めての飛行体験で酔ってしまったハリスが着いた途端に茂みへダイブした。
空中で緊張している時にリラックスと称したセクハラもどきを受けたんだ当たり前か。
「ひょっとこひょぐったらけひゃん。なひでつねふと(ちょっとこしょぐっただけじゃん。なんで抓るんだよ。訳)」
セクハラをした新月の頰を摘んで伸ばしていると新月が言い訳をして来た。いや太腿を摩るのはセクハラだろ。
しかしよく伸びる頰だな。一見そうは見えないのに餅のように伸びる。
「もうしない、しないから! 大丈夫かい? もう行ける?」
手を離して新月から離れるとハリスが出て来た。
新月が声をかけるとまだどこか落ちついていない感じかある。また吐くかもしれない。
と考えているとハリスがまだ落ち着いていないのに不思議そうな顔をして聞いてきた。
「はい、なんとか……でも王都までこんなに早く着くなんて……新月さんやクロスさんは一体何者なんですか?」
何者って神様です。 っと簡単に言えないので固まる。普通の人間は羽も無けれは翼無しで何時間も飛ぶことは出来ない。ハリスが疑問に思っても無理はないだろう。
「えー……あー、そ、それはだねハリスくん。俺達はちょっと事情があるから言えないんだよ。俺達の弟子にでもなるなら教えしんぜよーう!」
言い訳が一瞬思いつかなかった新月が誤魔化す筈なのになぜ先生のような口調で弟子に勧誘する。
おいやめろ。こういう時は面倒なことになるって現代の「お願いします!!」……」
「だとよ! クロ、旅の仲間一人ゲットだぜ! たたたた!! 痛ーい」
無言で梅干し。勝手に話を進めるな。
しかしどうしたものか。こんなところで本当のことを言ったら誰が聞いてるか解らないし……そうだ、
「ハリス、お前が弟子になったら教えてやると新月が言ったから(不本意だが)私は必ず言わないといけなくなってしまった。
が、まだお前のことを私達は知らない、その逆も然りだ。だからお前も私達ももう少し分かり合えたら話す。それでいいか?」
新月がえ?見たいな顔をしてるが口を塞いで何もいわないようにする。もう喋るな面倒になるなら。
「勿論です! その時はお願いします! クロス様!」
苦肉の策だったがよしとして貰えた。危なかった。しかしクロス様か、落ち着かないな。
何とか誤魔化したあと、王都に入る門の前まで来た。するとそこには10~20mはあるであろう巨大な城壁と門には門衛と大勢の人がいた。
中にはエルフですと言わんばかりの顔立ちの女性や、見た目が魔獣に近いがちゃんと二本の足で立ってるので魔族であろう男なんかがちらほらと目に入る。
が、多い。とてつもなく多い。これでは中に入るのが夜になるだろうと思いながらも最後尾に並ぶ。
「大急ぎの用事もないから並ぶがいいか?」
「いいんじゃね? ネズミランドでも並んだことあるしおkよん。暇つぶしに王都の観光名所でも調べまひょ」
「これだけ早く着いたんです。並んだって問題ありませんよクロス様」
二人の許可が取れたので私は並ぶことにした。
並んでいる最中は【世界の図書館】を使ってギルドの場所や観光名所。人気の飲食店、服屋を調べて盛り上がった。周りには奇妙な目で見られたが、
ギルドに入ったらあとで片っ端から行ってみよう。ハリスに必要な物を買ったり食品を買い揃えたりしたいし。
門の中に入れたのは予想どおり夜になってからだった。通行証や料金は商人以外はかからないと門衛に言われたのに何で早く入れないんだ。と前の人が言っていたが仕方ないだろう。
何も必要はないとは言え危険物の確認はしないといけない。
普通の人間は私達のようなアイテムボックスは持っていないようなので身体検査だけで済むが中には冒険者です! と言わんばかりのやつらがゴロゴロいるんだ。そりゃ時間もかかるだろう。私達はすんなりと通れたが。
門を通ったあと私達は調べておいたギルドへの道を進んで辿り着いた。しかし、ここまでの道のりは大変だった。
新月がどこかへ行方不明になりそうになるし、新月が勝手にピンクの看板のお店に入ろうとするし新月が……と新月があっちこっちに行こうとするのでその度に頰を抓ったり、ゲンコツしたりとキリがなかった。
「ごめんて言ってるじゃん! さぁ、店が閉まる前にギルドで登録して課金した金で買い物を………」
新月がギルドへの扉を開いた途端、固まった。
「どうしたんですか……」
ハリスが新月の横から覗くがこれも固まった。一体、どうなっているんだ。
「おい何が……」
私が上から覗くととんでもない光景が目に入ってきた。
「これはこれはお久しぶりですねピエールさんどちらに行かれるんですか?
私はこれから王都を全身で風を感じながら走るために全裸で走りに行くんです。汗でほどよく濡れたこの肉体美を王都中の人達に見せに行こうと思っているんです。ご一緒にどうですか?」
と白髪の老紳士に話している体格のいい男。
「そうなんですか~いいですね。ですが申し訳ありません。
私はこれから夜遊びをしているレディたちのスカートの中の宇宙を見に行くために広場で仰向けになってきます。ですからまた今度、ご一緒させてください。走りながらするスカートめくりも最高ですから」
といって体格のいい男の誘いを断る白髪の老紳士。
「ねぇ、どう?! これは魔界のダークシュニットっていうやつの手なんだけどこれ使ったらすごい武器が出来そうじゃね?!」
と言いながら刃物を振り回す男。
「危ないじゃない! その刃物が私の美貌に傷をつけたらどうするの?! そんなことしたらあんたを刃物が内部に付いてる樽の中にぶち込んで引きずりながら王都一周してやるから!!」
と叫ぶすごく可愛らしいが言ってる事がおかしい女性。
「どうた? どう見える? 実は……俺はなにも履いていなーい!!」
と言いながら羽で出来た大きな扇を両手に持ちながら下半身を隠して踊っている見た目だけはかっこいい長髪の美形。
「五月蠅い! アタシは今、濡れ場描いてるの! 美女とタコなの! 失敗したら面倒なんだから邪魔しないで!!」
と叫び何かとはオブラートに包む前に答えを言ってしまった、見た目は知的でクールな女性。
「私は強い。強いがこの衝動を止めることが出来ない!! あぁ! 今にもこの体が我慢出来なくなる! クソっ、時間が歴代最高の三時間であともう少しで四時間はいったと言うのに……私の中で暴れるこの感覚を我慢した時のこの感触が堪らないと言うのに仕方ない……いざ行かん!! ト・イ・レに!!」
と言ってトイレに行く厳つい顔の大男。
その他いろいろ。中には普通にしている人も多いが変態の奇行がインパクト的に強すぎて目に入らない。
「間違えたな」
「うん、留置所じゃないかな? 犯罪者大勢いるもん……」
「帰りましょう。ギルド探しは明日でいいです」
と私達の考えが一致してドアを閉めようとした時。
「あー! もしかして冒険者希望の人?ならこっちですよー」
受付の方から女性らしき声が大声で叫んで来たので変態+αが一斉にこちらを向く。やばい気づかれた……
「うわー! やばいぞクロ、ハリス君とっとと行くぞ!」
新月がいち早く正常に戻り隣を見るがクロノスとハリスが\(^o^)/オワタになっていた。
「クロ! 戻ってこーい! 魂は逃げられても体を置いてったら意味ないぞー! 戻ってこい! 寝るな! 寝たら引きずり込まれるーーー
「はいはーい! 新しい新人ちゃんね? あらかっこいい男持ってるじゃなーい? この人も入っちゃいなさ……何よ! この立派な体付き、この色気を含んだ鋭い目付きと目! 目は閉じててもかっこいいのはわかるわー。
それになによ! この光り輝くようなオーラは!! 只者じゃないわね? いいわー♡私この人になら抱かれてもー♡」」
新月がフリーズしている二人の手を引っ張って逃げようとするが時すでに遅し。
背後から迫ってきた真っ赤な髪をしたオカマゴリラに捕獲されて二人と一緒に受付まで引っ張られてしまった。
「おいクロ! 起きろ! 食われるぞー!」
新月が一生懸命に私の脛に蹴りを入れながらハリスの肩を揺さぶる。
「あ?……あぁ、危なかった。意識が天界へ里帰りしそうになってしまった」
「あー……は?!」
私は今まで一体何を……確かギルドへ行ってそれで……まずい、逃げなければ。
「クロ……遅かったな。ここは既にギルドらしき留置所の中だ」
新月が絶望の一言をかけてくる。しまった、フリーズしていた時に引きずり込まれたか……
「留置所じゃないですよー? ここは正真正銘ギルドです。『禁断の書』と書いてパンドラと読むんですよ? 覚えて下さいね。
もし、ギルドに入られるならこちらにサインを!
では説明です。ギルドに入られるとギルドカードが渡されます。
このカードは身分証明書替わりにもなり門の通行時もこのカードを見せればギルドの者だと証明出来ます。ギルドカードの上に手を置くと……なんと! カードが倒した魔獣の数を自動で記録してくれます。便利です!
ランクはZからEXまでです。上を目指して頑張りましょう!
また、ギルドでは倒した魔獣のコアや体の一部をお金にする出来ます! ギルドに入ってないと銅貨三枚を手数料に貰っていきますがギルドに入るとその面倒は0です! 以上が簡単な説明になりまーす!」
受付嬢が軽いノリで説明をしてサインをした(させられた)あとギルドカードを貰う。が、説明なんて上の空だ。
ハッキリ言って頭の巨大なリボン型の髪の毛の方が気になってしょうがない。
一体、どんなことをすればあんな髪になるんだといいたくなる。顔も黒●徹●に似てたからタマネギヘアーをリボンバージョンをしてるのかと思ったぞ。
その後、私達はコアを金にしたあと、店の散策をしに行こうとした。だがほとんどが店仕舞いをしていなかったのにも関わらず外を走り回る全裸の変態と広場で女性のスカートをのぞく変態が出たとの騒ぎのせいで買い物は明日になってしまった。
ギルド辞めた方がいいかもしれない。
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